モンスター小屋にて(バカップル) カイル×セシリア
「わあ、モコモコですね!」
新婚生活の始まったその日、セシリアは早速カイルと一緒に彼のモンスター小屋をのぞいていた。
エルフなだけあり、モンスターと仲良くなるにさして時間はかからなかった。
モンスターたちもカイルによく懐いているので、彼と一緒にやってきた人物であるセシリアに対する警戒心もあまりなかったのだろう。
「こっちはシルバーウルフにコケホッホー…みんなかわいいですね!」
「セシリア、本当にモンスターが好きなんだね」
「はい、昔は怖い目に会わされたこともありますけど…みんな大好きです!」
しばしのセシリアとモンスターの馴れ合いを見ていると、モンスター達が何かもの欲しそうにカイルの方を見ていることに気が付いた。。
「あ…そうだった、今日はまだブラッシングをしてなかったね。ごめんセシリア、少し待っててくれる?」
「もちろんです」
ブラッシングをしてもらっているモンスターの顔は実に心地よさそうだった。
だが、それよりもブラッシングの後に撫で回してもらっている時のモンスターの顔は、さらに幸せそうな顔だ。
「ははは、コカトリス(名前)もアマテラス(名前)もかわいいなぁ」
「………………」
ブラッシングを終えて、カイルがセシリアの方を見ると、彼女は少しむくれていた。
「ど、どうしたの…?」
「…そのコたちばっかり、ずるい…」
最初はその言葉の意味がわからずに混乱していたカイルだったが、すぐにその意味を理解した。
「……ごめんごめん、もちろんセシリアも大好きだよ」
今度はセシリアの頭を撫でるカイル。
つい数秒前までむくれていた彼女の顔も、あっという間に幸せの絶頂とも言うべき顔になった。
…心なしか、彼らを見ているモンスター達(全員♂)の目はやけに白かったという。