カイル×セシリアバカップル劇場 その2〜お風呂にて〜

「おかえりなさい、あなた」
「ただいま、セシリア」
その日の農作業は夜遅くまで続いていた。
時刻は既に11時半に近くなっている。汗だらけになって帰ってきたカイルが時計を見てつぶやく。
「…今ならまだお風呂屋さんも開いてるな」
「お風呂屋さんに行くんですか?」
「うん、そうしようかな」
「…そういえば今日は私もまだ入ってないし…一緒に行ってもいいですか?」

「いらっしゃ〜い。あ、カイルにセシリアだ〜」
風呂屋に入った二人を緑髪の少女、ジュリアが明るく迎える。
「遅い時間で悪いけど、二人分お願いできるかな?」
「もちろん! えいぎょうじかんないならいつでもうけつけるよ〜。………ふっふ〜ん」
カイルとセシリアを見て、ジュリアが何やら怪しい笑みを浮かべた。
二人を交互にまじまじと見つめるジュリア。…数秒間、じろじろと二人を見ていたかと思うと、
ジュリアはさっ、と振り返り2階へ上がっていった。
「どうしたんですか、ジュリアさん?」
「いや〜…そんなおふろやさんにくるのにもべったりくっついてくるようなラブラブなしんこんさんは、
いっしょにおふろにはいってるといいよ〜。みててはずかしいからわたしはにかいにあがってるねん〜」
言われて初めて気づいたが、カイルとセシリアの体はぴったりとくっついていた。
しかも、来る途中につないでいた手もそのままだ。
セシリアの顔が真っ赤になり、カイルが照れ笑いを浮かべる。
「もうおきゃくさんはこないだろうから、ふたりでゆっくりはいってるといいよ〜。…ただし、おふろでいやらしいことはしないでねん♪」
それだけ言い残し、ジュリアは1階から姿を消した。
相変わらず0距離のまま立ち尽くしている二人。
「……そ、それじゃあ…お言葉に甘えてみましょうか?」
「う、うん…そうだね…」


流石に女湯に男が入るのは気が引けるということで、二人は男湯に入っていった。
女が男湯に入るのはいいのか、と突っ込みたくなるだろうがセシリアは特に異論を唱えはしなかった。
ゆっくりと湯船につかり、熱い温泉を肌で感じる。
いつもなら普通の風呂屋でのことだが、二人で入ると妙にドキドキする。
ベッドの上では互いの肌を見ても平気なのに、何故か風呂の中ではお互いの顔すら直視できない。
…と、言いつつもちらりとセシリアの方を見るカイル。
湯気の中に見える彼女の濡れた髪と顔は、心なしかいつもよりも色っぽく見えた。
そっ、とセシリアに近づき、背中を合わせるカイル。
一瞬セシリアがびくり、としたのがわかったが、すぐに落ち着き、お湯の中でカイルの手を握った。
密着した状態での沈黙が続く。
「………あの、あなた?」
「な、何?」
「…私、あなたと結婚してよかったです」
セシリアが自分から話し出した。
「毎晩一緒のベッドで寝るのも、キスしたりするのも、こうやって一緒にお風呂に入るのも…ちょっと恥ずかしいけど、すごく幸せなんです」
「…それは僕だって同じだよ」
カイルとセシリアはちらりと視線を合わせ、互いの手をさらに強く握った。
「……実はあなたを好きになったとき、私はハーフエルフだし、人間のあなたが好きになるのは人間なんだろうなぁ、
ってすごく不安だったんですよ。…だから、あの時トリエステの森で言われた言葉は嬉しかった…」
「セシリア…」
「…これからも、ずっと大事にしてくれますか?」
「……答えるまでもないよ」
今度は振り向いてしっかりと顔を見合い、それからゆっくりと唇を重ねた。


「……おふろってこえがひびくからかいわまるぎこえなのよねん…。…あー、きいてるこっちがはずかしい……」

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