魔性の女
アルヴァーナに辿り着き、もう一年が過ぎた。
カイルという名の青年は自らの正体に謎を抱きつつも、
町人のひとりとして牧場を経営し、なにかと助けてくれる友人をつくり、
ダンジョンのモンスターを頼れる仲間にし、そして雑貨屋の娘と恋に落ちた。
記憶の無い彼だったが幸せは確かに掴みかけていた。
――魔性の女が来る、その時までは。
カイル「ふう…今日の農作業はこれでおしまい。しかし、一面牧草ばかりだと疲れるなぁ…。」
???「あの…あなたはここの牧場主さんですか?」
カイル「そうですが…あなたは?」
???「名乗るほどのものでもございません。ただのカブ好きです。」
カイル「はぁ…。それで、なにか僕にご用ですか?」
???「実は最近、恐ろしい病気が蔓延しているようなので、
各地にお薬を配ってまわっているんです。よかったらいかがですか?」
カイル「そうなんですか…それじゃいただきます。」
その清楚な少女から渡された薬を、怪しむ事も無くカイルが一気飲みする。
恐ろしい罠だとも知らずに。
カイル「んー…味は普通だな。………んわっ!なんだかフラフラする…。」
???「… か か っ た な ア ホ め !」
途端にカイルはふわ毛Sサイズ程度の大きさにまで体が縮んでしまった。
状況の読めないカイルを摘み上げながら、少女はこう言った――
???「ふふ、怖がらなくても、あたしの膣内でしっかりと可愛がってあげますよ…。
ちゃんと耕してくださいね…。膣内にはあなたの『お仲間』も居ますから…。」
――その後、カイルの行方を知るものは誰も居なかった。
. アゲイン
――――――――カブ女、再来