ラグナの卑猥な1週間
それは二年目の秋
「っくッ!!………ハッ……ハ……ッ……」
町の住民をネタに、毎夜自らを慰めるラグナ…。しかし…
「…はぁ……なーんか…なぁ…」
やはり妄想だけでは物足りない…
ほてった体をごまかしつつ、自らのモノを拭き取っていく
「はぁ、やっぱり欲しいなぁ……彼女」
それは、彼の中に潜む男が零した言葉。心身共に健康な男なら一度くらいは抱く想いだった
彼を知る人が聞いたら「さっさと告白すればいいじゃん」とでも言うだろう。しかし、完璧超人とうたわれる彼にも1つだけ弱点があった
「結婚アイテムも一通り揃えたし、ベッドも買った。後はプロポーズするだけ!なんだけど…」
それは性格、しかも[弱気][優柔不断]と、とても治し辛い問題だった
「…はぁ…誰にするかなぁ」
何度考えてもここで思考が止まってしまい、また今度また今度と先延ばしに…
結局、一人の愛しい人を選ぶことのないまま、1年もの時が過ぎ去った…
「誰か一人を選べば他の皆が悲しむだろうし…はぁ…」
モテネーゼ三人組が聞いたら発狂しそうな程贅沢な悩みだったが、全員とのラブ度が10という事実が安易な反論を許さない。(というより、焦らされ続けた想いは、もはや10を軽く超えているのだが)
「こんな事になるなら、調子に乗って野菜配るんじゃなかったかなぁ…」
いつもなら、ここらで諦めがついた…。しかし今日は違う、ラグナの欲求はもはや自粛だけではどうにもならない域にまで達していたのだ
「……………はぁー…………」
深くため息をつき、「もう寝よう」と、立ち上がる。ふと見た先にはついさっきまで使っていた本、そしてなぜか先日投函されたピンク通販カタログが…
「待てよ……これ…………」
何かを思いつき、考え事を始める
「うん………これなら………全員に……」
ブツブツと呟いているラグナ、時折浮かべる笑みが妖しい
「……まで…日…準備…れば…………」
結局、ラグナは朝まで計画を練っていたのだった
冬の25日12:00
上機嫌でラグナの家に向かうメロディ
「ふんふん…ふーん♪話って何っかなー…やっぱり…ウフフ」
歩きつつも時折ニヤついたり、身をくねらせたりしているその姿は、端から見たらかなり妖しい光景である
「…あれ?」
幸い、誰にも会わずにラグナの家についたメロディ、しかし中から数人の声が聞こえる
「何か…いっぱいいる…?」
疑問に思いつつも戸を叩く。数秒の間のあとに戸が開くと、見慣れた顔が飛び込んできた。
「遅いゾ」と文句をたれるロゼッタ、室内には見慣れた顔ぶれが並んでいる
「あ……やっと……来ました…」と、トルテが寄ってくる
「え?何これ??」
混乱しつつもロゼッタに手を引かれて部屋に入る
「待ちくたびれちゃいました」
「ふむ、案外時間にルーズなのだな」
ぽかーんと見回していると、皆から声をかけられる
しばらくして後ろからトルテが鍵をかける音がした
「さて…」と、テーブルの前に立つラグナ。皆の視線が1点に集中する
「そろそろ始めましょうか」普段通りの表情で語り出す
「皆さんは今日わざわざ集まってもらった理由、わかりますか?」
しかし、誰も返さない…まぁ恐らくは判ってはいるのだろうが…
「えーとですね…皆さんは僕とのラブ度が10…つまり僕の事を好きだと思ってくれている人たちです」
わかっていたとはいえ、改めて言われると気恥ずかしい…
しかし困った。今ここには町の女子全員が揃っている…つまり全員がライバルなのだ
思わず「倍率…高いなぁ」と呟きつつも辺りを見回すと「ふふん」と鼻で笑う者、「むぅ…」と唸る者。バチバチと火花を散らす者と、反応も様々で面白い
「…あれ?」
ふと視界に窓が入る。その際、中に人影を見たような気がした…が
「それでー…」
ラグナが話しを進めたのを見て、(気のせいかな?)と話に聞き入る事にした。
12:30
「僕の事を好きだと思ってくれている人たちです」
「…ッ!!」胸に秘めた想いを一緒くたにされ、いささか抵抗を感じたが、軽く鼻で笑い飛ばすビアンカ。しかし、その態度とは裏腹に脈は速度を増し、顔も熱くなっていた
それに気付き、ひそかに鎮めようとしていると、「ライバル…多いなぁ」という呟きが聞こえる。目を向けるとそこには一点を見つめるメロディと、隣でミストに火花を散らしているロゼッタがいた。まぁ当のミストはへらへらと笑い返しているが…
「ねぇタバサ、どっちが勝っても恨みっこ無しよ…?」
隣のタバサに小声で話し掛けるが、一向に返事が無い。不思議に思って振り向くと、頬が火照り軽く震えているタバサ
疑問に思い「どうかした?」と呼びかけると、ハッとして「いえ、大丈夫ですよ」と普段通りの笑顔を返される。しかし額の汗までは気が向かなかったようだ
(妖しい…)そう思い、追求しようと声をかける
「何かー」「それで、今日集まってもらった理由ですが…」
急にラグナが話を続けたので、タバサのことは後回しにして向き直る
「実は…………そろそろお嫁さんを貰おうかなー…なんて思うんですよ…ね」
「…………………ぇええぇえええー―――!!!」
一瞬の間の後、場が沸く。顔を赤らめたり、周りを見回したりと、それぞれが違う反応を示した
ある程度間を置き、話を続けるラグナ
「そこで皆さんに集まって貰って、相手を決めようと思ったんですがー…」
と言うやいなや、皆一斉に我先にとラグナに詰め寄る。しかし、それを制止するかのようにラグナが続けた
「でも!…一つ問題があるんです」
それを聞き、皆立ち止まる
「問題?」と聞き返す
「はい、それは………タバサさん、ちょっとこちらへ…」
思わぬ呼出しに、皆の視線がタバサに集まる
しかし当の本人は気にも止めずにラグナの側へと寄っていった
「実は僕…」
視線を戻し、こくり…と唾を飲む
「…………凄ーーく…エッチなんです」
「…………はぁ?」思いもよらぬ言葉が投げ掛けられ、皆が固まる。そんな中、真っ先にロゼッタが口を開いた
「…で…でも、男のコならエッチなのは普通だと思う…ゾ?」
戸惑いつつもフォローするロゼッタ、それに全員賛同している。しかしラグナは言い返す
「でも…凄いんですよ?そりゃあもう…」
それを聞き、引くに引けなくなったロゼッタが続ける
「…ど…どれくらい?」
ラグナは黙り、上を向いて考える。しばらくして前を向き口を開く
「んー…………改まって言わないといけないくらいです」
うっ…と、言葉を失うロゼッタ。顔を真っ赤に染めて「それでも構わないわよ!」と返す、それにメイが付け足した
「ラグナ殿、レディにこれだけ言わせておいて今更尻込みとは男らしくない…、わざわざ皆を集めたのだからまだ何かあるのだろう?」
鋭い問い掛けに、また悩む表情を見せるラグナ。が、覚悟を決めたらしく重い口を開く
「わかりました。でも皆さん、これから話す事は他の皆さんには内緒ですよ」
皆は静かに頷いた
「実は…僕のお嫁さんを決めるゲームを開いて、皆さんに参加してもらおうと考えてるんです…」ラグナはいたって真剣な面持ちだ
「ゲーム…ですか…?」フィルが小首を傾げて聞き返す
「ええ、それもとびきり…エロエロなゲームです」
「…エロ……エロ………はぅ…」
トルテが顔を真っ赤に染めて呟いている。その脇でミストが何やらモジモジしていた
「というのも、皆さんは僕なんかにはもったいないぐらい良い人達で、僕に選ばせてもらえるなんて光栄なぐらいなんですが…こうも非の打ち所が無いと選びようが無いんですよね…」
皆、あまりのラグナらしさに何となく納得してしまっていた
「そこで、こんなエロエロな僕の夜の相手ができる人をお嫁さんに貰おうと考えたからなんです」
それを聞き、皆一様に顔を赤くした。そんな中ラピスが恥じらいつつ小声で問い掛ける
「あの…それで………具体的には…何をするんですか?」
皆が一斉に注目する
「それはですね…まず、皆さんにあるものを身につけて生活してもらいます」
それを聞き「あるもの?」と、聞き返す
「はい、それは………タバサさん、お願いします」
存在をすっかり忘れられていたタバサ、思い出したかのように皆の視線が集まる。
タバサはほのかに顔を赤らめたまま、何も言わずに少しずつスカートをたくし上げる
(な…何!?)戸惑いつつもよく見ると、白いショーツにじんわりと滲む染み…それが溢れ出し、内股に一筋の跡を残していた
「皆さん、何を身につけるかわかりました?」
しかし誰も答えられない…。それを見てタバサの後ろに回るラグナ
「じゃあ見ててくださいね、ついでにルールも説明しますから…」と、ラグナがショーツの中に手を入れた
「ひぁ!……ン……はぁ……は……ッ!」タバサが軽く呻き、恍惚の表情を見せる。
皆、言葉もなくその姿に見入ってしまっていた
ラグナが手を引き抜き皆に見せると、そこには粘っこい液体が絡まり、低い音で唸り震える小さな卵のような物があった
「これは洞窟の機械を動かす部分を持ち帰って作った物です。こうすれば調整も…」
と、1度強めた後、スイッチを切った
「タバサさん、1日過ごしても問題無かったですか?」
と、言いながらタバサの背中を軽く叩く。タバサは少し物足りなかったらしく、切なそうな顔をして答える
「ハッ…はい、大丈夫…でした…ッ…」
それを聞き、笑顔で答えるラグナ
「そうですか。それは良かった。もう戻っていいですよ」
「ハッ…はい……」まだ乱れた呼吸を調えながら、ビアンカの隣に戻った
「では本題です。これを皆さんのナカに入れたまま、普段通りに生活してもらいます。当然スイッチは入れたままですよ。あと、町の中にいれば遠隔操作で強さも変えられます」
皆真っ赤な顔で聞いている
「期間は指定した1週間、勿論他にもいろいろヤりますよ。後、このメンバー以外の人にバレてしまった場合、そのきっかけを作った人は失格です。勿論、他の人をおとしめるような事もNGですよ」
皆、固まったまま動けないようだ
「基本は以上です。何かわからない所はありますか?」
しかし、わからない所など無かった…いや、浮かべられなかったと言った方が正しいだろうか…
しばらく間を置いてラグナが口を開いた…
「…なーんていきなり言われても心の準備はできないですよね」
ラグナと目が合ったらしく、トルテが大きく頷いている
「ですから、皆さんにはちゃんと考える期間をあげます。冬の29日までに、参加する人は僕に言って下さい。コレをつける為の呼び出しの時間も伝えますから…」
しかし皆、戸惑いと羞恥心からか一向に落ち着かない様子だ
「これで僕からの話は以上です。…………あ、そうそう、タバサさんは参加してくれるんでしたよね?」
それを聞き、皆が一斉にタバサを見る。
タバサは呼吸を調え、小さく頷いて一言
「…………ラグナ様のためなら…」
と呟く。これが起爆剤となったらしく、皆の目の色が明らかに変わった。それを見たラグナが即座に口を開く
「皆さん、もうこんな時間ですし、今日は帰ってゆっくり考えて下さい。まだまだ時間はありますから」
その言葉に皆、時計を見る。
「うぁっ!開店準備しなきゃ!じゃあ帰るね。ラグナまたねー」
と、慌てて飛び出すメロディ、慌て過ぎて荷物を忘れていった
「あっ、メロディさん忘れ物ー!」とラピスが叫ぶ、しかし少々遅かったらしく、ラグナに会釈をしてそのまま追い掛けて行ってしまった
「もぅ、しょうがない人達ですね…ラグナさん、コレは帰りがてら私が届けますね。ではまたー」と言い、そそくさと出ていってしまうフィル、その顔はまだ少し赤い。
ふと見渡すと、いつのまにやらメイとシャロンもいなくなっていた…
「さて、じゃあ私も帰ろうかしらね…タバサ、色々話してもらうわよ」
「はい、ビアンカお嬢様…」
ビアンカの言葉を聞き慌ててフォローをしようとするラグナ。しかしそれに気付いたビアンカに「大丈夫よ、食ってかかるような真似はしないから」と諌められた
「さて、じゃあアタシも帰るわ。じゃあね、ラグナ。………ほら、帰るわよ!」とミストを引っ張る
「ラグナさん、私…頑張ります」
と、妙な意気込みを見せつつロゼッタに引かれて出ていくミスト。いったい何を頑張るんだか…
「さて…っと、じゃあ何か質問は?」
突然の事にビクついていたが、おずおずと口を開いたトルテ
最後まで残っていたのには、やはり理由があったらしい
「……ぁの………たし……さ……………」
声が小さすぎてうまく聞き取れないが、何を言いたいのかは何となくわかっていた。しかし、一応念のために聞き返す
「私…………参加…します……」顔を赤一色に染めるトルテ。一瞬このまま襲ってしまいたいという衝動に駆られたが、気を落ち着かせてゆっくりと言葉を繋ぐ…
「わかりました。じゃあ30日の夕方6時に来て下さい。トルテさんが最後になりますから…」
「……ぁ………はい………あの……」
「何ですか?」と首を傾げる
「…その………ゃ…優しく……して下さぃーネ-…」
言いながら、すごい早さで飛び出して行ってしまった。コレにはさすがのラグナもちょっと打ち負かされる
「ぁーあ…ずっと我慢してたのになぁ…」
と、ぼやきつつ鍵をかけるラグナ。そのまま静かに自分のモノに手を当てるのだった…