すごいよ!メロディさん 〜64で3人プレイって結構微妙〜 
                      ラグナ×フィル+メロディ

その日の夜、ラグナ宅に忍び寄る一つの影があった。
「えっと……だ、誰にも見つかってませんよね…?」
フィルである。
家の壁に背を向け、辺りをきょろきょろと見回すその姿はまさに不審者。
そんな彼女はミッションインポッシブルのテーマを口ずさみながら、懐から針金を取り出す。
「大丈夫……本で読んだとおりにすれば、必ず成功します…」
そう呟き、針金を玄関の鍵の中へ差し込む。
何度かカチャカチャと動かしていると、一際大きな、何かが外れるような音がした。
「……やった! 成功しました!」
思わず声を弾ませる。
が、慌ててその口を手で覆う。
暫く息を潜め、辺りに誰も居ないことを確認すると、ゆっくりと口を開く。
「……ふぅ。こんなところで気付かれるわけにはいきませんからね…」
安堵の息を漏らしながら、音も無く玄関を開ける。
「抜き足、差し足、忍び足……っと」
月明かりを浴びながら、部屋の片隅へと向かうフィル。
その姿は東洋の忍者を思わせる。
……などと言ったら、めいに怒られそうだ。
「……はぁぁ…」
そうこうしているうちに、目的地へついたようだ。
フィルは部屋の片隅──ベッドの上で熟睡しているラグナを見て溜息をつく。
「ラグナさんの寝顔……可愛いです…」
頬を赤らめながら、すぅすぅと健やかな寝息を立てるラグナをまじまじと見つめる。
天使のような寝顔を充分に満喫した後、今度はラグナの頬を指で突っつき始める。
 ふにふに
「……ん…ぅ…」
寝苦しそうな顔をして、手足をじたばたさせるラグナ。
そんな姿が、フィルの悪戯心に火をつけてしまったようだ。
調子に乗って、何度も何度も突っつく。
 ふにふに
 ふにふにふに
 ふにふにふにふに
「はぁぁ〜……これはクセになりますね…」
悦に浸りつつも、ラグナを弄るのはやめないフィル。
心なしか、彼女の周りから『ほわほわん』といった感じのオーラが出ている気がする。
「ん……う〜ん……」
しかし、いささか調子に乗りすぎたか。
ラグナがそっぽを向くように寝返りをうってしまった。
ついでに、布団も目深に被る。
「あっ……」
名残惜しそうな声を上げるフィル。
と、そこで彼女はようやく当初の目的を思い出した。
「……はっ。…そうです、これくらいで満足してちゃいけません…!」
気合を入れるように、両手で軽く握り拳を作る。
「……メロディさんもミストさんも、ズルいです。
 私だって、たまには良い思いがしたいです……」
そう呟き、ゴソゴソと布団の中にもぐりこむ。
彼女の目的。
それは夜中にラグナの家へ押しかけ、彼とにゃんにゃんすること。
まあ、つまり、夜這いである。


「……こ、ここまで来れば…あ、あとはこっちのものです…」
ラグナの背中に密着したフィルは声を震わせる。
無理も無い。なにしろラグナがこの町に来るまでは、異性との交流すらほとんど無かったのだ。
そんな彼女がこんな大胆な行動に出るには、並々ならぬ勇気が必要であっただろう。
「そ、それでは……よろしくお願いしま〜す…」
とは言うものの、まず最初に何をすればいいのかよく分からない。
とりあえずゴソゴソと体中に手を這わす。
「……よろしくって、何のことです?」
「え……」
「……というか、何でこんなところに居るんですか? フィルさん…」
しまった。起こしてしまった。
寝ている間に事を始めてしまい、あとは野となれ山となれとなるはずだったのだが、予定が狂った。
しかしこんなことは想定内だ。
言い訳ならあらかじめ用意してある。
「ええと……その、急に怖い話を思い出してしまったので……。
 一人では眠れそうにないので、来ちゃいました……」
「ゴドウィンさんと寝ればいいじゃないですか」
「う……」
完全に予想外の返答だ。
大慌てで次の言葉を捜す。
「そ、それはダメです。家族と言えども、油断は出来ませんっ。
 最近では、きんしんそーかんというものもあるんですからっ」
「……自分の親を何だと思ってんですかフィルさん。
 それに……血の繋がってない男の家に転がり込むほうが、よっぽど危険だと思うんですけど」
全く持ってその通りだ。
しかしこの程度で引き下がるフィルではない。
彼女は諦めが悪いのだ。
「ええっと、その……こ、怖くなったから来たっていうのは、冗談です、冗談。
 本当は、その……ええと……ラ、ラグナさんと、天体観測がしたくて…」
「……天体観測?」
眠い目を擦りながら、ラグナは壁にかかった時計を見る。
「……もう日付変わってるんですけど…」
「そ、そうです! 天体観測は、日付が変わってからが勝負なんですっ!
 そういうわけで、早速行きましょう、ラグナさんっ」
ベッドから跳ね起き、強引にラグナを引っ張るフィル。
「ち、ちょっと待ってくださいフィルさん!
 せめて着替えてから……」
迷惑そうな顔をしながらも、付き合うつもりではあるラグナ。
その人の良さが、ラグナのラグナたる所以なのだろう。



「綺麗な星空ですね〜」
「……そうですね」
資材置き場の近くのベンチで星空を見上げる。
一面にちりばめられた星々を見て、フィルは歓喜の声を上げた。
ラグナも、まんざらではない様子で彼女に同意する。
「あ、ラグナさん、分かってないですね。
 そういう時は嘘でもいいから、『君のほうが綺麗だよ』って言ってあげるものなんですよ」
「そ、そういうものなんですか?」
「そういうものなんです。
 ……もう。ラグナさんは、いつまで経ってもラグナさんのままですね」
そう言いながら、ラグナの肩に体を預けるフィル。
想定外のことにラグナは驚き、顔を紅くしたまま身を硬直させた。
「……それって、貶してるんですか? 褒めてるんですか?」
「さぁ? どっちでしょうね。……あっ」
悪戯っぽい笑みを浮かべていたフィルが、小さく声を上げた。
「……? どうしました?」
「ラグナさんっ。あれ、あれ見てくださいっ!」
興奮した様子で空を指差す。
しかし「あれ」と言われても、どれのことだか皆目見当が付かない。
「お、落ち着いてくださいよ。……あれって、どれですか?」
「あれですよ、あの大きな蒼い星。……凄く綺麗ですね…」
うっとりとした様子で呟くフィル。
しかし……。
(蒼い……星?)
フィルが指差した辺りを凝視するも、蒼い星とやらは見当たらなかった。
自力での発見を諦めたラグナは、申し訳なさそうにフィルの方を見る。
「あの……すいません、蒼い星ってどれの事…」
「げふっ」
──フィルは……。
一目で致死量と分かるほどの血を吐き……堕ちていった。
「フィルさぁぁぁぁん!!!! それ死兆星だったんじゃないですか!?
 しっかりしてくださいよちょっとぉ!!!」
こういう場合とにかく冷静になるのが一番の対処法なのだが、目の前でこんなことが起こっては、それは無茶と言うものだ。
肩を掴んでゆさゆさと揺さぶる。
「あ……ぁ…ラグナ…さん……。
 ……どうやら…私は、もう…先は…長くない……ようです…」
「そ、そんな……!」
青ざめた顔でフィルを見つめるラグナ。
しかし、もちろんこれは血ではない。
先程こっそりラグナの家から調達してきたトマトジュースなのだ。
だが、こんな暗がりではトマトジュースと血の判別など付くはずも無い。
これこそ、フィルがとっさに考えた代替プランなのである。
「ですが……この状況を…打破する方法が…一つだけ……」
「な、なんですか!? 僕に出来ることなら、何でも……!」
必死の形相で問い詰めるラグナ。
果たして、彼女を助ける方法とは?
「今すぐ接吻をして、一夜を共にしてください」
「…………」
人間、覚悟を決めれば何でも出来るということか。
あまりにもあんまりなフィルの言葉に、ラグナは開いた口がふさがらない様子だ。


「……ぁぁ……もうダメです。死んでしまいそう…」
額に手を当て、病弱な少女を演出するフィル。
少し前まで本当に病弱だったので、これくらいはお手の物だ。
「……くっ! わ、分かりました。僕でよければ…」
「了承すなぁぁぁぁぁ!!!」
「ごふっ!!?」
ラグナの後頭部に鈍い衝撃が走った。
頭をさすりながら後ろを見る。
「あたた……あ、あれ? メロディさん?」
そう、我らが救世主メロディである。
メロディはラグナに詰め寄ると、凄まじい勢いで捲くし立てた。
「フィルの口車に乗せられちゃダメよ! これはラグナとニャンニャンするための口実なんだから!
 大体死兆星なんて、アレ嘘よ! あたし毎日見てるもん! 目が良かったら誰でも見れるもん!!」
「おおお、落ち着いてくださいメロディさん! というか、何でこんなところに!?」
がくんがくんと体を揺さぶられながら、なんとかメロディに問いかけるラグナ。
するとメロディは突然動きを止め、顔を紅くしながらラグナから目を背けた。
「そ、それは……そ、そんなこと気にしなくていいでしょっ! 問題はフィルよ、フィル!」
そう言ってビシッとフィルを指差す。
「……なんか、本気で苦しそうなんですけど」
「そんなわけないでしょ! 嘘なんだから!」
「いや、でもほら。呼吸止まって……」
「…………」
試しにフィルの目の前で手のひらを振ってみる。
……応答無し。
鼻の前に手をかざしてみる。
…………。
『ほほほ、本当に呼吸止まってるぅぅぅぅ!!?』
ここまで来れば、もはやプロ級の演技だ。
ラグナとメロディは騙されたとも知らず、大慌てでフィルを家の中へ担ぎ込んだ。



「うぅ〜……」
恨めしそうな声を出しながら、メロディはラグナを睨みつける。
そしてラグナは、ベッドの上でフィルに覆いかぶさるような格好で硬直。
まさに臨戦態勢といったところだ。
やる気がほとんど感じられないのがせめてもの救いか。
「そ、そんな親の仇を見るような目で見ないでくださいよ……」
ほとんど泣きそうになりながら言うラグナ。
そりゃそうだ。
しかしメロディはラグナを睨むのをやめない。
「こ、今回は非常事態だから、仕方ないけど……絶っっっ対、中にしちゃダメだからね!!」
「いや、あの、それは分かってますけど……その、出来れば席を外してもらいたいんですが……」
ラグナの言わんとすることは分かる。
合意の上とはいえ、自分の彼女の目の前で他の女と寝るのは避けたい。
是非とも、避けたい。
しかし何を思ったのか、メロディは首を縦には振らなかった。
「終わったら、次はあたしの相手してもらうんだから。……ずっと見ててやるぅ…」
「……なんですか? 新手の羞恥プレイ?」
そう言い残し、ラグナはフィルと向かい合う。
すぐ下では、フィルが熱っぽい瞳でこちらを見つめていた。


「あ、あの、ラグナ…さん……。か、覚悟完了しました。いつでも…どうぞ……」
「すいません、当方に迎撃の用意ありません」
「うぅ…ラ、ラグナさんこそ、羞恥プレイじゃないですかぁ…」
そう言って恥ずかしそうにラグナの首に手を回す。
いよいよABC兵器(接吻・愛撫・性交)を投入するつもりか。
最後確認のため、メロディの方をチラッと見る。
「じ、焦らしてないで、さっさとやっちゃいなさいよもう!」
もはやヤケクソの様だ。
ああ、こりゃもうダメだ。
もう完全に、色々なことを諦めたラグナはそのままフィルと唇を重ねた。
「ん…! んぅ……ん…」
触れるだけのキス。
しかしそれは、フィルの気分を高揚させるには充分な効果を持っていた。
「んむ………っはぁ…! ……ラグナ…さん……!」
瞳を潤ませながらラグナを強引に抱き寄せる。
より深い恍惚感を味わうため、フィルはラグナの口内へと舌を滑り込ませた。
「はむ…ぅ……ちゅ……ふぁっ……」
欲望の赴くままにラグナの口内を責め続けるフィル。
いつの間にか彼女の右手は、ラグナの局部へとあてがわれていた。
一方、ラグナはと言うと。
(……結局、誰が相手でも受けなんだよね…)
自己嫌悪。
もう、ものっ凄い自己嫌悪に陥っていた。
相手は初めてで、しかもこちらは上に乗っているというのにほとんど主導権を握られている。
これは男としては、いささか問題である。
さすがにラグナも悔しくなったのか、フィルのスカートの中に手を滑り込ませ、ショーツ越しに秘所を指でなぞる。
「ふぁっ!? あ、あぁぁ……!」
体中に電気が走ったような感覚。
びくりと腰を浮かせたフィルは、切なげな声を上げながらその場に崩れる。
「あ……だ、大丈夫ですか? フィルさん…」
「はぁ……はぁ…ぁ……は、はい、大丈、夫…です……」
「……なんだか、もう準備万端って感じですね…」
充分に湿り気を帯びた秘所を、優しく撫でるように触れながらラグナは呟く。
「あぅ…っ。そ、そんなこと言わないでください……」
恥ずかしそうに、フィルは顔を背けた。
「えっと……それじゃ、行きますよ…?」
そう言うと、有無を言わさずフィルのショーツを脱がし始めるラグナ。
今日は妙に積極的だ。
「ひぁっ!? ……は…はい…っ」
顔を紅潮させながら、フィルはぎゅっと目を瞑る。
そうしている間にも、ラグナは手際よく準備を進める。
フィルのスカートを捲り上げ、そっと自分自身を秘裂へあてがう。
「ちょっと……と言うか、かなり痛いと思いますけど…」
「へ、平気です……ラグナさんなら…」
そう言ってラグナを抱きしめる。
やはり怖いのだろう。
気を落ち着かせるために、そっと頭を撫ぜてやる。
「ぁ……」
「……なるべく、早く終わらせますから…」
愛でるように、慈しむようにキスをし、しかし荒々しくラグナは己の肉棒を突き入れた。


「────〜〜〜っ!!!?」
目を見開き、声にならない悲鳴を上げるフィル。
ふと顔を上げると、メロディが「この人でなし!」とでも言いたげな顔でこちらを見ていた。
「ご、ごめんなさい! その、ゆっくりするよりも、一気に行ったほうが痛みも和らぐかと思って……!」
「へ、平気…です! 平気です……から…動いて…くだ、さい…っ!」
そうは言うものの、とても平気そうには見えない。
ラグナを抱き寄せ、痛みに耐えるように硬く目を閉じる。
「……分かりました。…行きますよ?」
あまり時間をかけては、痛みが増すだけだろう。
そう判断したラグナは、一気に注挿を始める。
「いっ…ぁ、あああぁぁ!!」
「っ! キツ……」
予想以上の締め付けに仰け反りそうになるラグナ。
しかし背中へ回された手によって、再びフィルの元へ引き寄せられる。
「ダメ、です…! 止めないで、動いて…ください…っ!」
膣内が恐ろしいほどに躍動し、ラグナを締め付ける。
ほとんど動かしていないにもかかわらず達してしまいそうだ。
「ぅく…っ! はぁ…はぁ……!」
ラグナも我慢しきれなくなったのか、次第に腰の動きを加速させていく。
「や、ぁ、ラグナさん! ラグナさぁん!!」
髪を振り乱し、愛しい人の名を叫ぶ。
同時に膣内がきつく収縮した。
「うあっ! …くっ……出し、ますよ…!」
もう限界だ。
フィルの膣内からモノを引き抜き、彼女の茂みへ精を注いだ。
「はぁ…! ぁ、あぁ……」
下半身に多量の白濁液を浴びながら、深い溜め息を一つ。
安堵したような、満足したような表情を浮かべながらフィルは体を弛緩させた。
「はぁ……はぁ……ふぅ…」
ラグナもまた、何かをやり遂げたような表情をし溜め息をつく。
とその時、ラグナの背中に二つの柔らかい何かが押し付けられた。
首だけ後ろに回し、背後の様子を探る。
「…………」
一糸纏わぬ姿のメロディが、ラグナに抱きついていた。
「……あ、あの、メロディさん…もしかしてんぅ!!?」
何も言わずに、ラグナの口を口で塞ぐ。
「んちゅ……次は…はむ……あたしの、番なんだから……んぷ……」
舌を絡ませ、貪るようにキスをする。
疲労の色濃いラグナはそれに抵抗する術を持たず、ただひたすら口内を犯され続けた。
「じゅ……じゅる……っぷぁ…ラグナ…ラグナぁ……」
虚ろな目で、しかし力強くラグナの名を何度も何度も呟く。
その行為がラグナにまた火をつけたのか、彼のモノが再び屹立しだす。
それと同時に、突然ラグナのモノに刺激が走った。


「ふわぁっ!?」
予想外の出来事に素っ頓狂な声を上げるラグナ。
目線を下にやると、フィルが屹立しきった肉棒を両手で包み込んでいるのが見えた。
「……ラグナさんだけイっちゃうなんて、ズルいです…。もう一度、してもらいますからね…」
そう言って、軽く手を上下させ始める。
しかしそれをメロディが黙って見ているわけがない。
「んふ……ん…っは…。…あ! ダ、ダメ! それはあたしがするのっ!」
と、フィルを押しのける様に亀頭を口に含む。
「あぐっ!? ち、ちょっとメロディさん!?」
「ヒ、ヒドいですメロディさん! 今、私がしようとしていたのに……」
「じゅる……ちゅ…ダメって言ったら…ダメなの……んぶ……。
 ラグナは、あたしだけの……あむ…ものなんだから…」
「うぅー……。だったら、実力行使ですっ」
言うが早いか、フィルは強引に竿の部分に舌を這わす。
「や、やめ……っ、二人、とも、ちょっと待っ……ぅあっ!」
必死に訴えようとするラグナだが、与えられる刺激は普段の二倍ムムいや、二乗以上。
快楽に耐えるだけで精一杯だった。
そんなラグナのことを知ってか知らずか、メロディとフィルはより激しくラグナのモノに吸い付く。
互いの舌が触れ合うのも気にせず、一心不乱に刺激を与え続ける。
「あ、や……も…だめ、です……出る…っ!」
半ば意識の飛んだラグナが呟く。
しかし二度目の絶頂に達する直前に、二人はラグナ自身から離れた。
「ん……まだ、出しちゃダメ…。今日は、中に……ね?」
ラグナを座らせたまま、メロディはラグナ自身を自分自身の中へ導く。
フィルは背後へ周り、胸板に手を這わせながら首筋を甘噛みする。
「あ、あぁ!! も、無理…無理、です…! すぐに、出……!」
「ん……いいよ…いっぱい、中に……っ!」
両手足を使ってラグナに組み付き、腰を小刻みに動かす。
ラグナの言うとおり、終わりの時はすぐに訪れた。
「ぅくっ…! ……あ、あぁ…」
今まで我慢してきたモノを全て、メロディの最奥を送り込む。
「あぅっ! …ぁ……凄い…いつもより……いっぱい…」
恍惚とした表情でメロディは呟き、ラグナと深いキスを交わした。



「あ、あの……大丈夫ですか? ラグナさん…」
不安そうに、フィルが布団の中で囁く。
「え…あ、はい。なんとか……あはは…」
疲労困憊な様子でラグナは答えた。
「というか…なんで一緒に寝てるんですか?」
「……もう、ラグナさんったら。一夜を共にした仲じゃないですか。
 一緒に寝るくらい、どうってこと無いでしょう?」
「う……言われてみれば、そうかも…」
そこまで言ったところで、フィルとは反対側で寝ていたメロディが、ぎゅっとラグナの袖を掴む。
「だ、ダメダメ! 今日は状況が状況だったから仕方なかったけど、
 これからもラグナにあんなことしていいなんて言ってないんだからね!」
必死になってラグナを放すまいとするメロディ。
しかしフィルは勝ち誇ったような顔で言う。
「あら。でもラグナさん、まんざらでも無い様子でしたよ?」
「んな!? ち、ちょっとフィルさん!?」
「メロディさんよりも、私のほうが気持ちよかったですよね? ラグナさん♪」
無邪気に微笑みながら、ラグナに問いかける。
「そ、そんなことないよね!? あたしのほうがよかったわよね、ラグナ!?」
負けじとメロディも詰め寄る。
「し、知りません! そんなの、答えられません!」
困り果てたラグナは、布団の中に潜り込んでしまった。
「むぅー……この際だわ。白黒はっきりつけようじゃないの」
「の、望むところですっ」
「どっちがラグナを、より気持ちよくさせられるか! 勝負よっ!」
「え゛…………」
こうして、女達の戦いが再び始まる……。
「ちょ、二人ともダメですって! もう無理! 無理ですから!
 これ以上したらおかしくなって……ぅああっ!!」
ラグナの情け無い声が、部屋中に響き渡った。



ちなみにこの試合、第4ラウンドまで続いた挙句、審判が職務放棄をしてしまったため
引き分けに終わってしまったそうな。

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