女装ネタなので、苦手な方はお戻り下さい!
バッチ恋な方はスクロール!
前半は私の拙い文章なので、イラストだけ見たい方は一気に下までスクロールしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば10代目。いつにしますか?」

「何が?」

 

執務室に来た獄寺が、ツナがうんざりするほどの書類を追加しながら、唐突に聞いてくる。
獄寺は近年では滅多に見る事が無くなった緩んだ笑顔を振りまいている。

はて、獄寺がここまで機嫌が良くなるような事があっただろうか。
どこかの大きな組織を傘下に置いただろうか?いや、ここのところ表面上は平和だ。
いつと聞いてきてるのだから、誰かと会う約束でもしていただろうか。いや、覚えがないし、なにより獄寺がこんな笑顔になる理由がない。
答えに窮してると、獄寺が更なる笑顔で告げてくる。

 

「式ですよ!日取りはいつがいいっスかね?」

 

ツナは思わず右から左に抜けていきそうになった言葉を反芻する。

式。日取り。

 

「あ、でも同性同士の結婚は限られた場所でしか挙げられないので、本部を挙式の時に幹部達が揃ってと留守にするのはマズイっスよね」

 

婚姻。挙式。

ツナは意識を手放したい気分になった。

 

 

 

 

 

「本気だったんだ…」

「当然じゃないですか!オレが冗談でそんなこと言うと思いますか?」

 

言わないから困ってるんだけどね…。遠い目をしながらツナは心の中でひとりごちる。

 

別にツナだって嫌なわけではないのだ。
獄寺の事は一人の人間として愛してるし、指輪も御互い皆から見えないようにチェーンに通して常に肌身離さず持っている。
けれども流石に皆が見てる前で、神に永遠の愛を誓うのには少々抵抗がある。
今更という気持ちと、きっと獄寺がやろうとしている挙式はかなり大々的なものだろう。
正直そんな大勢の前でやるのはどうにも肩が凝りそうだ。やるなら知り合いだけを呼んだ簡素なものでいい。それに…。

 

とりあえずこうなった獄寺を止めるのは至難の業なので、簡素な式という妥協案を出すが、獄寺は猛然と反対した。

 

「何をおっしゃるんですか!貴方は今や知らない者はこの国には居ないほどの方ですよ!
そんな人の結婚式が身内だけの簡素な結婚式にするなんてできません!」

 

熱弁する獄寺に、ツナは渋面をつくる。途端に獄寺の顔は曇り一気に不安そうになる。

 

「嫌、なんですか…?」

「そうじゃないよ。ただ…ちょっと心配なだけ」

「そんなものオレが解決してみせますよ!」

「確かに獄寺君なら大丈夫だとは思うんだけどね…。獄寺君はオレと結婚するって意味、きちんとわかってる?」

「意味、ですか?」

「さっき獄寺君自身も言ったけど、イタリアでオレの事を知らない人は居ないだろうね。
色々な意味で有名だから。そんなオレと右腕である君が結婚したら、間違いなく君は今まで以上に狙われる事になるよ。
ボンゴレの幹部であり、オレの伴侶となれば、オレの弱点にもなり得るし。
だから…君が今よりも危険に晒されるなら、この結婚の話に簡単に頷く事はできない」

 

暫く惚けたようにツナを見ていた獄寺だが、まるで叱られた子供のような顔になる。

 

「申し訳ありません…!10代目はオレの身を案じて下さっていたって言うのに、オレは自分の事しか考えてませんでした…!
皆の前で正式に伴侶として認められたら、他の奴らが10代目に手出さなくなるとか、今よりも10代目がオレの事好きになってくれるとか…
そんな自分勝手な事しか考えないで、10代目の気持ちを無視して押し付けてしまいました…!!!」

 

顔が見えなくなるほど深く頭を垂れる獄寺に、ツナは優しく話しかける。

 

「ううん、謝る事はないよ?オレだって獄寺君を自分のものだってみんなに見せつけてやりたいって思ったんだし。
だから…結婚式は挙げたいんだ。けど、皆を呼ぶのは止めて内々だけでやらない?」

「…!は、はい!!!ありがとうございます、10代目!愛してます!!!」

「わっ、ちょっ…もー、本当に獄寺君ってば…」

 

 

 

 

式当日。ニコニコと笑顔を浮かべた二人が新郎新婦の控え室で対峙していた。
片方は引きつった笑顔で脂汗がダラダラと滴りそうなほどの男。
もう片方はとても綺麗な笑顔だ。そう、完璧すぎて隙が無いほどの…。

 

「で?何か言いたい事はあるかな」

「お、落ちついてください、10代目!これには深い訳がありまして…!!」

「うん。落ち着いてなかったら話なんて聞かずに暴れてるよ?」

 

ニコニコ。ダラダラ。

 

「えーっと…実は、ハルに衣装の事は全て任せたんですよ。
そしたらハルが『当日ツナさんをビックリさせちゃいましょう!』って言ってこんな事に…」

「獄寺君」

「は、はい!」

「何か、隠し事してない?」

「やっ、あの…そんな、事は…」

「これからオレ達は神の前で永遠の愛を誓うのに、隠し事なんてしたままで夫婦になるつもり?」

「うぅ…、すいません!本当はオレがハルに頼みました!」

「はぁー…やっぱりね。もしこれがハルの仕業だったら今頃ウキウキしながらメイクしに来ると思うよ?」

「…しまった!何か足りないと思ったらメイクだったか…!あっ…」

「獄寺くーん」

「す、すみません…。あの、こちらに普通の男物があるので…」

「そんな泣きそうな顔で言わないでよ…。あーもーわかったよ!これ着れば良いんでしょ?着れば!」

「え?!よ、よろしいんですか??!」

「露骨に喜ばない!…もうヤケだよ!!!」

 

 

 

「幸せにしてくれるよね?」

「…勿論です、10代目!オレを伴侶に選んだ事を後悔させたりするような真似は絶対にしません…!」

「ありがと…愛してるよ、隼人…」

「10代目…!」

 

互いを愛しさに満ちた目で見つめ、二人だけで神に誓うより先に静かに誓いを立てる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけで本当に図々しいにもほどあるってくらいのことやらかして貰いました!←すんごいストレートに嫁にくださいと言った人間(死)
純さんありがとうございます!
ツナを嫁にもらったので、代わりに私が純さんの所に嫁に…あ、痛い、石は投げないで…ぎゃーっす!

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