ゴドウィン×ミスト
未だ青年と呼ぶには少し早い…少年、が、朝靄の中道ばたに転がっていた。
明るくなる前に帰って行った男は彼に気付かなかっただろう。
少年の顔は蒼白ではあったが、すぐに死んでしまうという程ではなかった。
朝靄のよく似合う少女はそっと少年に近づき、腕を取る。
脈をとるつもりだったのだが、そのしなやかな筋肉が目を引いた。
童顔には不釣り合いなほど鍛えられた、それでいて無駄のない筋肉。
恐らく、剣を握っていたのだろうと容易に想像できる手。
下層で労働をしていた人間の手ではなく、ある程度の階級で剣を振るっていた手。
「まさか…」
思わずミストは呟く。
カルディアは田舎町とは言え、国境を抱えている。
町の人々は呑気に明るく楽しく暮らしているが、いつゼークスに攻め込まれ、
人々の平穏が破壊されてもおかしくない場所にある。
少年がふと目を開けた。
ミストは少年に水とパンを差し出し、畑と家を貸すことにした。
自分のものでありながら、荒れ放題にして手入れをしていない畑。
生活する者のない家。
どうしてそんなものを持っているのかという疑問さえ、記憶を失った少年は
抱かないようだった。
ぼろぼろのクワとじょうろしか渡せない自分を、ミストは少し恥じた。
だからだろうか。思わず、押さなくても良いのに念を押した。
「…ラグナさん…あたしには…触れないで下さいね…」
ミストが、ラグナという記憶を失った少年を拾ったという噂はすぐに町中に広まった。
その夜。ミストの家のドアを叩いたのは、町長であるゴドウィンだった。
「悪いね。今日は、私が」
挨拶も済まないうちにミストが笑う。
「いえ、予想はしてました。…私は、大丈夫です…」
温かいリラックスティーを淹れながら、ミストが尋ねる。
「…お話だけですか?」
カップを手にしたゴドウィンが反対の手でミストの頭を撫でる。
「いや、そんなつもりはないよ…」
ふふ、と笑ったミストがポットを置いて、ゴドウィンの足元に座る。
「知らない人を町に入れてしまったから…お詫びです…」
そう言って服の裾をめくり、ゴドウィンのものに手を伸ばす。
「どんな人間だと思ったのかね?」
ゴドウィンが問いかける。
「少なくとも…剣は扱えます…」
ゴドウィンのペニスを弄びながら、ミストが答える。指で優しく撫でている。
「…記憶を失っているというのは本当だと思います…」
空になったカップをテーブルに置き、ゴドウィンがその手でミストの頭を包む。
次第に起きあがってくるゴドウィンのペニスにミストが唇を当てる。
「帝国の人間という可能性は?」
ちゅっ、と音を立ててミストがペニスから口を離した。
「…低いかと」
そして、もういちど舌で丁寧にペニスの縁をなぞってから、ゴドウィンを見上げた。
「どちらかというと…大地に近い方かと…」
そう言って再びペニスを銜える。
「いずれ、わかる…か」
町長はそう言って息を吐く。
ミストがペニスを慣れた様子で口に出し入れし、舌で先端をつつき、指で優しく撫でる。
ゴドウィンは快感に身を任せて喋る。
「それでもあの家を貸してしまうとは…みながっかりしていたよ」
舌でくるりとペニスを舐めてから、ミストが笑う。
「私は、こちらの家にいますし…なんとかなります」
ゴドウィンが、にっこりと笑い、ミストに口づける。
そのまま、ミストの服を脱がせて寝台へ運ぶ。
自分の服は自分で脱ぎ、ミストに覆い被さる。
「…彼は知っているのかな?」
意味深に笑い、ミストの秘所に節くれ立った指を入れる。
ぐっ、と力を入れて曲げ伸ばしすると、ミストが反応する。
「私の…ことは…知り…ません…きっと…こういうことも…」
知らないといい、とミストは思う。知らないでいてほしい。
大地を耕し、種を蒔き、水をやり、それだけで一日の力を使い果たして欲しい。
ゴドウィンがミストに入って来る。
「あっ…いつもより…」
外見からは想像もつかない熱を持ってゴドウィンがミストの中で動く。
「一応町長だからね、昼間は心配で心配でたまらなかった」
はぁはぁと肩で息をしながら、ミストが笑う。
「…不審者の入り込んだ町のことが…?」
ミストの奥をゴドウィンが突く。
「あ…あぁっ…そこ…そこぉ…」
思わず、ミストがよがり声をあげる。
ミストの反応を確かめてから、ゴドウィンが呟く。
「…君のことが…」
「私たちは…っ…この町にとって…大切…」
ミストが切れ切れに後を継いだ。
「…そう…だよ…」
ゴドウィンはミストの奥に吐精する。
「うふふ」
ミストが笑う。ゴドウィンが再び、ミストの身体を抱く。
少女の白い肌は紅潮している。
「気持ちよくなって下さいね…町長さん…」
うっとりとした表情でミストがゴドウィンにキスをする。
ゴドウィンがミストの脚を開き、再びミストの中に指を入れる。
開いた方の手で白い乳房をゆっくりと撫でる。
「あん…やっぱり…上手です…」
ミストの手が思わずシーツを掴む。
「私もご奉仕したい…のに…」
自然に持ち上がる顎から首筋にかけてゴドウィンが舌を這わせて耳元で囁く。
「今日はご褒美ということで私にもさせてくれないか」
指先でクリトリスをつまむと、ミストがぴくりと反応する。
「…ご褒美…?」
くいくいとゴドウィンがクリトリスをつまんだ指を動かすと、ミストの口から喘ぎ声が
漏れる。
ベビーピンクの可愛らしい唇にゴドウィンは口づける。
「…そしてこれからも頑張ってもらわなければいけないからね…」
ミストが、ゴドウィンの首にその可憐な腕を回した。
「わかって…います…でも今は…」
ぴん、とゴドウィンの指がミストのクリトリスをはじく。
「何をして欲しいのか言ってごらん」
きゅっ、とゴドウィンに回した腕に力を入れてミストが強請る。
「ゴドウィンさんの…私に入れて…」
そう言って脚を開き、ゴドウィンのペニスが自分の入り口に当たるように腰を動かす。
「君は案外欲張りだね」
そのまま、もう一度蜜の溢れるミストの中に、ゴドウィンは自分自身を差し入れる。
温かく、水気の多い若い粘膜がゴドウィンを包む。
腰を動かすとじゅぶじゅぶと卑猥な音が部屋に響き、疲れた身体に力が戻る。
「ゴドウィンさんだって…」
ミストがゴドウィンの動きに合わせて腰を振り、絶頂を探る。
年相応の大きさの白い胸が上下に揺れ、その先端のピンクの突起が動く様が扇情的だ。
思わず、ゴドウィンはその突起に口づけ、音を立てて吸っている。
「や…ぁん…」
ミストが可憐な声で喘ぐ。
自分の娘とそう変わらない年頃の娘の中に、再びゴドウィンは吐精する。
ゴドウィンの胸に頭を預けて、ミストが息を整える。そして、笑う。
「…また来て下さいね…お仕事の話は抜きで…」
夜が明ける前に男は帰る。
ラグナは眠っていてきっと気付かない。
いつか知ることになるのだろうけど。あの少年のように。
朝靄の中、家の外に出たミストの視界の端にその少年が一瞬、入って、消えた。
何をどこまで知っているのか確かめる術はないけれど。
「私たちを…可哀相だと思わないでね…」
ミストは、誰にも聞かれないように独り呟く。
それを好意だと勘違いしませんようにと、祈りながら。