雲雀、山本、獄寺君そしてツナの4人でひったくり犯達を全員倒した後のことだ。
雲雀がむすっとした顔でツナに向かってくる。

 

「あんなやつら僕一人で充分だったのに、余計な手出ししないでくれる?」

「てめぇー!!10代目の折角のご好意を…!!!」

「誰も助けてなんて言ってないよ」

 

あれだけの人数だったから、さすがに危ないと思って加勢したのだが…
結果はツナが擦り傷切り傷打ち身と軽症のオンパレード。

獄寺君と山本は持ち前の運動神経で少しの掠り傷と、服がところどころ破けている。
そして肝心の雲雀さんは…まるっきり無傷だ。服すら破けていないし、息も上がっていない。
これでは余計な手出しと言われても仕方ないかもしれない。
なんて考えていたら

 

「何、僕以外のやつに傷つけられてるの」

 

……うわ、何だかかなり怒っている。
いつもなら人を食ったような笑いを浮かべているのだが、今は不機嫌そのものだ。
そんなに喧嘩に加勢したのが気に食わなかったのだろうか。
まだ雲雀さんに噛み付いてる獄寺君を綺麗に無視して

 

「後で一人で神社の裏においで」

 

そうオレにだけ聞こえるように言って去って行く。

 

 

 

 

 

花火もみんなで見て、さて帰るかという話になった時、オレは適当に理由をつけてみんなに先に帰ってもらった。
獄寺君が最後まで渋っていたけど、一人で来いと言われていたし、
雲雀さんの前で群れるのはタブーだから、獄寺君を説得して渋々ながらも納得して帰ってくれた。

メインの花火も終わり祭りの賑わいも徐々に小さくなっていく。
神社の場所が屋台などがあった場所から離れているのもあるのだろうが、
神社に近づくにつれ、さきほどまでの賑やかさが嘘のようにひっそりと静まり返っている。

言われたとおり神社の裏に来たのは言いのだが、ツナを呼び出した張本人が来ていない。
境内にある明かりが神社越しにうっすらと見えるが、その頼りない明かりが逆に怖い。

 

(雲雀さんまだかなぁ…。ってか、さっき加勢したこと絶対怒ってるだろうなぁ)

 

怖いのを我慢して待っているのに、これから更に雲雀に怒られるなんて…
…待ってても来なかったからと言って帰ってしまおうか?

その時不意に後ろから腕を引っ張られる。
視界はほとんど闇に覆われていて一瞬何が起きたか理解できないでいたが、
どうやら後ろから抱きつかれているらしい。
すぐに抵抗しようとするが…

ふわっと香るこの匂いは、雲雀のものだ。

声を掛けてくれれば良いのにと思っていると、
そのままツナの体を反転させて向かい合わせにすると噛み付くようなキスをしてくる。

正面に向かい合った状態で、雲雀の片手は腰、
そしてもう片方は後頭部に添えられて口内を奥深く貪られる。
舌で唇をこじ開けてツナの口内に侵入してくる。

「ん…ふっ、ん…」


いい加減酸欠で体に力が入らなくなり
ツナが縋り付くように雲雀のシャツの胸元を握り締めると、
漸くツナの唇を解放する。


「どうして抵抗しないわけ?」
少し苛ついた声で聞いてくる

「抵抗…?してほしかったんですか?」

「違うよ。僕に抵抗なんてしたら噛み殺すよ?」

「…雲雀さん、矛盾してますよ…」

「…そうじゃなくて、何でこんな暗闇の中、突然抱きつかれて抵抗もしないわけ?
さっきの今なんだから変な輩かもしれないでしょ。
何で君はそんなに危機感がないのさ」

「だって、雲雀さんだって気付きましたから」

 

だから抵抗はする必要がなかったのだと当たり前のように言うツナ。
少し面食らう雲雀だが、すぐにいつもの表情に戻る。

 

「気付いたってどうやって?足音や気配は消してたから、鈍くさい君が気付くとは思わないけど」

「鈍くさっ……確かに気配とかはわかりませんけど、匂いでわかりましたよ」

「匂い?僕は別に香水なんてつけた覚えはないよ」

「香水とかじゃなくて…何ていうかその人特有の匂いって言うんですか?
…抱きしめられた時に雲雀さんの匂いがしたから。それに…えーと…」

「それに、なに?」

「んと…雲雀さんの唇の感触とか、抱きしめられる感覚とかも…覚えてるから……」

「!…ふーん、身体が覚えているんだ」

「か、身体って…!」


そこまで言うと、ツナは暗闇でもわかるくらいに真っ赤になる。
時々大胆なことを当然のように言ってくる癖に、
こちらから揶揄するようにからかうと可愛い反応が返ってくる。

「それにしても匂いね…。自分の匂いなんて、自分ではわからないから盲点だったかな」

そう呟くとツナを抱きしめてくる。
そしてツナの首筋に綺麗な顔を近づけてきたかと思うと
くんくんと匂いと嗅ぎ始める。
首や頭、それに胸に。

 

「ひ、雲雀さん!ちょっ…!」

「抵抗したら噛み殺すって言ったでしょ?」

 

丁度目の前にあった耳たぶにかぷっと噛み付く。

 

「ひゃっ」

「ふ〜ん?ここが気持ち良いんだ」

 

ここはどうだろうねと言いながら、
鎖骨や肩、唇に噛み付いてくる。

 

「あ、ぅ…ん…やだ、雲雀さん…!」

「抵抗しないでって言ったでしょ?僕以外のやつにこんなに傷つけられて」

 

雲雀の瞳がぎろりと怒気を含んでツナを睨む。
先ほどの喧嘩でつけられた擦り傷や切り傷を丹念に舌で舐めて
打ち身など痕が残っている所には軽く噛み付いて自分の痕を残して行く。

 

「どうして加勢なんてしたの?そのまま逃げればよかったのに」

「そりゃ、確かに加勢なんて必要なかったかもしれませんけど、
でもあんな人数だったから…心配で」

「…余計なお世話だよ。それで助けに入った君がこんなに傷ついてたら意味ないでしょ」

「オ、オレは…最近打たれ強くなってきたから、こんな怪我くらい大丈夫なんです」

 

好きでなったわけではないが、日常的に爆発に巻き込まれたりしていると
掠り傷や擦り傷なんて気にもならなくなる。

 

はぁと雲雀が小さく溜息をつく。

 

「本当に君は鈍いよね…僕が嫌なんだよ。君が傷つけられるの」

「え?!」

「なに驚いてるのさ」

「いや、ちょっと…雲雀さんがそういうこと言うのって、意外だったから…」

「…失礼だね。いくら僕でも大切に想っている者を傷つけられたら怒るよ」

「…ぇと、あの………」

 

思わぬ雲雀に告白に何て返していいかわからず、ひたすら赤面していくツナ。

 

「弱くはないだろうけど、強くもないんだからあまり無茶はしないでくれる?
…わかったら、返事」

「は、はい!」

「良く出来ました」

 

そう言ってふわりと笑い頭を撫でてくる。

いつもは人を食ったような笑いしか浮かべない癖に、
たまに見せるこんな綺麗な笑顔にツナはどうして良いかますますわからなくなる。
暫く頭を大人しく撫でられることに身を任せるが、
何だかこのままなのも癪に障るのでちょっとだけ意趣返しを試みる。

 

「でも、雲雀さんと初めて会った時に殴られた時の方が、よっぽど大怪我でしたよ」

 

が、そこは雲雀。

 

「僕が傷つけるのは良いんだよ。君は僕のモノだから。
だから、僕の許可なく他のやつらに傷つけられたり…触れられたりするのは駄目だからね」

「なっ…なんですか、それは?!」

 


文句でもあるのと言わんばかりの表情の雲雀に
横暴だとは思いつつもほんのちょっとだけ、
雲雀なりに大切に想っていてくれているのがわかって嬉しいと思ったのは内緒の話。

 

 

 

反省

やっと念願のヒバツナがかけましたー!!!本誌であんな展開になったものですから、触発されてしまいました。
ジャイアンのような我侭雲雀を書こうと思ったのですが、やっぱり甘い話しか書けませんでした><
鬼畜とか書いてみたいなぁ。鬼畜ネタは雲雀以外ではなかなか想像できませんから。
本誌でももっとヒバツナが活躍できたら良いな…!

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