カイ×ポプリ

波打ち際を風が通る。ビーチパラソルの下で毎年のように会話をする。
夏の初めにミネラルタウンに来て、ひさしぶりに声をかけたときには、
何か思い詰めて緊張していた少女が、ふわり、と笑う。
「カイ、他の町の話を聞かせて」
ピンクの髪が、ゆらり、となびく。
背が伸びたかな、と思う。
毎年、する話は同じようなものだ。他の町の話。他の人の話。
毎年、聞く話も変わらない。秋から春の間にミネラルタウンであったこと。
体つきが女性らしくなったかもしれない、と思う。
かっちりとしたビスチェがそれを隠している。
「クレアさんには…もう…」
そう口にしながら、夏の初めと同じ表情をした。
それには気がつかない振りをして
「挨拶したよ」
と、軽く返す。
「それより、またここに来てるとリックに叱られるぞ」
と話題を変える。
ポプリが、うふふ、と婀娜っぽく笑う。こんな笑い方をいつ覚えたのかと思う。
「お兄ちゃんは、もう大丈夫なの」
「あれが大丈夫になるわけないだろう」
もしかして、とカイの中に嫌な予感が沸き上がる。
大丈夫に、なるとしたら。それは大丈夫とは、真逆だ。
ポプリの幼さがふと苛立たしくなる。大人なら。大人の女性なら気がつくだろう。
独占欲と嫉妬という言葉の意味を知っている人間なら。
例えば…夏の初めにこの海の家で白い床で、身体を重ねた彼女なら…
ポプリの笑い方に色気が重なる理由がわかった。気がした。
別に処女であることに価値があるとは思わないからいいけど、と自分に言い聞かせる。
…確かめたい…
「だからね…カイ」
ポプリがカイを見つめる。視線が熱を帯びている。
「あのね…カイの海の家で…海開きのフリスビー大会の日…」
さすがのカイも一瞬、ぎょっとする。
「クレアさんとしたのと同じコトを…して…?」
声でも聞かれたのか、と思う。…さすがに見られてはいなかったと思いたい…
「わかって言ってんの?」
ひきつった笑顔を作る。
「…わかってるよ…ポプリ、もう子どもじゃないもん…」
そう言うのが子どもの証拠なんだけどな、とカイは思う。


…何をもってして子どもじゃないというのか…
自分の方が、まだ余裕があるとカイは考える。
「本当に?」
ともう一度訊ねる。今度は自然な表情だと自分で思う。
きっと、少し意地の悪い、余裕のある笑顔だと。
「うふふ」
とポプリがまた艶っぽく笑う。
「だって、ポプリもしてもらったもの。いっぱい、いっぱいしてもらったの」
がん、と、頭を鈍器で殴られたような感覚に襲われる。
相手をナメてかかるから、このザマだ。だから、女は恐ろしいんだ。
だから、リックが許可を出した。
だから、ポプリが色気を出した。
だから、子どもじゃないと…
「ね…カイにもしてもらいたいの…」
そう言って、ポプリがカイににじり寄る。
一瞬、ポプリがまるで知らない女性に見えた。全身から色気が漂ってくる。
「…ポプリもいっぱいしてあげたいの…」
初めて、ポプリのビスチェがいやらしいものに見える。
ポプリがカイの手を握る。引き寄せて、フレアスカートの中に導く。
スカートの中はペチコートが幾重にも重なり、ポプリを守っている。
本人はいとも容易くそれをかき分ける。守りなど、内側からは何の意味もない。
柔らかい太股にカイの指が触れる。そっと内側を指がなぞる。
「うふふ」
ポプリがカイを見つめて微笑む。指を握り、布の隙間から誘う。
柔らかい毛の感触と。ぶくりと膨らんでいる突起。そして。
しっとりと濡れている口を確認する。
「…ね?」
そう微笑んで、ポプリがカイに口づける。
「…ずぅっと我慢してきたの…」
カイが慌てて理性を引き戻す。
それは自分も同じだし、今年はいただけるだろうと思っていた。
こういう形だとは全く予想していなかったけど…
気を取り直す。こんな時に理性が必要になるとは思いもしなかった。
そのまま、今度は自分の意志で、指をくちゅくちゅと動かす。
「あん…」
ポプリが嬉しそうに笑う。反対の手でポプリの腰を引き寄せ、キスをする。
唇を吸い、ポプリが差し出した舌を吸う。ちゅっちゅっと音をたてて唇を何度も重ねる。
せめて場所を変えるべきかと思い、ポプリに海の家においでと言おうとした。


「うふふ」
また、ポプリが笑う。
ズボンの上からカイのペニスを触る。
こいつは意志とは関係ないのかとカイは思わず自分の息子が情けなくなる。
ポプリがベルトを抜いてカイのズボンと下着を一緒に下ろす。
いつの間にこんなんなってんだよ、とカイは心の中で悪態をつく。
カイのペニスは天を向き、力強くそそり立っている。
温かい粘液に包まれる。ポプリが迷い無く、カイを口にした。
ちゅっ、と音を立てて先端にキスをする。そのまま舌を這わせ、くびれまで
口に含んで舌でつつく。口に含んだまま、舌が動く。
ちゅば、と音を立ててポプリが顔をあげた。
また、笑う。
「…うふふ…おいしい…」
再び、俯いてカイのペニスを口にいれる。
今度は、奥まで口に含み、上下に動く。手を添えて、指で柔らかくこする。
舌を伸ばし、根元まで銜え込み、袋を弄ぶ。
「ちょ…ポプリ…イキそう…」
カイにとっては最後の理性でポプリを自分から引き離す。
「最初は、ポプリの中でイカせて…?」
ギリギリでポプリに囁く。
「やん…カイの…お口に欲しかったのに…」
そう言いながらも、自分でショーツを脱ごうとする。
たまらず、カイがポプリの脚からショーツを引き抜く。
フレアスカートを捲り上げ、ペチコートを掻き分けてポプリを探す。
痛んだレジャーシートにポプリを押し倒し、脚を持ち上げて、
一気に押し込む。
「やぁ…ん…」
挿入した刺激でポプリが喘ぐ。
やはり、無い。あると思っていた抵抗が無い。誰かが先に通っている。
…多分…考えるのが嫌だった。いくらこの町でも、そんなことがあるのかと思った。
顔面から血の気が引いているのが自分でわかる。
腰をゆっくりと前後に動かしながら、ポプリに覆い被さる。
「うふふ」
ポプリが幸せそうに笑う。
耳たぶを軽く噛んでから、囁く。
「…誰と…練習した…?」
「お兄ちゃん…」
迷いも躊躇いもなくうっとりとした表情でポプリが答える。


「どのくらい?」
どうでもいいことを訊いた、と思った。訊くんじゃなかった。
答えるな、答えるんじゃない。
「いっぱい…あのね、海開きの日からずぅっと」
…最悪だ、と思った。今日は何日だっけ。思い出せない。
せめてペニスを抜ければいいのにと思ったが、萎えるわけでもない。
頭とは正反対に、腰は快楽を求めて前後に動き、ペニスは一層力を増した。
ずぶずぶとポプリに引き摺り込まれる。
違う。リックの妹だが、リリアさんの娘なんだ、と思う。
「あん…ッ」
と刺激を受けてポプリが絡みついてくる。舌を伸ばし、唇を重ねる。
「やん…やっぱりカイの…すっごくイイ…」
キスをしながら、ポプリが強請る。
「…こっちも触って…」
茂みの中の突起に指を導く。そのままクリトリスを捏ねる。
「んっ…はぁっ…」
カイの下でポプリがビスチェを外し始める。時々、ため息のような喘ぎ声を出す。
その合間に、口を開く。
「…海開きの日にね…聞いちゃったの…」
思わず、カイの動きが速くなる。
「やぁ…んっ…ふぁっ…」
それでも黙ろうとしない。
「おうちに帰ってから…すっごくエッチな気分になって…」
ビスチェが外れる。ブラウスを捲り上げ、ブラジャーを自分で外す。
「一人で触ってたの…カイのこと考えながら…」
自分で薄いピンクの乳首をつまむ。
思わず、カイがもう片方の突起にキスをする。
「あ…ん…そう…こうして…欲しかったの…」
そこから先は、聞きたくなかった。
「…そしたら、お兄ちゃんにみつかって…」
ポプリの口を自分の口で塞ぐ。
「んん…っ」
とポプリが舌を吸う。カイがポプリの舌に自分の舌を絡めて引き寄せる。
一気にポプリを突き上げる。
「やぁっ…ん…んん…あんっ…あんっ…」
カイの動きに合わせてポプリがよがる。それが声にならなくなった頃、
ポプリの内側がびくびくと動き、ぎゅっとカイを締め付けた。
「んっ…」


そのまま中に精液を放つ。
ポプリの脚がひくひくと痙攣している。ペニスを挿れたままそっとポプリを抱き締める。
「…そう…こうしてもらうの…大好き…」
力の抜けた声でポプリがうっとりと言う。
誰に、とか聞くのも面倒で、カイがポプリの乳首を指でぴんと弾く。
それなりに成長している乳房の先は、刺激に対しても正直で、ぶっくりと膨らみ、
堅くなっている。
「うふふ」
とポプリがまた笑って身体をくねらせる。
カイをじっと見つめ、キスをする。
「…もっと…もっと触って欲しいの…カイに…」
そんなに短期間で感じるようになるほどリックとやってんのに、まだ足りないのかと思う。
「…カイに…」
ポプリが言い直す。
「お兄ちゃんじゃなくて…カイに…たくさん…してほしいの…」
ああ、男は現金だと思う。
自分の名前が口から出た途端、力が戻る。
頭がはっきりと動くようになる。
夕暮れの風を感じて、ポプリからペニスをそっと抜く。
抱きしめたまま、囁く。
「じゃ、そろそろザクが出てくるからさ、海の家に入ろう?」
ポプリがカイの首に腕を回してキスをする。
「うふふ」
と、また笑う。そして。
「…嬉しい…カイ…大好き…」
と囁いた。
これは魔法の言葉。お兄ちゃんに言ってもすごく喜んでたもの。
そう、ポプリが心で呟いていることなど、カイは知るよしもない。

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