周りを海と森に囲まれた街、ヴェルダン。
ヴェルダンの近くの森には昔から吸血鬼が住んでいた。
名はヒバリ。
いつからいるか…すでに記憶している人間は絶えている。
森の奥深くにさえ入らなければ害はなかったが、吸血鬼が近くにいれとなればそれだけで気味が悪い。
幾度となく退治しようと何人もの人が向かったが、全員物言わぬ者となって帰ってきた。
何故未だに退治されないかと言うと、理由は今から数百年程前に溯る。
ヴェルダンの街は周囲のほとんどを海に囲まれている。
他の街から食料などを仕入れる時は、月に数回海を挟んだ向こうにあるアグストリアという街から船を使って仕入れていた。
陸路もあるにはあるが、街までかなり遠回りになる上に、吸血鬼の根城がある森を通らなければならない。
故に陸路は使われる事は全くなかった。
ヴェルダンでは主に海でとれる魚などで自給自足の生活を送り、森の近くにある大規模な葡萄園で大きな利益を得ていた。
その葡萄園に目をつけたのが、森を隔てた向こう側にあるマーファという街だ。
マーファは領地が広大だが、土地は痩せていて作物はとれず、海も潮の流れが速くて魚もほとんどとれない。
そこで森の向こうにある葡萄園を所有しているヴェルダンを支配下に置こうとしていた。
ヴェルダンの街の者達は葡萄園が出来るまでは慎ましい暮らしをしていて、領地を巡って争ったり、何かを奪う為に戦った事なんてなかった。
争いは圧倒的にヴェルダンが不利だった。
なす術もなく、黙って奪われるしかないと諦めていた時。誰もが予想しなかった事が起きた。
森に侵入してきたマーファの人間をヒバリが皆殺しにしたのだ。
最初は果敢に攻め込んで来ていたマーファだったが、ヒバリは桁外れに強く、更に、森に住むコウモリや狼を使役してまるで歯が立たなかった。
それ以降、ヴェルダンとマーファ、そしてヒバリの奇妙な均衡が保たれている。
マーファにとっては苦い歴史となり森に入る事を禁じ、ヴェルダンでは気味が悪いものの、森にさえ入らなければ外敵から町を護る最強の守護者となる。
ヒバリも自分が住んでいる森深くまで入ってこなければ好んで人を殺したりするということはなかった。
だが、その暗黙の了解を破って侵入してくる者に容赦はしなかった。
時は流れて
ヒバリの存在が伝説や迷信だと言われる様になる頃。
1人の少年が、ヒバリと出会う事になる。
永久の時を過ごしてきたヒバリの運命が大きく動き始める。
反省
うわ、なんだこりゃ。すっごい中途半端な上に(理由は拍手レスの方にて)ゲームに影響されすぎ(汗)
と、とりあえずはアップしておきますが、ちょっとそのうち消すか大幅修正するかしますね(汗)
きちんと考えてから打たないのは自分の悪い癖だと自負してます(土下座)