「10代目、こちらにいらしたのですか。上着も着ないで外に居ると冷えますよ」 「あちゃー…もう見つかったか」 「リボーンさんが怒ってましたよ。今日中に片付けないといけない書類があるって」 「わかってるよ。けどさー今日くらい…クリスマスくらいのんびりさせてくれたって…」 「リボーンさんがもし10代目が何か反論したら 「うぅ…わかってるよ。でも、クリスマスくらい恋人と過ごしたいでしょ?」
ツナがチラリと上目遣いで隣にいる恋人を見上げるが、その当人は困ったように苦笑している。
「オレだって10代目で二人っきりで過ごしたいですけど…。書類片付けないとリボーンさんが本気で怒りそうでしたよ?」 「げっ、そんなに?!そこまで重要な書類なんてあったけなぁ…」 「重要と言うよりは期限がかなり過ぎていて、先方に催促されているようですね」 「リボーンが持ってきた話なんだから、リボーンが片付けてくれれば良いのに」
頬を膨らませて怒る姿は、とてもじゃないが20歳を過ぎているようには見えない。
「オレでお役に立てるかはわかりませんが、手伝いますよ」 「本当?!それは助かるよ。デスクワークはやっぱり隼人が一番頼りになるからね。けどリボーンにばれたら後で五月蝿いんだよなー」
先月も同じように書類を溜め込んで、獄寺に手伝ってもらったのがリボーンにばれてこの年で正座して説教されたのだ。しかも年下に。
「リボーンさんならもうすぐ姉貴と出掛けるようなので、大丈夫だと思いますよ」 「うわ、ズルイなー。自分はクリスマスにデートするのにオレには休憩すらくれないわけ?」 「あー…姉貴が今日この日の為に都合がつくように必死でしたからね。 「…なるほどね。じゃあ、これ以上戻らなかったら予定を狂わせたって事で、リボーンとビアンキ両方に怒られるわけか…はぁ、戻るか」 「それが賢明な判断だと思いますよ」 「冷たいなー。オレが貴方を守りますよとか言ってくれないの?」
愛が足りてないんじゃないのと茶化して、わかっている事を聞いてみる。
「…人間出来る事と出来ない事があるんですよ。10代目だってあの二人にわざわざ刃向かおうなんて思わないでしょう?」 「…そこまで馬鹿じゃないからね。一人でも厄介なのに、コンビネーション抜群のあの二人を敵に回したら…うわ、想像したくないや」
悪寒が走りぶるりと身体を震わせる。
「さぁ、これ以上ここに居ると二人に怒られる上に、風邪引いてしまいますよ」 「わかったよ、じゃあ頑張ってやるか」 「えぇ、微力ながら手伝わせて頂きますよ。っと、その前に…」 「ん?なに…っん」
ツナが振り返った瞬間を狙って、ツナの身体を抱きしめ深く口付ける。
「ふ、あ……っ、なに、急に…」 「姉貴とリボーンさんから貴方を守るのは確かに困難ですが、オレの貴方への愛情を疑われていたようですからね」 「別に、本気で言ったわけじゃ…」 「そうですか?まだ疑われているならもっと教えて差し上げますが」 「…これ以上待たせたら二人が寝室まで乗り込んできそうだけど?」 「…それは御免ですね。仕事を終わらせてからと言うのは如何です?」 「オーケー。できればクリスマスを書類整理だけで終わらせたくなんてないから、サクッと片付けちゃおう」 「オレとしては貴方と一緒なら執務室で書類整理してようが幸せなんですけどね」 「〜っ、それはそうだけど!オレは書類と睨めっこしながらより、隼人とだけ一緒に過ごしたいんだよ」 「…わかりました」
薄っすらと頬を染めながら言うツナに、獄寺は柔らかい笑みを返す。
「あ、そうだ。先に言っておかないと、後で忘れそうだから先に言っておくね」 「何でしょう?」 「隼人、Merry Christmas!」
反省 急いで書き上げたので尻切れトンボ!日頃ここに来てくださってる方々にメリークリスマスって言いたかっただけな小説です。
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