六年目の結婚記念日 マーク×セピリア

マークとセピリアが結ばれて早六年。結婚当初は度々喧嘩をする事があったこの夫婦も今ではすっかり落ち着き、今では一人息子レイの世話やまたいずれ彼の一人部屋を作ってやるために仕事に追われる毎日だ。
忙しい日々が実に充実しており、マークとセピリアは幸せを感じていた。

今日はこの夫婦の結婚記念日。だが…今日もいつものように何事もなく終わろうとしている。

「あの人ったら…今日が何の日か忘れちゃってるのかしら…?」
セピリアはそれとなく何回かほのめかしたのだが…
マークは全く気付いていないようだ。

いつまでも遊ぶレイを寝かし付け、風呂に入っているマークに文句の一つでも言ってやろうとキッチンに歩き出した。

セピリアがドアノブに手を掛けた瞬間、ドアが勢いよく開いた。
「セピリア、レイはもう寝た?」
「…あなた…ええ…レイはもう寝たわ。そんな事よりも!今日が何の日か覚えてるの!?」
「まあまあいいから、こっちに来て」
「…」


セピリアが膨れっ面でキッチンを覗くと…テーブルにはささやかなご馳走が用意してあった。
「今日は結婚記念日だろ?」
「…あなた」
「これからお金が沢山いるから…アクセサリーは買えなかったけどね」

「…ふふ♪いいえ私はこれで十分よ」

「良かった」

「…朝から何も言ってくれないから忘れちゃったのかと思ったわ」

「…どんなに忙しくても大切な奥さんの結婚記念日を忘れたりしないさ」

「…もう…あなたったら♪」

「あ!久々にお酒でも飲もうか?」

「ふふ♪そうね。じゃあお願いしようかしら?」

「ちょっと待ってて。今何かカクテル作るから」

セピリアをテーブルに座らせマークはキッチンに立つ。冷蔵庫からブドウを取り出して果汁だけを抽出し始めた。彼は慣れた手つきでカクテルを作って行く。
彼の料理の腕は忘れ谷でも五本の指に入るだろう。(元々人の少ない谷だが…)街で料理店を開いても十分にやっていける腕前だ。

「…あなたって本当に料理が上手ね。」

「…まあね。お金の無かった時に採れた作物とか手を加えて出荷してたからかなあ……よし出来た!」
マークはカクテルの入ったグラスをセピリアに渡す。
「じゃあ乾杯」

「はい…乾杯」



予め隣の部屋から持って来てあった蓄音機からマリンジャズが静かに流れる。
料理を摘みながら二人でカクテルを飲む。

「…いつもすまないな」

「…え?」

「…掃除とか洗濯を任せきりにしてしまって…」

「そんな事…あなたは牧場の仕事を頑張ってるじゃない。料理も作ってくれるのよ?レイの面倒だってよく見てくれるし」

「…」

「あなたにはいつも感謝してるわ」

「…セピリア………あれ?グラスが空だぞ」

マークは彼女のグラスにカクテルを注ぐ。

「ありがと♪…うふふ可愛い奥さん酔わせてどうするつもり?」

「さあどうしようかな?」

「もう…あなたったら♪」

セピリアの顔はほんのり赤みが差し眼もとろんとして色っぽい。

見慣れた顔とはいえマークはなんだかその表情に欲情してきた。

マークは席を立ちセピリアの裏に回る。

「…あなた?」

「…セピリア…その…久しぶりに…」

そう言うとマークは彼女の髪を掻き揚げ、耳を舐め、首筋にキスをする。

「…んん…だめ…レイが起きちゃう…」

「…大丈夫だよ。もう遅いし…」

「…ダメよ…あなた…レイに見られたらどう説明するの…?」
いくら言ってもマークの動きは止まらない。
首筋にキスしながらマークは聞く。

「…セピリアは嫌なのか?」

「…それは…」

「…こっちに聞いた方がいいかもね…」

マークはセピリアのロングスカートを捲り上げた。そして下着の中に手を入れる。

「…あ…ダメ…」

「…濡れてるね…こっちは嫌がってないみたいだけど?」

「…もう…しょうがないわね…」

二人は背中越しにキスを交わす。始めはフレンチキスだったが次第にディープキスへと変わって行く。二人は舌を絡め互いを求める。
キスの最中マークはセピリアの胸に手をやり揉みほぐす。
決して大きいと言うわけではないが…その柔らかさにマークはやはり興奮する。

「…んぅ…ん…あなたぁ…」

二人は顔を離す。互いの口から相手の口に向かって唾液が糸を引いている。

「…セピリア…脱がすよ…?」

「…はい。あなた…」

マークはセピリアの服を脱がせて行く。セピリアもそれに素直に従う。

久々に見る妻の裸体は子供を産んだ体とは思えない程美しかった。

「…セピリア…凄く綺麗だ…」

「…あなたのためだもの。私だって気を付けてるのよ…」

健気な妻の言葉にマークは愛しさが膨れあがってくる。
セピリアの背後から胸と秘部を愛撫する。

「やだ…ちょっと…せめてベッドまで待って…」

「ベッドだとレイが起きちゃうよ」

「…でも…ここじゃ明るいし…」

「もう待てない…」

マークはセピリアの中に指を入れて掻き回す。水っぽい音が聞こえる。
それだけでセピリアは軽く絶頂を迎えたみたいだった。

「…や…あぁ…あなたぁ…」

「セピリアの中…もうぐちゃぐちゃだね…ほら」

マークは愛液で濡れた指を引き抜きセピリアに見えるようにかざす。

「…いや…言わないで…」

「どうして?」

「…だってあなた…こんないやらしい奥さん嫌いでしょ…?」

「…いやらしいセピリアも好きだよ」

「…」

二人は再び肩越しに舌を絡める。

「…ねぇ…あなた…」

「ん?」

「…指じゃなくて…あなたのをちょうだい…」

「…しょうがないな…じゃあ壁に手を付けて」

「…え?こう?」



セピリアは壁に手を付けて不安そうにマークを見ている。

「…こんな恰好…恥ずかしいわ…」

「…じゃあ行くよ…」

マークは硬くなった自身を彼女に当て、擦り付ける。

「…意地悪しないでよぉ…」
セピリアは涙目になってマークを見つめる。その姿が可愛くてまた意地悪したくなってしまう。

「…ホントにいやらしい奥さんになっちゃったな」

「私がいやらしくなっちゃったのはあなたのせいなんだから…」

「…セピリア…愛してる…」

「こんなにいやらしくなっちゃったのに…?」

「…どんなにいやらしくなっても…どんなに歳を取ってもずっと愛してる…」

「嬉しいわ…あなた…」

マークは自身をセピリアの中に押し込んだ。

「…んあぁ!…ああ…」

「…動くよ」

マークは腰をゆっくり前後に動かす。

「ああっ…凄い…あなたを感じるわ…」

「セピリア…ずっと一緒だ…」


マークは腰の動きを速めて行く。

「…ん!…あ!…あなた…もっと…」

「セピリア…凄い…!前より…絞まってる…」


マークは次第に頭がぼうっとしてくる。隣でレイが寝ている事も忘れ、ひたすら妻を突く。肉がぶつかる音が辺りに響く。

「セピリア!…セピリア!…」

「ああ!…あなた!…」

愛しい気持ちを全てぶつけるようにさらに腰の動きを速くする。

「セピリア…僕…もう…」

「来て…私の中に…」

「………くっ!」


「ひぃ!あああああぁ!!」

マークは目の前が真っ白になり彼女の中に精を放つ。それと同時にセピリアも絶頂に達した。



独特の熱気が覚めた後二人はキッチンに寝転がったままぼんやりしていた。

「…ねぇあなた?さっき言った事ホント?」

「え?さっき?」

「『どんなに歳取っても愛してる』って」

「…言ったかな…そんな事」

「絶対言ったわよ!覚えてないの!?」

と…その時…一人息子のレイが…




「…おしっこ…」


「!!!」

「……とーたんとかーたん…なにちてるの…?」

「ああ…ええっと…これはその…」

「お風呂!お風呂入ってたのよ!」

「そ、そう!お風呂入ってたんだよ」

レイは寝ぼけていたのか大して二人の言い訳も聞かず用を足すとベッドに戻って行った。


「あ…危なかった…」
マークはほっと溜め息をついた。

「レイに明日聞かれたら…何て答えようかしら…?」

「夢でも見たんじゃないか、で済ませばいいだろ。寝ぼけてたみたいだし」

「…そうね。気を付けないと…」
ふと時計を見るともう午前二時を回っている。

「僕達も寝ようか…」

「あなた明日も早いんでしょ?大丈夫なの?」

「…大変だな…でも」

「でも?」

「頑張らなきゃな。可愛い奥さんと子供のためだ」

「頑張って♪あなた」


二人はベッドに入ってこれからの事を考えながら眠りに落ちた。



次の日…マークとセピリアは激しく寝坊し…二人してタカクラに大目玉を食らったのは言うまでもない。


END

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