秋に芽生えるキモチ カイル×マナ
ある晴れた秋の日の午後…
マナはいつものように出荷箱からカイルの出荷物を回収しその代金を置いて行くつもりだった。
しかし、今日に限って出荷箱を覗いたら何も入って無かったのだ。今までは必ず何かしらの出荷物が入っていた。
マナ「あれ…?どうしたんだろ?」
マナは理由を聞こうとカイルを探したが牧場には見当たらない。いつもなら畑で元気に水撒きをしている時間だが…
家の中にいるのかもしれない…そう思いドアをノックしてみる。返事が無い。
マナ「カイル〜?いないの〜?」
ドアを開けて呼んだがやっぱり返事がない。
マナ「…寝てるのかな?……お邪魔しま〜す…」
部屋の一階には誰もいないのですぐにマナは階段に。
階段を上がった先はカイルの寝室だ。ベッドにもカイルの姿は無かった。
マナ「留守なのかな…」
ふと、彼の日記が置いてあるのが見えた。
マナ「ちょっとだけ読んでみようかな…」
〜春の月2日〜
今日からここで生活する事になった。牧場なんてやった事無いのに出来るだろうか?
…いや弱気になるのはやめよう。あの親切な女の子マナとその父親のダグラスさんにお礼をする意味でも頑張らなければ!
〜春の月3日〜
今日は仕事が終わった後街の人達に挨拶に行った。みんな優しそうな人ばかりだ。
僕には記憶が無いけど…ここで新しい楽しい記憶が作れそうだ。
マナ「ふふ♪あの頃はセレッソの花が綺麗に咲いてたっけ」
マナは楽しそうにページをめくる。
〜春の月10日〜
街の人達と少しでも仲良くなるために掲示板の依頼を沢山やった。
その後畑仕事をやろうとしたけどとても疲れてしまったので今日はやめようかと思った。
だけどマナに励まされたので頑張る事にした。
マナは不思議な子だ。会ってまだ間もないのに、親しげに話かけてくれる。
マナ「…鈍いのね…」
はぁ…とため息をつく。
〜春の月13日〜
今日はお花見というお祭りだった。一人で見るのは寂し過ぎるのでマナを誘った。彼女はとても嬉しそうだった。
マナと別れた後一人でお花見しているユエさんがいた。
一人でお花見は寂しいだろうと思い誘う事にした。
やっぱりユエさんも一人でお花見するのは寂しかったらしい。誘って良かった。
マナ「…むっ……ユエさん…」
〜夏の月2日〜
今日はドロシーさんの依頼を受けた。人と話す練習がしたいらしい。ドロシーさんは色々話してくれるようになってきている。良い傾向だ。
マナ「…む…今度はドロシーさん…」
〜夏の月9日〜
今日はジュリアさんの依頼を受けた。新しい美容保持の体験者になって欲しいらしい。内容は長く風呂に入るというもの。
風呂の外にいるジュリアさんと色々話していたが僕は途中でノボせてしまった。ジュリアさんは普段もっと長く風呂に入るらしい。
凄い…
マナ「・・・・・・」
マナは日記を読んでいるうちに不安になってしまった。
日記を元に戻し、カイルのベッドに横になった。
マナはカイルの枕に顔を埋めた。
…彼の匂いがする。
マナはその匂いを嗅ぐうちになんだか興奮してしまった。
マナ「まだ…帰って来ない…よね…」
我慢出来なくなってスカートを捲り、下着の上からなぞる。
マナ「んん……はぁ」
下着の上からでは刺激が足らず下着の中に手を入れ直接触る。
マナ「…んぁ…カイル……カイル…」
一方その頃カイルは…
ダンジョンで鉱石掘りを終えてシルバーウルフに乗り帰宅途中だった。
家に着き、シルバーウルフを飼育小屋に送った後、家のドアが半開きになっているのに気付く。
カイル「おかしいな…出掛けた時は閉めたはずなのに」
中を覗くと何やら二階から物音が聞こえる。
カイル(泥棒か!?)
彼は愛用のクレイモア大剣を構え静かに二階に登る。しかも物音は…女の子の声…それも妙に艶っぽい声が聞こえる。
カイル(一体何が…?)
階段の最上段からそっと覗き込むとそこには…
カイル(!?)
ベッドにマナが横たわり自分の下着の中をまさぐっている。
マナ「…あぁ…いいよぉ…カイル…」
カイルは驚いて手にしていた大剣を落としてしまう。
ガシャーン!!
けたたましい音が辺りに響く。
マナ「あ…!!」
カイル「あ…えっと…その」
マナ「…ごめん…勝手に入っちゃって…」
カイル「う、うん」
マナ「あ!」
マナは慌てて自分の服を直す。
カイル「…」
マナ「…見た…よね?」
カイル「…え?」
マナ「…見ちゃったよね」
カイル「…あ…えっと…ごめん」
マナ「…今日は勝手に入ってごめんね」
カイル「うん…」
マナ「じゃあ帰るね」
マナが帰った後カイルは一人ぼんやりしていた。
心臓がバクバク言っている。
びっくりしたのはもちろんだが…彼女が女性である事を改めて認識した。決して忘れていたわけでは無いのだが…
椅子に座り天井を眺めながら考える。
仕事の事を考えようとしてもすぐにさっきのマナの姿を思い出してしまう。
今日はさっさと寝ようと決意しベッドに潜りこんでもやっぱりマナの姿を思い出してしまう。
今までこの街の多くの女性との付き合いのなかでこんな気持ちになったのは初めてだった。
カイルはしばらくたった後、自分の気持ちにようやく気付きマナにプロポーズするのだが…
それはもう少し先の話。
END