アルヴァーナのこりない面々 一話 目覚め(カイル×アリシア)
僕がこのアルヴァーナに住み始めてから二つの季節が終わり、住民の皆ともずいぶん仲良くなった。
具体的にはプロポーズを受けたり娘の親から婚約指輪を譲り受けたりするくらい仲良くなった。
でも、今はまだ踏ん切りがつかなくて、宙ぶらりんのままだ。
そんな状況でも日々の仕事はこなさなければならない。僕は愛狼ムラサメライガー(コウルフィ)にまたがって四季折々のダンジョンで
水遣り、採掘を行ってから、町の掲示板に目を通す、といういつも通りの行動をした。
「えーっと、おや、新しい依頼がいっぱいあるな。なになに……」
新しい占いを思いついたの
健康診断のお知らせ
お泊り希望です(今日中)
教えてもらいことがございますの
おふろのあたらしいサービスなの
新商品のお試しをやってもらいたいんやけど
立派なお兄ちゃん育成計画・番外編
自分を変えたいんです……
オーク退治作戦
続・オーク退治作戦
ゴブリンパイレーツ退治作戦
アンタの剣、品定めさせちゃくれないかい?
退治作戦はもういいとして、どれから行こうかな。
お泊り希望です、はセシリアさんだよな。これは夜に行けばいいか。今日中らしいから忘れないようにしないと。
お風呂のサービス……って、たぶん時間外じゃないとダメだよな。これも夜行った方がいいか。
行く事を知らせないと、ジュリアさん寝ちゃうかな。
健康診断はちょっと時間がかかりそうだし、午前中に済ませるか。
ロザリンドさんとドロシーさんのはちょっと長引きそうだから、明日ゆっくり時間をとるか。
となると、残るは内容の良く分からない占いと新商品と番外編と品定めか。うーん。
とりあえず明日の天気を聞くから、アリシアさんの依頼からかな。その後ナタリーさん、カノンちゃん、ターニャさん、ユエさんだな。
と決めたところで、まだ皆家から出てくる時間ではない。アルヴァーナの住人は時間に正確で、午後九時にならないと家の扉を開けてくれない。
家族のいない僕にとって、それまでの時間みんなが何をしているのかは想像するしかなかった。
噴水を背にしてベンチに座る。アリシアさんが来るであろう西よりのベンチだ。まだ秋に入ったばかりだが、アルヴァーナの季節は
急激に変わる。ムラサメライガーがいなければくしゃみの一つもしていただろう。まだ冬の毛に生え変わる前のコウルフィは、
じゃれてくる分には適度に温かい。すりよってのどを鳴らすムラサメライガーをなでながら待っていると、いつの間にか時間がたっていた。
「あ、来た来た。アリシアさーん!」
手を振って呼んでみると、アリシアさんが跳ねた。なんだろう?
明らかにぎくしゃくした動きで、アリシアさんが歩み寄ってくる。
「お、お、おはようカイル。……何か用?」
やたら早口できりだしたアリシアさんは、目を逸らして、顔が耳まで真っ赤になっている。
「あの、大丈夫ですか? 顔が真っ赤になってますけど」
「な・に・か・よ・う・って訊いてるの!」
さらに顔を赤くして、身体の前で両手をもじもじさせ始めた。その縮こまった体勢のせいで、胸が持ち上げられて、
谷間が強調され、思わずそこに目を奪われそうになる。
「あ、はい。掲示板を見たんですけど……」
言い終わる前に手首を掴まれて、引っ張られるように歩き出した。
「あのー……」
引っ張られるがままに、船着場にたどり着く。いつも占いをしているところではなく、荷物置き場みたいになっている場所だ。
位置的に、アリシアさんの顔を見ることは出来ない。
「ロザリンドにね、」
つかんだ手はそのままに、アリシアさんがしゃべりだす。
「心理学、ってやつの本を貸してもらって、勉強してたの。占いのヒントになるかと思って」
「はあ」
話が見えないので、あいづちもいい加減になる。
「それでね、その……思いついたの。だから、実験、って言うか、いや、こんな事カイルにしか、しないんだけど! あの……」
「いいですよ。じゃんじゃん占っちゃってください」
何を緊張しているのかは知らないが、いつも通り占ってもらうだけなら、お安い御用だ。和ませるためにおどけて言ってみた。
「うん……ありがとう」
手を離して、アリシアさんが振り返る。相変わらず顔が赤かったが、うつむいてしまうと帽子で見えなくなった。
「じゃ、ズボン脱いで」
「ええ!?」
「う、占いに必要なのよ!」
顔が真っ赤なのはこういう理由か。しかし、さすがにこれは……
「いや、そーいうのは僕はちょっと……」
こっちまで顔が赤くなってきて、目を逸らした。
「お願い!」
その隙を見計らったのかどうか、アリシアさんに抱きつかれる。触れてみると以外に厚い生地だが、それでも豊かな胸の感触を
存分に伝えてくる。僕よりもほんの少し背の高いアリシアさんが抱きついてくると、目と目がばっちりあってしまう。
「ア、アリシアさん! 顔が、近いです……」
吐息を感じるほど近い距離で見ると、顔の造作が良く分かる。格好以外で唯一占い師らしい、吸い込まれそうな青い瞳。
薄く口紅の引かれた、ぽってりと色っぽい唇。意外に小さい鼻……
嘆願において沈黙は金、とばかり、唇すら触れそうな位置でアリシアさんは無言のままだ。
あのアリシアさんがここまでして頼むなんて……
「……わかりました。協力します」
「ありがとう!」
茶化しすらしない。やっぱりよほどの事情があるのだろう。とはいえ内心かなりの抵抗を感じながら、ズボンを下ろした。
「……全部ですか?」と訊くと、小さくうなづいた。
意を決して、下半身をさらけ出すと、しょうがないとはいえ死ぬほど恥ずかしい。アリシアさんのほうが見れない。
突然、アレを掴まれた。掴むといっても、ごくごくやさしい手つきで、それがむしろ強い快感を与える。
「うわッ!? ちょっと、アリシアさん!?」
いつの間にか目の前でひざまずいている。親指は裏スジにそえ、小指を立てて僕のものをしごき始めていた。
「うわ、おっきい……指が回りきらないわよ、これ……」
初めての刺激に、ツンと頭の奥が痺れ、涙が出そうになる。
思わずアゴが上がってしまって、視界の下で行われている事を見る余裕も無い。
未知の快感に、うめき声をもらすしかなかった。
「ああ……こんな、すごい……」
しごくのが収まったので下を向くと、両手を添えられてほお擦りされていた。
すでに帽子は脱げて、ふわりとやさしいピンク色の髪がひろがっている。
普段からは想像もつかないような、恍惚とした表情。目じりは下がり、口元はだらしなくゆるんでいる。
口は少し開いて、かわいらしい舌がのぞいていた。
発情。そんな言葉が浮かんできて、ふいに何か強い衝動が湧き上がる。
「やだ……私ったら、何して……」
気を取り直したように少し普段の調子に戻って、今度は両手で根元を掴む。
「じゃ、い、行くわよ……」
かぱぁ、と口を開けると、僕が何か言う間もなく、アリシアさんは熱く潤んだ口内にそれを飲み込んだ。
「うああっ!」
さっきまでとは比べ物にならない快感。口内に侵入したのは半分くらいだが、全身を撫で回されているみたいだった。
あの、アリシアさんが。
いつも占いの結果を聞かせてくれる、唇で。
一心不乱に僕のものにしゃぶりついている。
唾液を絡ませて、ちゅ、ぱ、じゅ、じゅる、と音を立てて吸い付く。
口をすぼめるから鼻の下が伸びてしまって、タコみたいな口になっている。
普段の生活でなら笑ってしまうような顔。それが吸っている事実をより強調していて、
とても扇情的で美しく感じた。
うごめく舌が先っぽの穴や、くびれた部分をなぞるたびに、気持ちよさに震える。
あっという間に僕の股間はアリシアさんの唾液でまみれて、棒の全体がてかてかと光っていた。
ちゅぽ、とアリシアさんが口を離したとき、思わず「もう終わり?」といいそうになって慌てて口をつぐむ。
アリシアさんは無言のまま、とろんとした目つきで、今度は先端に口づけた。
アリシアさんの唇が僕のアレに吸い付いて、いやらしく形を変える。なまめかしい舌で、根元から一気になめ上げられ、
裏の筋張った部分でちろちろとくすぐってくる。
全てが見える分、視覚的にはさらにいやらしい。
「アリシア……さ……ぼく……もぉっ……!」
女の子みたいな情け無い声が自分から出てきたことに驚きと恥ずかしさを感じながらも、
フルートを吹くように横から吸い付かれると気持ちよさでどうでも良くなってきてしまう。
まるで声が聞こえていなかったかのように、夢中になって僕にしゃぶりつくアリシアさんは、
美しく、いやらしく、でも何故か子犬のように無邪気にも見える。
なんとなく、手を伸ばして頭を撫でてみた。
「ひゃっ、え? あれ?」
いきなり震えたので、慌てて手を引っ込める。アリシアさんは僕の方を見て、さっきまでが嘘みたいに
目を丸くして、頬を染めた。
「やっ、ち、違うの! 私こんなの始めてで、あの、カイル以外には……」
口ごもってしまって最後は聞き取れなかったが、その慌て方があまりにもかわいかったので、
やさしく頭を撫でてみる。
「ん……」
小さい子がやるみたいに、頭を差し出してされるがままになっているアリシアさんは、ひどく幼く見えた。
「ね、カイル……恥ずかしいわ」
「あ、すみません」
すっくと立ち上がる。
アリシアさんが腰の布をずらすと、むわっとすえたにおいが広がった。決して不快ではなく、
むしろこの匂いをかいでいると、アリシアさんがさらに綺麗に見えて……
「カイル……私、もう……だから、来て」
下着をずらして、とろりと透明な液体が滴り落ちるセレッソの花の色のようなそれが見えた瞬間、
僕は自分が何をすべきか悟った。
豊満なようで華奢なその腰に手を回し、雄と雌で触れ合う。
「あ、は、あぁっ!」
入り口あたりをこねてやるだけで、耐えきれないという風に焦点の合わない、だらしない笑みを浮かべる。
よだれが垂れるのを舌でぬぐって、そのままアリシアの舌を弄ぶ。
自分から腰を降り始めたのを見計らって、右脚をあげさせ、自分の肩にかける。前に突き出せば、
いつでも入る体勢だ。その前に、上半身をぐいと引き寄せて唇を奪う。
一気に奥まで突いた。
「んむぅーーーーー!」
嗚咽は、ほとんどが口の中で消えて、残りも波の音がさらっていった。
叫びが苦痛からではない事を膣内の熱いうごめきが教えてくれる。ぎゅうぎゅうとしがみつきながらも、
異常なほどの性欲に蕩けきった女性器は信じられないほど柔軟だ。垂れてくる液体の中に血が混じっているにせよ、
滴るほどの愛液の量の前では見た目には分からないだろう。
先端には子宮の感触がある。浅いところまで降りてきたのを、一度に突き上げたので
子宮口を押し込むような格好になっているようだ。
思い切り背中をのけぞらせて痙攣するので、塞いだ唇が離れてしまった。
「は……ひ……」
息をするのを忘れるほどの快感に浸っているアリシアは、声もでないようだった。
眼前にちょうど良く胸が来ていたので、服の上からもみしだいていると、
アリシアが自分から上にずらして胸を露出した。
「アリシアさん……」
「サービス……よ。ね……強く、揉んで」
左手では腰を抱えたままなので、右だけでもむ。
しっとりとして手に吸い付くような感触を楽しみながら、こねるように弄り回す。
腰を引く。くびれがぷちゅぷりゅ、と内壁を引っかくのが伝わって、
あまりの快感にさらに腰が引け、さらに動きが速くなる。
「はぉぉっ、んぁああ」
もう言葉ですらない、悩ましげな声を上げてアリシアが蕩けていく。
全部抜けきる前にもう一度突き入れる。狭い膣内なのに、まるでカイルを迎え入れるかのように
奥へ奥へと誘うように飲み込んでいく。
繰り返すたび、前後運動は激しくなった。
それとは逆に、アリシアからは動きがなくなっていく。顔の穴という穴から体液を流すその表情は、
一目では誰だかも分からないほど崩れている。口からは、「あ゛ー」とか「お゛ー」とか、
言葉の体をなさない音が漏れ、目の焦点も合わない。
だが唯一、膣だけは突き入れるのにあわせて絶妙に竿をしごきたててくる。
カイルは、今まで見た中で一番綺麗な表情だと思った。
「アリシアさん、綺麗です」
言葉に反応したのか、焦点が戻りかけて、
「ふえ?」
「はぁ……でるっ!」
最後の力強い一突きと共に一番奥で放った。
「おかしいわよ……私、始めてなのに……」
事が終わり、着衣を整えて。
「す、すいません」
カイルは思い切りしょぼくれていた。
「……ごめんじゃすまないわよ。どろっどろで今日はもう、仕事にならないじゃない」
「うう、本当にすいません」
「明日から……だから」
「はい?」
「明日から、ずっとこの方法でやるんだから」
「えっ!?」
ちょっとにやけてしまった。
「文句ある!?」
首を振る。
「……そういえば、アリシアさん」
「なに?」
「結局占いの結果って……」
アリシアは一瞬目を逸らし、
「女難の相が出てるわ」
「う。そ、そうですか……じゃ、じゃあ、僕はこれで……」
「カイル」
袖をきゅっとつままれて、立ち止まる。
「ど、どうしました? アリシアさん」
帽子をかぶりなおしたアリシアさんは、うつむくと顔が見えない。
「明日からずっとこの方法だからね?」
「は、はい」
顔を上げた。
「毎日来てくれなきゃ、いやよ?」
アリシアさんのおねだり顔に、思わずうなずいていた。