アルヴァーナのこりない面々 二話 本能(カイル×ナタリー)

 腰が軽くなると、頭も軽くなる。
 さっきまで腰を振っていたカイルも、けろりと何もなかったかのような顔で次の予定に移っていた。
体内時計によれば、今は午前10時。一時間半弱の間まぐわっていたようだ。
 カイルにとってはもっと長い時間のように感じたのだが。体力的には、普段農作業に採掘に
モンスターとの戦闘もこなすカイルにとっては何の不都合もなかった。むしろ身体の熱を
もてあますくらいだ。
「さっさとナタリーさんのところへ行かなきゃな」
 駆け足で、無人のヴィヴィアーシュ公園を抜け、病院へ。
「ごめんくださーい」
 病院に入るのにおかしな感じだが、半分民家といってもいいアットホームな病院なので、
カイルも何かいわれた事はなかった。
 いつも階段前に突っ立っているレイの姿は無い。お使いにでも行っているのだろうか。
「いらっしゃい、カイル君」
「おはようございます、ナタリーさん、ドロシーさん……あれ? その服は?」
 ドロシーは普段の格好ではなく、セレッソ色の別の服を着ていた。
「あ、あのっ、これは……」
 いつもとは違いミニスカートなので、丈を気にしてスカートを下げようとしているが、
余計にいやらしい雰囲気をかもし出している。
 それを見ていて、また下腹部に血がたぎってくるのをカイルは自覚した。
「あらあら、そんなに見とれちゃって。これ一応、看護婦の制服なんだけど?」
「看護婦、ですか?」
「ええ。医者とはちょっと進む道が違うんだけど、お手伝いの体裁よ。」
 言われて見れば、確かにポケットなどはなく、つるりとした質感で、
清潔な服装のように見える。
「へえ。こんなのどこから手に入れるんです?」
 ナタリーはこちらへのんびり歩いてきて、
「ユエちゃんに頼んで、取り寄せてもらったの」
「ユエさん……ですか。このごろ元気が無いですよね」
 あれは……夏も半ば、ダンス祭の頃からだったか。話しているときは元気に振舞うが、
遠くから見た時はうつむいて溜息ばかりついていた。
 カイルの後ろまで歩いてきたナタリーは、ふ、と笑うと、
「大丈夫よ。昨日見たときは、」ドロシーがびく、と震えた、「元気になってたみたいだから」
「……そうですか。それはよかっ」
 部屋の入り口が、ギロチンのように落ちてきた隔壁で封じられた。
「じゃあ健康診断、始めるわよ」
「うわああ!?」
 満面の笑みと共に伸びた魔手に、一瞬で素っ裸にされた。


 あまりの早業に、声もでない。
「うふふふふ……すでに少し硬くなってるのね。ドロシーちゃん見て興奮しちゃった?」
 カイルは今、ベッドに手足を縛り付けられ、身動きが出来ない。
当然足を閉じられるような格好ではなく、その体格に比して凶悪としか言いようの無い大きさの
性器が、すでに天を向きかけていた。
 ナタリーは二児の母とは思えない妖艶な笑みを浮かべ、カイルの股間に顔をうずめようとしている。
 ドロシーは、顔を両手で覆って見えませんのポーズをしているが、ばっちり開いた指の間から普段見せない赤い瞳が覗いている。
「なんなんですか、これ……」
 やられることは大体予想がついてしまったので、特に動じる事は無い。
「健康診断だって。ん、この臭い……カイル君、もう一人食べちゃった後?」
 う、と言葉に詰まる。図らずも人生最初の……記憶が無いからどうだかわからないが、
とにかく初めてのセックスをアリシアとしてしまってから、二十分とたっていない。
そりゃあ性臭だってするというものだ。誤魔化せないかな、と考えたが、
「ははーん、さてはうちの娘でしょ」
 あっさり看破された。
「な、何で……!」
「お、当たってた。初めてじゃないなら遠慮無しでいいわね。いっただっきまーす!」
 ぐあ、と大口を開けてかぶりついた。
「う、うああぁ……」
 先ほど娘のほうにもフェラはしてもらったが、まるで桁違いの性感だ。カイルのやたらでかいペニスを、
喉の奥まで使って根元まで飲み込んでしまった。
(喉の感触が……プリプリ、しまって……!)
 一番敏感な部分をのどを使ってしごき上げながら、竿全体に絡みつくような舌使いで刺激し、
口を思い切りすぼめて吸い、精液を搾り出そうとしている。
 フェラ顔に娘のアリシアの面影を見て、不思議な感慨と背徳感にもう射精しそうになる。
と、ナタリーが「ぷはっ」と息継ぎするかのようにペニスを離した。
 眼前でまじまじと見つめ、口の中に残った味をも味わうかのようにもごもごさせてから、うっとりとつぶやく。
「嘘ぉ……あいつらより、ずっと太くて、長くて、硬くて……カリも、こんなに立派……」
 あいつら、が誰なのかは意識的に忘れる事にして、カイルはべた褒めに頭をかくことも出来ずに照れ笑った。
「こんなの入れられたら、私……」
 いいながら、ナタリーはベッドで膝立ちになり、カイルのを挿入できる体勢に持っていく。
 ロングスカートを邪魔そうにたくし上げ、白のガーターベルトの映えるこれまた白い肌、
むっちりといやらしく肉のついた太ももを晒した。
「ちょ、ちょっとナタリーさん!」
「親も娘もチンポで狂わせるなんて、カイル君ってば悪い男ね?」
 つぷ。という音が、確かに聞こえた。それほどにカイルの亀頭は大きい。
 ナタリーが少しずつ腰を沈めていくたび、ぷちゅ、ぷちゅ、と粘液が泡立つ。
「んほぉ? 押し広げながら、入ってくるぅ……」
 そう言うナタリーの視線は中空に向けられており、既にカイルの肉棒から与えられる快楽に
どっぷりとつかっているようだった。
 舌は自然と突き出て、M字に開いて踏ん張っている脚も小刻みに痙攣している。

「くぅっ……」
 アリシアのような若い締め付けは無いものの、ナタリーの具合も絶品だった。
ねっとりと絡みつき、どんなに激しく突き入れても受け入れてくれそうな包容力を感じる。
 自然と腰が浮き、ナタリーの一番奥を目指そうとした。
「ひぃ、ん、ら、らめぇ! わらひが、リード、しゅるのぉ!」
 子宮を叩いたと同時、ナタリーがのけぞる。同時に抱きしめるように膣がうねって、搾り取られそうになる。
「ん゛ーー! ふぅっん?」
 絶頂にガクガク震えながらも、自分で出し入れしようとするナタリー。
足を踏ん張って力を入れても、カイルのカリが引っかかり思うように抜けない。
渾身の力を入れると、引っかかっていた内壁が思いきり外れて、その衝撃に絶頂する。
 絶頂すると、脚に力が入らなくなって自らの体重で再び子宮まで貫かれる。
 立て続けに絶頂したナタリーは、よだれをたらしながら反射的にもう一度腰を上げようとするが、
何度やっても同じ事だった。

 引き抜き、絶頂、突きいれ、絶頂。

 壊れた人形のように、しかしあくまでも幸せそうに繰り返すうねりに、カイルもまた翻弄される。
「う、あ、出る……!」
「だして、だしてぇっ!」
 二児の母とは思えない台詞と共に、子宮を重心の位置から真下にして、そのまま深く腰をおろした。
 ごりり、と子宮口をえぐるような衝撃と、快感。
 反射的に腰を跳ね上げ、根元まで押し込みながら、カイルは射精した。
「〜〜、っあ……」
 ナタリーは、あまり声を上げずに、どころか表情もうつろなまま、中空を見つめている。
わずかに漏れるうめきから、射精のたびに脈動するカイルの動きにあわせて、快感の余韻に浸っている
ことが分かるが、他は完全に無反応だ。
 失神していた。
「ナタリー、さん……」
 30秒くらいは連続して射精していたかもしれない。いまだ膣内で膨張したままの愚息が塞いでいるはずの
精子が、こぽ、と漏れ始めていた。割合としては一割にも満たないそれは、残りがどこに収まったかを
嫌でも想像させ、不謹慎にもカイルの興奮を高めた。
 呼びかけたことが引き金になったかは知らないが、ナタリーがこちらに倒れこむ。
構図だけなら情事の後に甘えてくる女の図だが、さすがに自分が拘束されて相手は失神しているとなると
一抹の不安を覚えた。

 ――どうしよう、この状況。
 だが、それは杞憂だった。ナタリーを抱えて、よいしょとどかすその人物は、
「ドロシーさん、その、ありがとうございます」
 手足を縛られてフルチンで勃起しているとなると、なかなか礼も言いづらい。
 引き抜いた際ごぽりと大量にあふれ出す精液を食い入るように見つめながら
黙々とナタリーを別のベッドに横たえるドロシーは以外に力持ちで、
(そういえば、釣りが好きなんだっけ。足腰が鍛えられてるのかな……)
 足腰。ドロシーの足腰。つい下半身に目がいってしまう。今はなんと
ミニスカートに生脚、普段のドロシーからは想像もつかない姿だった。
 よくよく見ると、折れそうに華奢ではあるが、しなやかで、カモシカ……
とまでは言わないものの、割と走るのが速そうな脚だ。
 そして、小さく、上向きにキュッとしまったヒップ。薄ピンクの
ミニスカートの上から、下着のラインまでくっきりと見えた。
 既に、さっきよりも怒張が大きくなっている。
(我ながら情け無い……)
 女性を貫く快感に、女性を悦ばせる快感に、目覚めてしまっている。
カイルの目には、既にドロシーもそういう対象として映っていた。
 のそのそと、あるいはよたよたと、ナタリーをベッドに寝かせる事に成功した
ドロシーは、そのままこちらの拘束を解きに来た。
「…………」
「…………」
 両者、無言である。だが視線は雄弁だった。
 ドロシーは手の拘束をはずしながらも、先ほどよりも雄雄しくいきり立ったものを凝視していた。
無意識の内につばを飲み、舌なめずりしている。まるで、自分がそれを咥えている所を想像しているかのように。
 カイルはドロシーのその心の動きをドロシーの様子から正確に理解し、誘うように腰を震わせ、
ほんの少し棒を揺らして見せた。ドロシーの目は隠れて見えないが、顔の動きから、その瞳も同じように
ゆれていると知れる。猫じゃらしに見入る子猫を連想して、口だけで微笑んだ。
 両の手が自由になる。
 身体を起こした。ドロシーははじかれたように、次は足の方の拘束をはずしに行き、
 何を思ったかベッドの上に四つんばいになった。
 カイルの胸に尻をつけるような姿勢で、腹にいきりたったものの先が当たりそうな
位近づいて、足の拘束をはずしている。
 ドロシーが身じろぎするたび、濃厚な雌の臭いが、カイルの鼻をくすぐる。
 カイルが、初めて口を開く。
「ねえ、ドロシーさん。掲示板、見たよ」
 びくん、とドロシーが震え、手を止めたのも一瞬。すぐに動き出したものの、手つきがたどたどしい。
「自分を変えたいんだよね。具体的に、僕にどうして欲しいの?」
 足の拘束が、外れる。カイルの手が、白い太ももに伸びていく。

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