「10代目、ご飯できましたよー」

 

キッチンからひょいと顔を出してツナに声をかけるが返事がない。
先程まではテレビを見ていたはずなのだが、テレビの前にも座っていない。
トイレかと思ったがそれなら戸の音で気付くはずだ。何処に行ったのかと思ったら…ベッドの上ですやすやと寝ていた。
せっかく10代目が来たのだからと、気合いを入れて作った為に待たせ過ぎたようだ。

起こそうとベッドに近付くと寝返りをうったせいかブランケットはすでにかかってなく、シャツが捲れて白い肌が目に映る。
思わずごくりと喉が鳴るが、気付かないふりをして肩に手を掛ける。

 

「ん…やぁ…」

 

妙に鼻にかかったような色っぽい声がツナの口から洩れ、獄寺は反射的に手を退ける。
ツナが寝返りをうつと今度は鎖骨から胸元の際どい位置が見え隠れする。

獄寺はツナの事を慕っていた。10代目としても、一人の人間としても。
いくら見た目が愛らしくても、沢田綱吉は正真正銘男である。
最初の頃ツナを見てドキドキするのは、一人の人間として憧れてだと思っていた。いや、そう思い込もうとしていたのかもしれない。
けれど日増しにその想いは激しくなり、体育の時などに着替えを見ては妙な気分になることが多くなった。
確信したのはそんな自分でもわからない感情が数日と続くようになったある日の朝だった。

 

10代目の夢を見て起きた朝。爽やかな天気とは裏腹に獄寺は呆然としていた。
獄寺も年頃の健全な男だ。朝起きて、夢精していた事は何度もあった。だが、今朝見た夢は…自分がツナを抱いているという夢だった。

 

夢の中でのツナは一糸纏わぬ姿で獄寺に組み敷かれていて、頬を桃色に染め獄寺を求めてきていた。
夢の中の獄寺はそれを愛しそうに見つめて、何度も何度も、飽きる事無く抱いていた。
そこで起きたが、心は幸福感に包まれていて、下半身には未だ燻った熱。
獄寺は自覚した。性的な対象として見て、好いている、と。

 

男同士だから報われる事はないとわかっている。けれど、成長してしまった想いは簡単に消せない。
未来のボンゴレのボスに部下が、しかも男が懸想するなんて許されないことなのはわかっていたが、
忘れようと思えば思う程想いは強くなり、前以上に好きになっていく。

 

そんな状態の自分に今のツナは目の毒以外の何者でもない。変な気を起こす前に起こさなければ。
だが、既に遅かったようで…手はツナの露になった白い素肌へと伸びていく。

標準より小柄なツナだったが、触ると程よく柔らかく、そしてとても滑らかな触り心地だった。
脇腹をつぅっとなぞるとツナは少し眉をしかめたが起きはしなかった。

シャツのボタンを一つ一つ外していくと、白い肌に淡く桜色に色付く胸が目に入る。
ツナが起きそうにないのを確認してから、胸に手を伸ばす。
刺激が過ぎないように軽く摘んで指の腹でこねていくと、ツナの口からは時折熱い吐息が洩れ始める。

ピンと勃った胸に調子に乗り、右手をツナの股間へと這わせる。布越しに輪郭をなぞるようにゆるりと撫でる。
段々と硬度が増してくる事に獄寺自身も興奮して、下半身に熱が集中してくる。
これ以上は駄目だと頭ではわかっていても、手の動きは止まる素振りすら見せない。

 

「んっ…あ、れ…ごくでら、くん…」

「!」

 

獄寺の動きが固まる。
ツナは寝起きのボーッとした顔で、ムクリと起き上がると自分の下半身を見て固まった。

 

「…なに、これ」

 

嫌われる、軽蔑される。何か言い訳はないかと探すが、勉強はよくできるはずの頭はちっとも働かない。

 

「10代目、あの、オレ…!」

 

どうしようとしたのかは自分でもよくわからないが、とにかく何か言わなければと思ってツナの両肩を掴む。

 

「やぁっ、ん…」

 

何とも艶めかしい声がツナの口から聞こえた。様子が何やらおかしい。獄寺が触れた両肩を自分で抱くようにして俯いている。
もう一度静かに触れると、今度は声は出さなかったもののビクンと過剰なまでに反応を示す。

 

「10代目…?」

「ご、獄寺君。どうしよ、オレ、オレの身体なんか変だ…」

 

泣きそうな顔で獄寺を見上げてくる。
獄寺はまさか…と、ある考えが浮かび上がってくる。

 

「…変ってどういう風にですか?」

「身体が熱くて…その、あの…」

 

もじもじと両足を擦り合わせるようにして、言い難そうに俯いていく。
チラチラと獄寺に視線は送って来るものの、その続きは言えないようで黙りこんでしまう。

 

「…10代目は、その…自慰とかしたことないんですか?」

「じ、い…?なにそれ?」

 

初めて聞いたとばかりの顔をしているツナ。

 

「ここを触ったりしたことはないんですか…?」

「ひゃっ!や、ん…何するの?!」

 

獄寺は不意にツナの股間に触れたのだ。
ツナの身体には爪先から頭にかけて電流が流れたような刺激が走る。

 

「気持ち良いでしょ?」

「わっ、わかんなぃ…止めて…!」

「止めても良いんですか?」

「え?」

 

ツナの言ったとおり手を離す獄寺。ツナは獄寺を見つめるが、やがて赤面してまた足をもじもじと擦り合わせ始める。
獄寺はニコッと笑うと、ツナに諭すように話しかけてくる。

 

「辛いでしょ?10代目、ここがこんなになるのはおかしな事ではないんですよ。二次成長を迎えた男なら皆なりますから」

「そうなの?獄寺君も??」

「えぇ。ですから、何もおかしくはないんですよ」

 

ホッとした表情を浮かべるツナだが、すぐに困惑したように視線で問いかけてくる。
獄寺は優しい笑顔を浮かべてツナに促す。

 

「あ、の…これ、どうしたら元に戻るの…?」

「簡単ですよ」

 

そう言うとまた手をツナの股間へと伸ばす。今度は先程よりも激しく動かす。

 

「あっ…あ、やぁっ…」

 

獄寺の手の動きに合わせて、ツナの口から切なげな声が洩れる。
獄寺はツナのズボンと下着を一気に脱がす。

 

「えっ?ちょっ、獄寺君…!あっ、だ、めぇ…!」

「直に触れる方が気持ち良いでしょ?すぐ楽になりますから…」

 

獄寺が言ったとおり、すぐにツナは獄寺の手の中で達する。
肩で荒い息を吐きながらツナはぼんやりとしていたが、獄寺の手が白く濡れているのを見てギョッとする。

 

「…それ、オレが出したの?」

「そうです。気持ち良いと出るんですよ。それにしても…学校の保健の授業で習いませんでした?」

「保健の授業の時、骨折して入院してたから…」

「そうだったんですか…」

 

暫く沈黙が流れるが、獄寺の頭は今までにないくらいフル回転をしていた。

獄寺の予想通り、ツナには性的な知識が全く無かった。
ここまでしても嫌悪も軽蔑もされていない。
どうする?こんなチャンスは二度と、ない。
獄寺は罪悪感や、後で軽蔑されるかもしれないという思いを振り切って決意する。

 

「10代目、もし…宜しければ、オレがこれからも保健教えて差し上げましょうか?」

「え…?」

「今回みたいになった時、どうすれば良いかとか…知りたくないですか?」

「でも…迷惑じゃないの?オレの…その、…触ったりとかして…」

「いえ、全然。むしろオレは10代目に教える事ができて嬉しいですよ。
それに、こういった知識はオレら位の年代なら皆知ってます。…10代目だけ知らないなんて、嫌ですよね?
オレが自慰やそれ以上のこと全て…10代目に教えてあげますよ」

 

確かにツナのクラスでもたまに猥談とかを言ってる男子が居るが、ツナはその会話のほとんどをわかってはいなかった。
けれど、皆が当たり前のように言っている事を知らないとも言えず、適当に他の人と同じように笑って誤魔化していたのだ。

今でこそ皆と普通に話しているけど、少し前まではダメツナと呼ばれ皆に敬遠されていたのだ。
一度、皆と一緒に居る楽しさを知ってしまった以上、また前のようになるのは嫌だった。

ツナはこくんと頭を縦に振る。

 

「じゃあ…お願いしても、いいかな…?」

「もちろん良いですよ、10代目…」

 

叶わないと思った願いだった。
そして、もし自分のしている事が異常であるとばれたら取り返しのつかないことになるだろう。
けれど、どうせ叶わぬ願いなら…せめてこの子供騙しな嘘がばれるその日まで、触れる事をどうか許して欲しい。
嘘がばれて貴方がオレを望まなくなる、その時は…。

こうして、暗く思い詰めた獄寺と、何も知らない無垢なツナとの奇妙な関係が始まった。

反省
そんなわけでまたも連載。今回は純粋培養なツナを獄寺が性教育してく…ってな感じの話。
オチはシリアスと甘々なのを考えているので、その時に気分でどっちかになるかと思います。
タイトル最初は「調教」とかにしようと思ったけど、あんまりにもアレなんでこれに決定。

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