ラグナ×フィル(4-755続き?)

ラグナは家に入ると、大きなため息を一つした。
秋に入り、さすがに寒風が堪えるようになってきた。
日の落ちるのも早くなってきたので、ある意味、特別辛い時期だ。
なんとか明るいうちに作業を終え、今日もラグナはへとへとになりながら家に帰ってきたのだった。
暖かい家の中に入ると、本当に心が休まる。

お茶を淹れ、体を温めることにする。
テーブルに掛け、窓の外を見ると、もうずいぶん薄暗い。
見ているとどんどん暗くなっていくようだ。
風に窓が音を立てている。

お茶を一口すする。
喉がじんわりと温まる。
しかし、どうにも無駄な時間が生まれてしまった。
急いで仕事は終らせたが、夕飯にはまだ早いし…。
いっそこれから夕飯の時間を早めようか、などと思っているところに、窓の外から声がした。

外を見ると、フィルがこちらを覗いていた。
何と言ったかは分からなかったが、笑顔で首を傾げて見せた。
「な!?」
何でフィルが?
しかもこんな時間に。
目を丸くしているラグナを見ながら、フィルは尚もにこにことしている。
嫌でもあの夜の事が思い出される。
ある夏の日、夜釣りに出掛けたラグナは、海でフィルと出会った。
あの夜のフィルは別人のように妖しく、淫らで、ラグナは彼女に求められるまま過ちを犯したのだった。
だがそれからの二人は、そんな事、始めから起こってなどなかったかのように元の関係に戻ってしまった。
いや、本当に夢の中の出来事だったのかもしれない。
しかし夢であろうとなかろうと、記憶に根付いたその時のフィルの眼差しや、息遣いや、月明りの許の彼女の肢体や体中に残る彼女の感覚が、彼女が視界に入るだけでフラッシュバックしてしまい、どうしようもなく股間を刺激されるのだった。
そんな状態だから、ラグナはできるだけフィルと顔を合わせないようにしてきていたのだ。
なので、この時もラグナは既に立ち上がるのもままならない状態にあった。
仕事で疲れたラグナの体は、意思とは無関係に、癒しを強く求めていた。

コン、コン、と、ドアをノックする音が聞こえる。
「ごめんなさい、両手がふさがってて」
「は、はい、今開けます!」
ズボンの中に手を突っ込むと、何とか見栄えがしないように誤魔化す。
背筋を伸ばすと小さな歩幅でドアに近付き、ドアを開ける。
風がどっと入ってきて、ドアを押す。


続いてフィルがよろよろと入ってくる。
「大丈夫ですか?」
「はい、この時期は風が強くて…」
フィルは持っているものをラグナに預けると、風で乱れた髪を整え始めた。
その仕草は何だか女っぽくて、つい見とれてしまった。
しかしそれはミスだった。
なんだか異常にドキドキしてきたし、猛る下半身が鼓動に合わせて脈打ち始めた。
もう痛いほどになってきて、これではバレる!と危機を感じ、ラグナはフィルに背を向けた。
受け取った荷物に目をやると、何を持ってきたのかと思ったら細い瓶。
中身は見えなかったが、コルクで封じてある。
この娘は裸のワイン瓶を抱えてきたのか。
というか、自分を酔わせて何をするつもりなのか。
「なんでこんなものを…」
ラグナは上手く瓶を正面に抱えてフィルの方を向いた。
「あの、お酒を見つけたんですけど、こういうものって一人で飲むものじゃないと思って…」
「色々おかしいような…。」
ラグナは真面目だったので、もちろんこの年で酒なんて飲んだことはない。
瓶をよく見ると、栓は一度開けたようだが…
「ちょっとだけでいいんです、乾杯したかっただけなんです。ね、ね」
と、にっこり。
この娘は本当に何がしたいのか。
必死に考えようとするが、とても頭の回る状態ではない。
酒も勘弁だったが、それより何より椅子に座りたい、と、それしか考えられなかった。
ここは仕方ないから合わせよう、座れればどうでもいいや。
ということで取り敢えずの承諾を行い、何とか座れることになった。

二人はテーブルに向かい合う。
フィルは相変わらず笑顔で、ワインを見たり、ラグナを見たり。
ワイングラスなど無いので、普通のグラスで頂く。
お互いのグラスに、控え目に少しずつワインを注ぐ。
「なんだか、おままごとみたい」
フィルは嬉しそうにして、ワインに興味津々の様子。
やはり、この娘はこういう娘だ。
夢で汚してすいませんでした、と思った。
「それじゃあ…」
と、ラグナがグラスを持ち上げる。
フィルも両手でグラスを持つ。
こうしてみると、何だか、特別な日の恋人同士のようだ。
それを意識しているのは自分だけだろうか。
「乾杯」
「乾杯」
グラスを鳴らし、ワインを一口。
アルコールが口の中を温める。
いい匂いだと思ったら、舌が変な感じになってきた。


フィルは表情を見る限りでは、心境は読み取れない。
「何だか…変わった味ですね」
「はい。思ってたより甘くなかったです」
「何か、顔も熱くなってきた…」
頭もぼやけてきた。
「あれ…」
なんだか、頭が後ろに下がっていくような……
「ラ、ラグナさん!?」



「……」
気が付くと、ラグナは横になっていた。
すぐに分かった、ベッドに寝かされていた。
体が重いし、頭も痛む。
ワインを飲んで目を回したところまでは覚えている。
フィルが昏倒した自分をベッドまで運び、寝かせてくれたのだろう。
彼女の体力を考えれば、相当に大変な作業だった筈だ。
やっぱりフィルはいい娘だった!
ラグナは涙ぐまんばかりに感激した。
そうだ、フィルは…
ラグナが仰向けの体勢のまま横を向くと、そこにフィルが座っていた。
床に座り込んで、下を向き、眠っている?
それとも、まさか、泣いている?
「んっ…うくっ」
ん?
「はあ、はあっ…」
何か、ハアハアいってるような…
ラグナの位置からは彼女の肩から下は見えなかいが、手を動かしながら、下の方で何やらごそごそやっている。
垂れた髪の隙間から、フィルの紅潮した顔が見える。
荒い息を吐きながら、微笑んでいるような、苦しそうにしているような、どちらともとれない表情で、一体何をしているのか…
「ラグナさん…っ」
急にフィルが顔を上げた。
「!」
目が合った。
無防備に緩んだ口、潤んだ瞳。
「あ…!」
目を丸くして、赤い顔がさらに赤くなる。
そんな顔をされては、ラグナもたまらない。
特に下の方がたまらない。
幸い布団がかかっているので見られることはないが。

突然フィルはすくっと立ち上がり、
「あの、ラグナさん、大丈夫ですか?」
次の瞬間には、スイッチが切り替わったように、いつものフィルに戻っていた。
「は、はい、すいません、格好悪い所を」
「いいえ、私もすいませんでした。無理矢理お願いしてしまったから…」
「いえ。それより僕、重くありませんでした?」
「ちょっとだけ苦労しました。」
「はは。そういえば今、何かしてたんですか?」
これを聞くと、フィルはぎくりとあからさまに反応した。
「あ、あー…えーと…」
「?」
フィルは恥ずかしそうにスカートを押さえている。
「あの…、ラグナさんの寝顔が、あんまり可愛かったものですから…」


ですから、何だというのか。
人の寝顔をオカズに一体何をしていたというのだろうか。
フィルがスカートを掴み、たくしあげる。
その中には、白く細い足が…、膝元まで蜜に濡れている。
水を吸った下着が太股まで下げられている。
スカートはさらに持ち上がっていく。
これにはラグナも目が離せない。
無意識に凝視してしまっている。
「もっと上は、ヒミツです」
「えっ!?」
気付くとラグナは半身を起こして、身を乗り出していた。
「うそです」
ここでフィルはスカートの端を持ち、ぐいっと持ち上げた。
そこはもはや纏うものもなく、ぐっしょりと濡れ、輝いている。

これは夢だろうか。
それとも、さっきのいつも通りだと思っていたフィルの方が夢だったのだろうか。
とにかく、あられもないフィルの姿態を見たラグナの腰のあたりでは、布団がむくむくと持ち上がっていた。
それはすぐにフィルにも見つかってしまう。
「あら、もしかしたら具合が悪いのかも、と思ったんですけど、大丈夫そうですね」
そう言うとフィルは布団を剥がし、ベッドの脇に捨てた。
「え、何を…」
フィルは膝立ちでベッドに上がり、ラグナに馬乗りになる。
ズボンに手を掛ける。
「ちょっと!フィ、フィルさん!」
そして一気に引き下げ…、と思ったら、ズボンの中につっかえる物が。
拒むラグナを無視し、丁寧にズボンを下げると、一杯に膨らんだラグナのモノが顔を出した。
それを見て、フィルは一瞬妖しく目を細めた。
「そうだ、ラグナさん」
「え…」
「着たままと、裸と、どっちがいいですか?」
「はい?」
この娘は、人の上に馬乗りになりながら何を聞いているのか。
「どっちが好きですか?」
「え…あの、汚れたらいけないですし…」
真面目なラグナは、つい返事してしまう。
「うふふ、わかりました。全部見たいんですね。恥ずかしいですけど、ラグナさんになら見られてもいいです」
フィルはそう言ってベッドの上で立ち上がると、上着を脱ぎ、スカートを下ろした。
最後に下着が下ろされると、フィルは立ったままラグナを見下ろした。
その眼差しは、微笑みは、あの夜の彼女のものに似て、悪魔のように妖しく艶やかだった。
それは本当にフィルなのか。
正面からでは確認できない程しかない胸の膨らみ。
白い肌に幼いプロポーション。
そんな彼女にはそぐわない筈の妖しげな眼差し。
蜜に濡れた太股。


そんなもの、彼女には似合わない筈なのに…
彼女の瞳に魅きつけられるように、ラグナはフィルに手を伸ばした。
「ラグナさんはじっとしててください、お疲れでしょうから」
フィルはラグナの手を下ろさせると、膝を起こした体勢で彼の上に座った 。
本当なら彼女は、こんなはしたない格好はしない。
ラグナからは、彼女の太股の間に秘部が見えている。
そのまま彼女はラグナの胸に指を這わせながら、ゆっくりと倒れ込む。
太股が擦れ合い、フィルのお腹にラグナのモノが押しつけられる。
その感触だけで、腰がびりびりと快感にうずいた。
「ラグナさん…」
顔が近付き、吐息がかかる。そのままフィルは、ラグナの鎖骨あたりに額を擦り付ける。
そうしているとフィルが顔を上げ、
「ごめんなさい、ラグナさん、もう私、我慢できないです」
そう言うと腰を上げ膝立ちになった。
「挿れていいですか?」
「はい…」
自分を見下ろす彼女の眼に心を奪われ、ラグナはもはや拒むことなどできなかった。
フィルは上を向くラグナのモノに触れ、ゆっくりとそれに向かって腰を下ろす。
それはフィルの秘所に触れ、少しずつ入り口を押し拡げていく。
「ふあ、っあ、ああ…」
長いため息のような声を上げながら、フィルは腰を沈めていく。
ラグナも、全身の力が奪われそうな程の快感に襲われる。
「んっ、あ、あっ!」
ラグナからの快感に、フィルは小さくのけぞる。
持ち上がった顎から首筋、そして胸までのラインが、見とれる程に美しい。
やがてフィルがラグナの全てを飲み込む。
ラグナのモノを根本まで咥え込み、フィルは快感に顔を歪ませた。
「ん、んっ…、すごい、気持ち…、ああん!ああ!」
フィルは腰を思い切りグラインドさせ、欲望のまま激しく出し挿れをした。
「あ、あ、フィルさん…」
ラグナもこれでは耐えられない。
フィルはラグナの手を取ると、自分の胸に押しつけた。
「は、っ、あぁぁん!」
声が裏返り、締めつけが強く、不規則になる。
限界が近付いているが、フィルはラグナのモノを引き抜こうともせず、動きを早める。
「だめ、ラ、ラグナさんっ!私!いっちゃう、いっちゃう!」
「僕も、もう…っ、うくっ!」
「ラグナさ、あぁ!あっ!あ、あぁーーーーーーっ!」
二人とも果て、ラグナの精液が止めどなくフィルに注ぎ込まれる。
「あ、あっ、ラグナさん…」

フィルはラグナの胸に倒れ込みながらも、繰り返し襲ってくる快感の波に身を震わせた。




頭の痛みでラグナが目を覚ますと、フィルはもういなかった。
自分だけ布団を被って眠っていた。
「…まさか…夢?」
体験の記憶だけは鮮やかに残っているのに、まさか…。
テーブルに眼を遣ると、ワインの瓶がまだ残っている…
一体、どこまでが夢だったのか。
ラグナは可憐なフィルも好きだったが、すっかり妖艶な彼女の虜になっていた。
もしもあれが全て本物なら、どんなに素晴らしいか。
立ち上がり、グラスにワインを注ぐ。
もしかしたら、酔っ払ったら彼女が現れるんじゃないか。
そう思って一口飲み込んだ。
しかしラグナは、何があったのか昨夕の疲れが全くとれていなかった。
そして再びたった一口で卒倒するのだった。





おわり

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