ラグナ×トルテ

くちゅ・・・ちゅっ・・・

「ふっ、うぅっ…ひどいですよ…ラグナ…さん…」
「どうしてですか?『ゆっくりしていって』
 と言ったのは、トルテさんじゃないですか…」
「そう…ですけど…私、こんなつもりじゃ…はぅぅ…」

ここは宿屋の二階、トルテの部屋。
ラグナが、トルテを後ろから抱き締めるような格好で立っている。
が、それだけでなく、彼の両手は
長いスカートに潜り込み、もぞもぞと動いているようだ。

「お兄ちゃんや…お母さんに見つかったら…」
「ザッハはともかく、アンさんには許可を取ってるから大丈夫ですよ…」
「でも…、でも…!」
「トルテさん…僕のこと、キライですか…?」

自分でもちょっと意地悪だな、と思いつつ
お決まりの台詞をこぼす。
そんな在り来たりの質問にも、トルテは真面目に
首をふるふると振って応えてくれる。

「上がりにくい愛情度を上げるために、
 本屋で本を読み続ける生活はもう我慢できません…
 トルテさん、今日は覚悟してもらいますからね!」
「きゃっ!?」

トルテはうつ伏せの状態で、ベッドに押し倒されてしまう。
上からラグナが覆いかぶさる。



ベッドにもつれ込んだ後、ラグナは
執拗にトルテの胸を揉みしだき続けた。

「やっ、やぁぁああ…」
「本当に嫌なら逃げればいいじゃないですか…
 どうして抵抗しないんです…」

トルテの耳に、ラグナの息がかかる。
ラグナは興奮しているというより、
どこか諦めの混じった表情だ。

「うっ、うぅぅっ…」
「自分のことがよく分かってないようですね…
 今、僕が教えてあげますよ」

そう言って、ラグナはもう一度
スカートの中に手を伸ばす。
トルテの秘部は、既に湿り気を帯びており
ショーツがぴったりと貼り付いてしまっていた。

「ほら、もう大変なことになってるじゃないですか…
 これでも、まだ嫌がる振りをするんですか?」

トルテはまた首を振った。
こんな彼女の様子を見ていると、ますます
虐めたくなってしまう。

ショーツに手をかけると、トルテの体がビクッと震える。
が、「止めて」と叫ぶ勇気もないトルテは
ただ黙って脱がされるのを待つのみであった。

「あ、あぁぁ…」
「トルテさんはミルクが大好きなんですよね…
 今あげますよ…取れたてのミルクをね!!」

そう言って、ラグナも服を脱ぎだす。
普段の彼からは想像もつかない淫語を放つラグナに
トルテは虚しい気持ちで一杯になった。

ショーツを脱がされてむき出しになったトルテの秘部に
ラグナの性器の先端があたる。
トルテも覚悟を決め、ぎゅっと目をつぶる。


が、それからラグナは一向に動こうとしなかった。
不思議に思ったトルテが、ラグナに声をかける。

「ラグナ…さん…?」

ラグナは、花瓶を割ってしまった子供のような
今にも泣きそうな顔をして立っていた。

「駄目ですよね…」
「え?」
「相手の気持ちも考えずに、自分の欲望を満たそうとする…
 こんなのただの"けだもの"じゃないですか…」
「……」

きょとん、とした表情でトルテはラグナに向き直る。
ラグナは目を伏せて、相手の目を見ようとしない。

「ごめんなさい、勝手に襲っておいて、勝手に反省するなんて…
 僕って情緒不安定なサイコ野郎ですよね…ハハハ…」
「……」
「許してはもらえないとでしょうけど、
 できる限りの償いはするので言ってください…」
「…て…」
「…はい?」
「せめて…向かい合って、して…ください」

そう言ってトルテはラグナに口付けた。
トルテも恥ずかしそうだったが、ラグナは彼女以上に
真っ赤になってしまった。


トルテが仰向けになり、再びラグナが覆いかぶさった。

「どこかのエロゲみたいに、最初っから『気持ちいいよぉぉお!』
 なんて言うことにはならないと思いますから、我慢してくださいね…」
「ラグナさん、それ以上しゃべらない方がいいですよ…」



ラグナが腰を進める。

「じゃ、じゃあいきます…よ?」

トルテは、もう返事をする余裕がなさそうだ。
ラグナはゆっくりと、体をトルテに埋めていった…

ぐっ、ぐぐぐぐ…

トルテの顔に苦悶の表情が広がる。
その目にはうっすらと涙が浮かぶ。

「我慢できなかったら、僕の体を思い切りつかんでください!」

トルテは言われるがままに、ラグナの体にしがみついた。
と、同時に背中を強く引っ掻いてしまう。

「だぁー!!」

情けなくも、苦痛に声を上げるのはラグナが先であった。
トルテは呼吸を止めて、痛みを堪えている。

ラグナはゆっくりと時間をかけてトルテの中を進み、
奥まで入れると、もう一度トルテを抱き締めた。

「ふーっ、ふーっ…」
「うっ、ふぅぅ…ぅぅ…」

しばらくは互いに何も喋れず、
部屋の中は荒い呼吸しか聞こえない。


落ち着いてから、ラグナがぽつりと呟く。

「トルテさん…ごめんなさい…」
「もう…いいんですよ…もう…」

トルテが、ラグナの頭の上に手を置く。
なんだか子供になったみたいだな、とラグナは思った。

我慢できず、ラグナは前後に動き始めたが、
それは田舎村の静かな夜に似つかわしい
とてもゆっくりした動きであった。

ラグナが果てると、二人は体を洗い
裸のまま一緒に眠った。


朝はコケホッホーの鳴き声で目覚める。
二人は起きて顔を合わせると、昨日のことを
思い出して顔を赤らめてしまう。

「そ、そうだ!トルテさんに渡すものがあったんだ!」

ラグナはそう言うと、脱ぎ散らかした服を慌てて拾い集めて
服を着ながら部屋を飛び出して行った。
1階でトルテの母の笑い声が聞こえた気がする…

しばらくすると、ラグナは息を切らして戻ってきた。
大きな缶を抱えて…

「はい!取れたてのLサイズのミルクですよ!」

トルテは呆然としてしまう。

「え…なに…?」
「だって昨日、『取れたてのミルクをあげる』って約束したじゃないですか」
「あれは…その…"せーえき"のことかと…」
「わー!!何言ってんですか!!
 駄目ですよトルテさん!そんなはしたない!」

一人妄想が暴走したトルテは、恥ずかしい思いをしながらも
いつも通りのラグナを見て胸を撫で下ろすのであった。

「その…ココはお月見山でもないし、
 時間もとっくに過ぎてますが…」

ラグナは言い辛そうに続ける。

「僕のプロポーズだと思って、受け取ってもらえませんか?」

そう言って、ラグナは自分の身長とほぼ同じ大きさの
牛乳缶を差し出す。トルテからはラグナがよく見えない。

そんな必死なラグナを見て、トルテはふっと微笑む。


「ラグナさん…」


「ラグナさん…残念ですけど、いつもお風呂入ってないですよね?」
「だから、なんでお前がそれ知ってんだよ!!」



                   〜おわり〜

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