タバサ×ビアンカ
「はぁ……」
ビアンカが深く、それでいて意味ありげなため息をつく。
「どうかなさいましたか?お嬢様。」
彼女はさっきからずっとこんな様子で、心配してタバサが尋ねた。
「どうかしたじゃないわよ。ラグナったら今日話しかけてくれればラブ度10になるっていうのに。
顔を合わせにこないんだもん。一体どこで油を売ってるのかしら。」
それはきっとお嬢様が話しかけるだけで結婚してしまうからあえて避けているのでは、と言おうとしたがとどまった。
メロディともそうだ。
彼女と風呂営業時間外に話すと風呂と結婚するかメロディと結婚するか、逃げ場のない選択を強いられる。
「それならお嬢様御自身でお会いに向かえばよろしいのでは?」
それがラグナと顔を合わせるのが一番手っ取り早い方法である、がビアンカはそれをずっと拒み続けていた。
「それにしても、ラグナが来ないんじゃやることもないし…… はぁ、暇だわ。」
それを聞いたタバサがビアンカに一つ提案をした。
「それならお嬢様、ラグナ様との前に予行練習を致しましょう。」
「予行…… 練習? 一体何の?」
ビアンカが目を細めて聞き返す。
「ええ、それは勿論夜のお付き合いでございます。」
タバサのにんまりとした笑みがビアンカに向けられ、これは不味い事を訊いてしまったと思い、身をたじろいだ。
「そ、そうね、こんな良い天気ですもの。たまには外の空気も吸わないと!」
そういい残して早足で部屋を出ようとしたが、腕首をがっちりとタバサに握られていた。
「ひっ!」
悲鳴に近い声を上げタバサの方を振り向くと、そこには目をギラギラと輝かせ捕らえた獲物を逃がさぬよう押さえつける捕食者の目があった。
「ダメですよ、お嬢様。何事も経験は必要です。でも、コレばかりは経験あっては不味いですね。
まぁそのあたりは私にお任せ下さいませ。」
「そ、そそそんな事信用出来る物ですかっ!早くその手を離して頂戴っ!」
何とかしてタバサの手を振り解こうとするビアンカだが、しっかりと万力の様に捕らえてるためなかなか離れない。
そのうち力を入れられるだけ入れ、物凄い前傾姿勢になっても離そうとしない。
「いい加減に離してっっっ!」
そう怒鳴った瞬間、ビアンカの腕首は万力から解放された、が振り解こうと全力を投じ、前傾姿勢になっていた彼女はそのまま絨毯の上に倒れてしまった。
「あうっ!イタタタ…… ちょっと!怪我したらどう……するの…よ……」
タバサに叱咤するも、目前には毒息を口からもらしているメイドの姿があった。
に、逃げないと!
必死になってもがくが、こういう時には身体がいう事をきかない物である。
身体がガクガクと震え立つ事もままならない。
「いっ、嫌よ、ねぇ、過ぎた冗談はよして頂戴よ。ねぇ、ねぇ……」
かすれた声で懇願するが一歩、また一歩とメイドは近寄ってくる。
ああ、蜘蛛の巣に囚われた昆虫てこんな感じなんだな、とそんな事を思っているとメイドが身体を抱き上げてソファーへと運んだ。
「あらあら、お嬢様。お転びになられて…… お召し物が汚れてます。」
そう言ってタバサは肩に手をかけてするり、と慣れた手つきでビアンカを生まれた姿にしていく。
「だ、だめっ!離しなさい!はやくその手を離して!」
ここで抵抗しないと完璧にタバサの良い様に弄ばれてしまう!そんな考えがビアンカの身体を動かす最後の原動力となっていた。
「あら、お嬢様は着衣の方がお好きなんですね。ならばお嬢様の御嗜好を尊重させて頂きますね。」
「ち、着衣て何よ!いいからはや、むっ むぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
タバサがビアンカの唇を無理矢理塞ぎ、口内に曇った声がこだました。
ビアンカの声帯から発せられた声韻がタバサの口内へと伝ってくる。
そしてタバサの舌が本格的にビアンカの口内へと侵入していく。
「むっ!むふぅぅううう!ふぅぅぅぅぅぅ!」
どんなに声を上げようとしても言葉にならない叫びばかりが響く。
そんなビアンカを尻目に、舌と舌が濃密に絡まりあう。
舌を絡ました後には、歯ぐきと歯を丁寧に舐め上げていく。
「ふーっ、ふーっ むぁっ!」
突如ビアンカの身体がビクンと跳ね上がる。
ビアンカの硬口蓋が舌先で嘗め回されたのだ。
口内の性感帯を何度も重点的に攻められビアンカは目をとろりとして、恍惚を貪るようであった。
タバサは絶妙な舌使いで、ビアンカの口内に溜まった唾液を運び込み、こくんこくんと喉を鳴らしていった。
そして時折自分の唾液と混ぜ合わせビアンカへと送り込む。
もう諦めたのか、ビアンカは上の空で同じように唾液を食道へと送り、タバサの舌使いをがん味していた。
もうどれくらい続いたのだろうか。
タバサが口を離すと、ビアンカはまだ足りないのか自らメイドの舌技を求めてくる。
……ちょとやりすぎたのかもしれません。
そう思いながらも、メイドはお嬢の要求にこたえてまた唇を密着させる。
二人はだらだらと涎を垂らしながら互いを貪っている。
タバサのエプロンとビアンカの服は二人の唾液でベトベトになり並々ではない臭いを放っていたが、彼女達にとっては気分を高揚させるアクセントとなっていた。