人込みから段々と離れていって、ちょっとした山になっている神社の階段を上っていく。 途中、階段から脇道に逸れて行くと、そこには大きな木があった。
「さ、着きましたよ。10代目!」 「ここがそうなの?」 「えぇ、正確に言うと木の上からですが」 「え!でも・・・オレ浴衣だから木に登れるかなぁ」 「その辺は抜かりないっスよ。ちゃんと昨日のうちに縄梯子かけておきましたから」 そういうと、獄寺はスルスルと木に登っていき、本当に縄梯子を下ろしてきた。 「うっわぁ〜、良い眺め!ここなら花火が良く見えそうだね!!」 「気に入って頂けましたか?」 「もちろん!こんな特等席だと思って無かったよ!!」
二人は大きな木の枝に座っている。樹齢がもう千年を超えているような、大樹。 その時ヒュルルルル〜という音が聞こえドォンという腹に響く衝撃と共に目の前の夜空に花が次々と咲く。
「ふわぁ〜・・・本当に綺麗だね」 「・・・オレも、ここまで見事に見れるとは思ってませんでした。」
またヒュルルルル〜と独特の音。 うっとりしたように、言葉もなく花火を見てるツナ。そんな無防備な姿を見て獄寺は可愛いなぁとか、ツナが知ったら怒りそうな事を思う。 だが、それも仕方がないだろう。後ろから抱き込んでいるせいで、獄寺の目の前には白く眩しいツナの項。 そんな状態で、好きな人を目の前にして何も思うなと言う方が無理である。 ツナは花火に夢中になっていて自分では気付いていないが、腰に回された獄寺の手を、小さい手でキュッと握り締めているのだ。
「ん?あれ・・・獄寺君、手どうしたの?」 「・・・?手、ですか?」 「うん、何かカサカサ・・・あっ!怪我してる」 そんなに目立つ怪我は無いものの、両手には無数の赤い線が走っている。 「あ、これですか。大丈夫ですよ、全部すり傷ですから」 「まさか、さっきの喧嘩で・・・?でも、もう乾いて瘡蓋になってるね」 「今日の喧嘩が原因じゃないっスよ」 「じゃあ、どうして?獄寺君が怪我してるなんて・・・何かあったの?」 「いえ、そういうわけでは・・・え〜と、ちょっと・・・」
純粋に怪我の心配をしていたツナだが、曖昧な返答しか返ってこない上に何か隠し事をしているようで少しムッとくる。
「ふ〜ん、別に言いたくないなら良いよ・・・」 頬をぷくっと膨らませて拗ねるツナを見て、獄寺は慌てる。 「!いや、あの言いたくないわけじゃなくて」 「無理しなくて良いよ」 「あの、ただ、ちょっとその・・・格好悪いので、なるべくなら10代目には知られたくなくて」 「?格好悪いこと??」 ツナの機嫌が直ったのを見て、少しホッとし、また拗ねられたら困るので素直に話す。 「あー・・・実はオレ、木登りってしたことがなかったんですよ」 「うん、・・・あれ?じゃあ、この木にはどうやってのぼ…」 ツナはそこまで言って気付く。 「まさか、木登りして出来た怪我なの?!」 「面目ないです・・・」 格好悪いところを知られてしまったと、シュンとする獄寺。 「どうして、そんな無理して・・・。花火見るのだって、違うところでも良かったのに」 「駄目です!10代目には一番眺めの綺麗な場所で見て欲しかったんです!」 「オ、オレの為?」 「だって、付き合い始めてから、初めて、やっと二人っきりで出かけられるチャンスだったんですよ! 「もう、ホントに獄寺君ってば・・・バカなんだから」 ツナにバカと言われて益々ショックを受ける獄寺。 「!!じゅ、じゅうだい、め?!何を・・・」 「治療」
ニコリと可愛く笑って、獄寺の傷を一つずつ丹念に舐めていく。 ペロペロと獄寺の手を舐めていたツナの首筋に噛み付くようにキスをする。
「ん、んぅ・・・は、ふぅ」
舌が絡まりあって、くちゅっと卑猥な音が耳に響く。 獄寺の口から開放されたツナの口から、甘い声が聞こえる。
「あっ、やぁ・・・だめぇ!何か、へん、あ、あぁ・・・」 「気持ち良いですか、10代目」 「ふぅっ、ん、や・・・!」
胸をいじっただけで、乱れているツナを見て、獄寺はゴクリと生唾を飲み込む。
「ひ、やぁっ・・・だ、だめぇ!」
引きつったような声を出すと同時に白い液を獄寺の手の中に吐き出す。
「や、なに?!」
信じられないことに、先ほどツナが放った精を後孔に塗って、指を浅く差し入れ始める。
「やだ、止めてよ!そ、そんなところ・・・汚いか、ら・・・ん、抜いてぇ・・・や、だぁ」 「すいません。ですが、もう我慢できなくて・・・。汚くなんてありませんよ。それに慣らさないと10代目が辛い思いをしてしまいます」 「んやぁ・・・ふぅ、ん・・・あっ!」
最初は異物感しか感じなかったのだが、少しずつジリジリと背中を上ってくる熱。
「ここが良いんですか?」
ツナが反応をした場所を、執拗に指で円を描くように押し広げる。
「10代目、力抜いていてくださいね」
獄寺は肉壁を押し広げていた指を抜くと、ツナの痴態を見てすっかり反応していた自分のものをツナの後孔に押し当てる。
「あ、あぁ・・・そ、んな、の、はいんなぃ・・・!」
熱くてドクドクと脈打っているものが、狭いツナの中を押し進んでくる。だが、いくら慣らしたといってもまだギチギチと獄寺を締め付ける。
「あ、んぅ・・・あぁ!!」
ツナの身体から力が抜けた瞬間、獄寺は一気に奥まで突き上げる。
「っは、す、げ・・・食いちぎられそ・・・。っ、10代目、力、抜いてくださいっ!」 「やあ、で、きない・・・無理ぃ」
獄寺の膝の上に乗っている形となっていたので、ツナの中の獄寺はそのまま重力に従って、更に更に奥へと沈んでいく。
「動きますよ、10代目」
ゆっくりとツナの太ももを抱えて腰に手を沿え、上下に動かす。力なくクタッとなっているツナとは正反対に、
「も、むり・・・あ、あ」 「っ、オレももう限界です・・・!」 獄寺はギリギリまで引き抜くと、最奥まで一気に穿つ。 「ああぁ・・・!!!」 ツナが一際高い声を上げると、中の締め付けが一段ときつくなる。 「っ・・・くぅ!」 その動きに促されて獄寺もツナの中に精を放つ。 「獄寺君のバカバカバカ・・・!」 「す、すいません。どうしても我慢できなくて」 「だからってこんなところで、あ、あんなこと・・・!しかも浴衣どうするんだよ?!
ツナの今の格好は、浴衣は肩から落ちて胸が見え、下もかろうじて掻き合わせている状態だ。 またツナを抱きたい衝動に駆られるが、ツナがどうやって帰ろうか悩んでいるので
「着付けなら、こういうこともあろうかと練習してきたので出来ますよ!」
と、ツナの機嫌を回復しようとして言ったのだが・・・
「こういうこともあろうかと・・・?ってことは、獄寺君は最初からするつもりだったわけ?!」 「あ、いえ、そんな最初からそう思ってたわけじゃなくて・・・。でも、できたら良いなとは・・・」 「っ信じられない!!もう獄寺君なんて知らない、バカ!!!」 「!」
念願のツナと身体を重ねることが出来た獄寺だったが、これから一ヶ月間ツナに何を言っても全く反応してもらえず、涙するのはまた別の話・・・。 反省。 追記 |