カイルとおフロ 前編 カイル×ジュリア
「おゆかげんど〜?熱すぎたりしてないかしらん?」
湯気で満ちた浴室の中にジュリアの間延びした声が響き渡る。
「あ、はいちょうどいい温度です」
湯船に浸かりながらカイルは外にいるジュリアに聞こえるように少し大きめの声で答えた。
すでに日付は変わり、アルヴァーナの町の中で明かりを付けているのはこのジュリアの経営する風呂屋ぐらいであった。
本来カイルがここに来るのは決まって日が落ちかける午後6時から7時ぐらいの時間だが、今日は(正確にはすでに昨日だが)
ブレシア島での作業が予想外に手間取ってしまい、町に着き、その後風呂屋に入ったのは、営業終了時間ぎりぎりであった。
ジュリアのことだ、ねぶそくはおはだのたいてきなのん、とでも言われあしらわれることも覚悟していたが
意外にも彼女はすんなりと入浴を了承してくれた。
(プレゼントに持ってきたトイハーブが受けたのかな?)
などとカイルが考えていると、ヒタ、ヒタと浴室内で何かの音がする。
水滴の音かと思い、カイルは音のする方向を向いたが、その正体を知ったとたん思わず上ずった声が出てしまう。
「ジュ!ジュリアさん!?」
「なあに?」
音の主はジュリアであった。素足になったジュリアが浴室に入ってきているのである。思わず後ろを向いてしまうカイル。
「何って!こ、ここ男湯ですよ!?」
「しってるわよん。ここわたしのいえだもん」
いまいち要領を得ないのは自分が混乱しているからか、それともジュリアが天然なだけなのか、訳も分からずカイルは慌てふためく。
「そうじゃなくて、何で男湯に入ってくるんですか!?」
「カイルきょうつかれてるんでしょ?だからわたしがせなかながしてあげようとおもったのん」
今の状況が理解できたのかようやくカイルは落ち着きを取り戻し始めた。無論は視線はジュリアとは反対の壁に向けられたままである。
「そんな・・・悪いですよ」
「いいのよん。だってわたしさいきんカイルにたよりっぱなしでしょ。
ナタリーさんにいっしょにあやまってもらったりダグラスさんがおこってるかどうかきいてきてくれたり。」
「で、でも」
「それにきょうだっておフロだいのほかにおはなまでもらったし、これぐらいサービスしなきゃわたしのきがおさまらないのよねん」
結局カイルは押し切られるかたちでジュリアのサービスを受けることにした。
ジュリアは手馴れた手つきで石鹸をタオルに馴染ませ泡立てるとカイルの背中に押し当て、優しくなで始めた。
しかしカイルの頭にはその感触を楽しむ余裕などなく、さきほどから一心不乱に一つのことだけに集中しようとしていた。
(見ちゃダメだ・・・見ちゃダメだ・・・)
美容には気を使っていると言うだけはある。ジュリアの肌は白く滑らかであり
余分な脂肪の付いていない脚線は彫刻のように整っている。
そのことがに普段の少女のような彼女の印象とかけはなれた、ジュリアの女性としての印象をカイルは意識せずいられなかった。
こんな状況でジュリアの姿を間近で見たら、理性が飛んで最悪何をするか分からない。そう自分に言い聞かせるが
下を見れば、逆に自分のそれは大きく膨張してしまっている。
そんな葛藤を繰り返しているうちに、ジュリアはシャワーでカイルの背中の泡を洗い流し終わった。
「おわったよー」
「あ、ありがとうございました」
ようやく解放されるとカイルは安堵する。が次の瞬間それはただのぬか喜びに終わった。
「じゃあつぎはまえのほうねん」
「・・・・・・」
動けなくなるカイル。
「どうしたのんカイル?」
「い、いやあさすがにそこまでやってもらうわけには」
「いいからはやくこっちむいて。ひえちゃうでしょ」
そう言ってカイルの腕を引っ張るジュリア。その反動でカイルの下半身を覆っていた手ぬぐいが落ちてしまう。
「・・・・あ」
「・・・・あ」
突然のハプニングに固まる二人。一瞬頭の中が真っ白になったカイルであるが、その後のジュリアの行為に度肝を抜かれる。
「な、何で握るんですか!?」
「え?だって・・・」
右手でカイルのそれを握ったジュリアは眼を丸くしてどこか呆けたような表情で見つめている。
見たことも無い玩具を与えられた幼児のように興味津々といった様子だ。近くで見ようとしてか
意図せず握る手に力が入ってしまい吐息がかかってしまう。
「あっ・・・ダ、ダメですジュリアさ・・・」
カイルの声が急に弱々しくなり、それとは逆に手の中のそれは太さと硬さを増していく。
「うっ・・・はっ・・・」
気持ちとは裏腹にカイルの表情からはジュリアの手付きからの快感が滲み出てしまう。
それを見たジュリアは手を上下させカイルのそれを優しくさすってやる。
「これ?これがきもちいいのカイル?」
柔らかい指の小刻みな動きに溢れ出るものを抑えるのはもはや不可能であった。
「あ・・・・ああっ!」
電撃が走ったような感覚を受け少女のような声と共に勢いよく射精しカイルは果てた。
次回後編 逆襲のカイル