「壊してからつれていく」
「獄寺君!しっかりして、獄寺君!!」
「無駄だよ、その怪我で起き上がれるわけがないよ。
それよりも…君がファミリーのボス?とてもそうは見えないけど…まぁ、いいや。
聞きたい事があるから教えてくれる?…嫌 でも喋ってもらうけど」
「10代目に、触れるな…!」
「へぇ驚いた。それをくらってもまだ立ってくるなんてね」
でも…と呟き、ヨーヨーを獄寺の腹部目掛けて投げ付ける。
「ぐっ…!」
「獄寺君!」
「じゅ…い、め…逃げ…」
既に立っていられないほどの怪我でその場に倒れこむ。
だが必死に声を振り絞ってツナへ逃げるように言う。
「しぶといな…これ以上抵抗されても面倒だから、とどめを…」
獄寺に向かってヨーヨーを構える千種の前に、恐怖でガタガタと震える体を叱咤激励しながらツナが立ち塞がる。
「これ以上、獄寺君に酷いことしないで!」
体と同じように声も震えているが、目だけはしっかりと千種を睨み付けている。
「君の言う事を聞く理由はないけど」
「…これ以上彼に危害を加えたら、君が知りたがっている情報を教えないよ」
「別に喋ってくれなくても、力づくで喋らせるからかまわないよ」
「オレが死んでも聞けるならどうぞ」
『!?』
千種は愚か、獄寺も驚く。
「貴方が用あるのはオレなんでしょ?
目的であるオレが自殺するようなことになったら君が困るだけだよ。
怪我人相手に暴力ふるって、その結果オレを失うのは得策じゃない…よね?」
「…たかが部下一人の為に死ぬつもり?」
「悪いけどオレはあくまでもボス候補だから、獄寺君はまだボンゴレの部下じゃないよ。
けど大切な人だから、これ 以上の暴力は許さない。
…って言っても喧嘩で勝つ事はできないから、脅すくらいしかできないけどね」
そういって苦笑するツナを千種は暫く観察していたが、構えていたヨーヨーをおろす。
「わかった…。君が大人しく着いてくるって言うならそっちの条件を飲もう。」
さすがに無駄な事で時間をとられて、これ以上の血を流すのは得にならない。
「10代目…ダメです……!」
血まみれになりながらも起き上がろうとする獄寺をツナは近寄って支える。
「これしかないから、オレ行くよ」
「あんな奴、オレが、すぐに…」
ツナはふるふると静止の意を込めて首を振る。
「ダメ。今回の事はオレに売られた喧嘩だってリボーンが言ってた。だから、オレが首謀者に直接会ってくる」
「危険、過ぎます」
「もう、決めた事だから」
10代目は普段は庇護欲を掻き立てられるのに、何でこんな時だけ意志が強くなってしまうんだろう。
大きな瞳には揺るぎ無い決意が伺える。
止める事も守る事も叶わない自分の不甲斐無さが腹立たしい。
「さて、僕もあまり余裕がないから早く来てもらおうか」
「…わかった。その前に救急車を…」
「悪いけど、そこまで時間をあげる気はないよ」
「でも…!」
「そこらへんに居る人が呼ぶよ。それでもまだ文句があるようなら…」
不穏な動きを見せる千種に、ツナは仕方なしに頷く。
先に歩き始める千種の後をツナが追おうとすると、獄寺がツナの服を引っ張って
「絶対に…追いつきますから…!」
だから無事でいてください。
そう想いを込めて見つめる。
伝わってきたその想いに、ツナがこくりと頷く。
そして獄寺にふわりと軽いキスを送ってその場に寝かせる。
「…大切ってそういう意味だったんだ」
「…」
千種の問いに沈黙をもって肯定の返事を返す。
「別に、どうでもいいけど…っ!」
出血のあまりふらついた体をツナが支える。
可笑しなものでも見るかのような表情をしている千種に気付いてツナはボソリと呟く。
「途中で倒れたからさっきの約束、反故にされたら困るから…」
「…本当にボスらしくないね」
反省
獄ツナと見せかけて獄ツナ←千種になってしまいました。千種の喋り方が適当です(いつも全てが適当ですけど)
この後獄寺が当然のように復活して、雲雀も復活。んで、山本とディーノも参戦して骸達をぶちのめす展開を希望…!!!
ってか、骸×ツナは結構見かけますけど、千種×ツナなんて異色すぎて見かけませんね(アイタタタ)
まぁ、辺境のサイトなのであまり多くの人の目には触れないからいいか…。