「今日から僕達、夫婦なんですね」
式場の喧騒の只中、ラグナが新婦だけにしか聞こえない程の小さな声でつぶやき微笑む。

「・・・そうね」
ビアンカも同じように新郎に微笑み返す。


今日、ラグナとビアンカは結ばれた。
これからは喜びも悲しみも2人で分かち合ってゆく。
もちろん困難も待っているのであろうが、そんな事も気にならない程2人は今幸せだった。

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新婚初夜。



一つのベッドの中で寄り添いあう2人。
ビアンカの横にはすやすやと寝息を立てるラグナがいた。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」


ふっ、普通、こんな日はあんな事やこんな事をするものじゃないの!?
ビアンカは明らかに苛立っていた。と言うよりも、
「あんな事やこんな事」に期待していただけに性欲を持て余している状態だった。

結婚式での疲れも溜まっている事だろう。
しかし、日常習慣となっている畑やモンスターの世話も決して欠かさなかったラグナ。
体力は限界に達しているのかもしれない。
現に今こうして熟睡してしまっているわけなのだから。

しかし街一番の「わがままお嬢様」がそんな事で妥協もとい我慢が出来るはずもない。
しかも無防備なラグナの寝顔を見ていると今までに覚えたことのない感情が湧き上がってくるのだ。
ビアンカ自信にも今のところ、「それ」の正体はわからなかった。




とりあえずビアンカはラグナを叩き起こすことにした

バッチィィィィィィィィィン!!!!!!



家の外にまで漏れそうな程の凄まじい音が響く。
ビアンカがラグナの頬を思い切り張ったのだ。

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

悲痛な叫び声を上げてラグナが飛び起きる。
頬にはくっきりと赤い手形が浮かび、目には涙まで滲んでしまっている。
「な、何をするんですか!!;」

そして頬に手をあてがいながらきょろきょろと辺りを見回し、

目線の先に自分の頬に強烈な一撃を見舞った張本人を発見した。
・・・まるで鬼のような形相を浮かべたビアンカだ。
頬の痛みも忘れ、思わずすくみ上がってしまうラグナだった。

「・・・あんたがしっかりしないからいけないのよ!!」

訳の分からない状況に訳の分からない事を言われ、きょとんとするしかないラグナ。
次の瞬間にはビアンカに押し倒されてしまっていた。



「あの・・これってもしかして」
「この体勢から私のしたがっている事が分からないの?」
「ちょっと・・あの、僕今日は疲れてるから無理ですって・・・」

必死に訴えてみる。


「そんなの知ったこっちゃないわよ!!」

無駄だった。



あれよあれよという間にビアンカに身包み剥がされ、
ラグナは一糸纏わぬ姿となってしまっていた。
男にこの表現を使うのもどうかと思うが。
当のビアンカも衣服を全て脱ぎ去ってしまっている。


「ちょっと・・恥ずかしいですよ・・・」
ラグナがベットの上にあるタオルケットを身に纏おうと必死に手を伸ばす。
しかしビカンカがその手を叩き落とす。
「私達は『夫婦』でしょーが!!このくらいどうって事無いでしょう?」
理性も吹っ飛び訳の分からないセリフと共に何とも言えない威圧感を放ち始めるビアンカ。

「・・・・・・」
完全に尻に敷かれてしまっているラグナであった。



「でも大丈夫よ、疲れているのなら私が初めから終わりまで全部やってあげるわ」
「え!?」

そう言うや否や、早速ビアンカはラグナのペニスに手を伸ばししごき始めた。
「え、ちょっと・・・!」
「ふぅん、結構いいモノ持ってるじゃないの」
口も動いているが手も休むことは無い。
「やめ・・てくださ・・・あっ・・・」
声を上げ仰け反り、その勢いのまま仰向けに倒れこむ。
疲れが溜まっているせいか些細な事で大袈裟な反応をしてしまうようだ。
そんなラグナを見ているだけで快感のようなものを覚えてしまうビアンカだった。


「・・じゃあ やーめっ」
ビアンカの言葉に一息つくラグナ。
しかしその休息も束の間だった。

ビアンカは今度は手でしごくのでは無く、ラグナのペニスを直接舐め始めたのだ。
「そんな所っ・・・舐めちゃ・・きたな、い、です・・よ・・・?」
「何言ってんのよ。好きな人のモノなんだもの、汚いなんて思わないわよ」
一旦行為を中止し、顔を上げ照れながらも微笑むビアンカ。
その笑みを見てラグナの心臓がドクンと跳ねる。

「ちょっとクサいセリフを言っちゃったのかもしれないわね・・・・」
自分の口にした事が今更恥ずかしくなってしまい、
ビアンカは先程までの行為に集中して気を紛らわすことにした。



「あっ・・・うっ・・・・・」

口内にラグナの性器を出し入れし、ピストンのような行為を繰り返すビアンカ。
それのせいですっかり顔を上気させているラグナ。
限界も近いのか先走りの液も滲み出ている。


「気持ちいい?」
ビアンカがラグナに問う。
しかしラグナの耳に声は届いていないのか、それとも返事が出来ないのか。
もちろんそんな事など見れば分かる。
それでもあえてビアンカは少しすねた口調で「・・・無視しないでよ」と言ってみる。
その言葉に反応したのかラグナが口を開きかけたが、

「・・私を無視した罰よ」

わざとそう言ってビアンカはピストンの速度を一気に速めた。
ラグナの少し苦しげな喘ぎ声がより一層大きくなる。

ラグナの声に反応したのか、自分の肌にぞわぞわと鳥肌が立つのを感じる。
その瞬間ビアンカは理解した。
自分は何故かこの青年を苛めると快感を感じてしまうタチなのだと。


「っ!出、・・・・・」


ラグナのペニスがどくんと大きく脈打ち、精液を吐き出た。
ビアンカは発射の寸前にペニスを口から解放し、わざと精液を顔にかぶった。
精液特有の匂いが鼻につく。
ラグナは疲れきって脱力し、目を閉じ四肢をだらしなく投げ出している。
その様子を見、ビアンカは頬を緩めた。



「ねぇラグナ」

ビアンカがラグナの顔の近くまで這い寄り、静かに話しかける。
ラグナは相当疲れているのか目をうっすらと開けただけで返事すらしようとしない。

「見てよ、私の顔・・ラグナのせいでこんなに汚れちゃったじゃない?」

もちろんビアンカ自身がわざとやったわけなのだが。
ラグナは申し訳無さそうな表情を浮かべ口を開き何かを言おうとする。
しかしビアンカがそれを遮り、

「私の気分を害した罰。アンタの事、おしおき・・しなくちゃね」

とぽつりとつぶやいた。
ラグナはその瞬間不安とも戦慄とも取れない表情を浮かべる。
その顔を見ただけでビアンカはこれまで以上の快感と興奮を覚えた。



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