「いつからそんなに心配性になったんだ」
困ったように貴方は言うが、それは仕方の無い事だと早く理解して欲しい。
随分前から気付いている。
貴方がいなけりゃ生きてはいけない。
俺がいなければ生きていけない貴方に成り下がってしまえばいいと
そうすれば貴方の全部を好きなように出来るのに
そんな衝動に頭の中を支配されることもあって
けれどそんな貴方に俺が微塵も心惹かれない事も事実だ。
俺は貴方が俺の足下にひざまづく日を心の何処かで願い続け、
その日が永劫やって来ない事を神に願い続ける。
支配欲と庇護欲を駆り立てる貴方を俺自身が支配し、庇護する様になった時、
それが貴方と俺の別離の時だ。
独りの時間にはいつもこれから先在り得ない事を憂う。
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