「ツナー起きろー」 「や、だ…あと、5分…」 「ツーナー」 「…」 「起きないとお仕置するぜ」 「んー………んぅ?!」
口の中にぬるりとしたものが侵入してきて縦横無尽に動き回る。 … …… ………
「ん〜〜〜…ぷはっ!ディーノさん!いつまでしてるつもりですか?!」 「えーお仕置だからオレの気が済むまで?」
悪びれもなく宣う。
「疑問系で言わないでくださいよ…」 「だってツナ起きねーし、可愛いし、しょーがないだろー」 「なっ!何がしょーがないんですか!」 「えー?寝てる時のツナすげー可愛いんだぜ?口が少し開いてて誘われてるかと思うし、 「あーもー良いですから喋らないでください!」
止めなければ延々と続きそうなディーノの言葉を途中で遮る。
「それよりもどうしたんですか、こんな朝早くに」 「おっ、そーだった!あんまりにツナが可愛いから忘れるとこだったぜ。今から遊園地に行くぞ」 「はい?」
年上の恋人は今日もマイペースのようだ。
どうやら今日がツナの誕生日だと聞き、はるばるイタリアから飛んで来たらしい。 だがディーノの熱い説得に(実際にはリボーンが面倒臭がって)、 がたんごとんと電車に揺られながら遊園地へと向かう。 …そんな所も含めて好きなのだが。 ツナもディーノと二人で、しかも平日に学校をサボってデートするんだと思うといつも以上にドキドキする。
「わ〜平日ですけど、結構混んでますねー」 「だなー。貸し切りにしとけば良かったな」 「でもそんなに待たされるわけじゃないみたいですし、
はにかむように笑うツナに、ディーノは思わず抱き締める。
「ツナ、もうホントに可愛すぎ!」 「ディ、ディーノさん、苦しいです」 「んーオレもツナが愛しすぎて胸が苦しいぞー」
人目を憚らず思った事を告げてくるディーノに、ツナは堪らずに赤面する。
「あ、ほら、順番きましたよ!」
ツナは赤面したのを誤魔化すようにディーノを引っ張って行く。
それから昼ご飯を食べたり、いろんな乗り物に乗って周った。
「…いやー遊園地もバカにはできねぇな」 「ディーノさん大丈夫ですか?」
そろそろ暗くなり始めた頃に、ジェットコースターに乗りたいというツナに付き合って、
「すいません、オレが乗ろうなんて言ったから…」
ツナがしゅんとしてうなだれる。
「気にすんなって。お前が楽しければいーんだから。楽しかったか?」
若干具合が悪そうだが、優しい眼差しで聞いてくる。
「そっか、ならよかった。おっ、そろそろか…ツナ次あれ乗らねーか?」
腕時計をちらりと見て、ディーノが指差したのは
「ディーノさんもう乗り物乗って大丈夫ですか?」 「あれぐらいならどーってことねぇよ」 「じゃあ行きましょう!」 「近くで見ると本当に大きいですね〜」
口をあんぐり開けてツナが呟く。
「あぁ。けど、すげーのは大きさだけじゃねーぜ」 「?」 「ま、それは乗ってからのお楽しみだな」
そう言うとディーノは係りの人の元へ行き話しかけると、
「予約してたんですか?」 「あぁ。これだけは絶対に外せないからな」 「さっき言ってたお楽しみってやつですか?」 「ん。とりあえずこの景色を堪能してくれよ」 「え〜気になるじゃないですかー」 「あとちょっとでわかるって」 「ちぇっ…。それにしても本当に綺麗ですよねー。もうちょっと明かりがあればもっと綺麗に見えるんでしょうけど…」
観覧車の中から外を眺めると確かに周囲にあまり建物がないので、
「あ、あとちょっとで一番てっぺんですね」 「んー」 「ディーノさん?」
腕時計を凝視したまま生返事を返すディーノを不審に思い、
「ディーノさんってば!」 「…よし、ツナ、誕生日おめでとう!」
その瞬間、遊園地が一気に光に彩られる。
「う…わ、……すごい!」 「ツナにこの景色をプレゼントしたくてな。 「…はい!」
感動しすぎて言葉が出ないツナをディーノは満足そうに見つめる。
「…ディーノさん、ありがとうございます」 「これでもツナへのプレゼントにしては控え目なつもりだぜ?
ツナを抱きしめ耳元で囁く。
「…」 「ツナ?」
反応の返ってこないツナの顔を覗き込もうとしたら
「ディーノさん…オレ、本当になんて言って良いか…。
何度も軽く触れてくる唇にディーノは 普段は恥ずかしがって好きだというのも、キスするのも全部ディーノからだったのに、 暫くしてツナからのキスが止むと、今度はぺたりと密着してくる。 そんなツナの表情に愛しいと思うと同時に、抱きたいと思ってしまうのは大人の勝手なんだろう。 この場で抱いてしまいたいという思いを何とか抑え付け
「オレもツナが好きだ。いや、好きなんて言葉じゃ表しきれねぇな。 「…勿論です!」
光に彩られた夜景の中、二人は永遠の愛を誓う。 反省 |