恋愛って、そのものが楽しいってのもあるけど、それを誰かに話すのも、結構楽しいよね? 特に女って、男の人と比べたら、話したがりな傾向にあるでしょ? まあ、嫌ってほどそういうの聞いてるとは思うけど。 もしも誰にも話せなかったりしたら、楽しさ半減…て言うより、ちょっとツライかもとか思わない? ああ、違う、違う。不倫とかそういうのしてないから、心配しないで? それにわたし話せなくてもそんなにツライわけじゃないのよ。ツライとしても、ちょっとよ、ちょっと。 でも、今は言わなくちゃいけないって言うかなんて言うか…(汗) 言ったフリしてとぼけるって手もあるかもだけどバレそうだし…って、まあそれは置いといて。 そもそも、彼とわたしの関係そのものがある種間違いと言うか…。 いや、ある種じゃなくて、存分に間違ってるのはわかってるんだけど。 好きなものは仕方ないってこの際開き直ってもいい? わたしね?実は、うちの学校の生徒とつき合ってるんだ。 あ。やっぱり驚くよね。わたしも自分の勇者っぷりにちょっとだけ焦ってる(笑) 学校の誰かに知られたら大変って思ってるくせに、たまに…ホント、たま〜にだけど、 ちょっとだけ言ってすっきりしたくなっちゃう時もあったりして。 秘密の関係って、ドキドキして楽しいけど、少し疲れるね……。 変な約束までさせられちゃうし…って、そのことは後で話すけど。 手、動かしながらで全然構わないし、適当に聞き流す程度でいいから、 今夜はちょっとだけあなたの大切な親友『ちゃん』の恋愛話につき合ってよ。 |
秘 密。
〜不機嫌な王子様〜
立場上、仕方ないって言われたらそれまでなんだけど。 誰の目も気にしないで一緒にいられて、しかもイチャイチャできて…あっ。ここ重要ね(笑) のんびり、まったりできる場所って、彼とわたしには、あんまり無いのね? わたしの部屋ぐらいしか無いって方が正解かもだけど。 それにしてもちょっと普通じゃないかもって、たまに思うんだ。 彼の名まえ、葉月珪っていうんだけど。知ってるよね? モデルなんです。 王子なんです。 一緒に歩くなんて、無理なんです、以上。みたいな。 要するに、目立ちすぎちゃって、ちょっとイタイのよ。 だって、ただでさえ教師と生徒なわけだし、バレたら大変でしょ? もうちょっと見た目薄い人だったらマシだったかもって、何度思ったことか。 しかも、始末の悪いことに、本人、自分が目立つことに無自覚すぎるところがあるから、 わたしが気をつけてないと、学校で変な汗が出るハメになることもあったりして。 ありがたいことに、毎日ドキドキなわけ。 まあ、そうは言ってもね? たまには、わたしの部屋以外の、何の心配もしなくていい場所で、デートしてみたいじゃない? そんなわけで、この前結構遠くの、とある温泉に行っちゃったりしちゃったのよ。 あそこよ。ほら。すごいカーブがずっと続く坂道でたまに猿がいたりする、結構渋いとこ。 しかも、現地集合で(笑) そこまでしなくても…とか思いつつもなんとなくね。 ご存知の通り、勇者なわりに小心者だから、わたし。 車で行って、現地で彼を乗せて、途中猿に襲撃されつつ、普通に滝とか見に行っちゃったりして。 なんかもう、いつもだったら考えられないほど楽な気持ちでいられて、ホント嬉しかったんだ。 自然っていいな〜とか、外を歩くのって気持ちいいな〜なんて、しみじみ思ったりして。 ただね?そこまでは良かったんだけど、宿に着いてからが……(ToT) 外観は立派なホテルって感じなんだけど、お風呂がとっても充実してる宿でね? 食事は個室の料亭かお部屋か選べるようになってるし、 お部屋にも檜の露天風呂が付いてたりして設備は文句ナシだったのよ。 けどね。お世話係の人がお部屋に来てくれて、浴衣の説明とかしてた時ね? あ。そこって、女の人は何種類ものかわいい浴衣とか帯とか選べるサービスがあるんだけど。 わたしが選び終わったところで、 「ご主人様の浴衣はこちらになります」 って、その係の人が彼に言った瞬間、わたし思わず焦っちゃって。 「違います、弟です!!」 とか言っちゃったのよーーーー(ToT) 一生の不覚!!大ピーーーーーーンチっっ!! 係の人はプロだから、全然気にしてない風に適当に流してくれちゃって、 用が済んだらいなくなっちゃったんだけど、なんか彼ってば、額に青スジ立っちゃってて。 わたしってホント、バカだよね? ああいう場所の人は、男女一組のお客さんだったら、夫婦扱いするものじゃない? なのに、日頃あまりにもバレないように、バレないようにってそればっかり考えてるから、 あんな時まで妙なこと口走っちゃって。 いや、流石に、 「違います、生徒です!!」 とかうっかり言っちゃわなくて良かったってちょっとだけ思ったけど(笑) 従業員の噂の的になっちゃうしね。 すっかり彼、不機嫌になっちゃって。 いっぱい謝っても、返事もしてくれないのよ。 何言っても、一瞬チラっとこっち見ればいい方で、 「・・・・・・・・・・・・・・」 こんな感じ。 もう、ホントに困っちゃって。 せっかく誰の目も気にせずに過ごせる場所に来たのに、ケンカなんてしたくないじゃない? これを言えば流石に機嫌直るだろって思って、ちょっと恥ずかしかったんだけど、 お部屋の露天風呂に一緒に入ろうって誘ったのよ。 そしたら。 「……入らないだろ。その年で弟と、普通」 とか言っちゃって。 ちょっと、いつも以上に倒置法怖いんですけど、葉月さん!!みたいな。 やっと口開いたと思ったらイヤミ炸裂なんだもん。その年言うなーーーーー!!(ToT) お色気作戦もあっさり撃沈よ。 いつまで怒ってんのよーーーーーって、ちょっと思ったんだけど。 考えたら、内緒にしなきゃいけない関係ってのもわたしの職業の所為なわけで、 それさえなかったら、たぶんもっと自由につき合えるでしょ? その意味でも嫌な思いさせてるだろうし、そこに弟発言だったから、わたしってば立場弱すぎで。 うっかり、「何でも言うこと聞くから許して?」なんて言っちゃったんだよね。 いや、2秒後にこの世の終わりみたいに激しく後悔したよ。 あの、翡翠色の目がね。キラリ〜〜ンって光ってたんだもん。 ああ、やっちゃったよ……って思った時は遅かった。 ボソボソって、言われたの。 「氷室先生と理事長に、話せよ。俺たちのこと。 それと……。………今夜、俺の言う通りにしろ。全部」 いやーーーん。わたしってば、モノマネ激うまっっ!!とか言ってる場合じゃなくて。 マジで勘弁してくださいな内容じゃない? とりあえず、後の方の詳細は聞かないで。さすがに人に言える内容じゃないから(笑) で、最初の部分なんだけど、絶対無理って抵抗したのよ。 いや、べつにね?あのふたりだったら、結構わかってくれそうな気もしなくもないんだけど。 自由恋愛推奨のはば学なわけだし。 でもそれは生徒同士の話であって、教師と生徒ってのはいくらなんでも、ねえ? だから、それだけはホントごめんなさいって必死で食い下がったの。 そしたら、罰ゲームとしか言いようが無い妙な約束を条件に許してくれたから、 まあなんとかふたりには言わずに済んだってわけ。 弟って言ったのが気に入らなかったのもあるだろうし、普段から隠し倒してるのも、 嫌だったのかもね。やっぱり。 それにしても王子って言うより、王様だろって思ったよ、今回。 恐るべしだよ…葉月珪……(汗) 温泉まで行って、楽しかったんだかなんなんだか……(ToT) え……何?罰ゲームみたいな約束?そんなこと聞きたいの? ああ、そう言えば、最初に後で言うって言ったね、わたし。 へえ…結構真面目に話、聞いてくれてたんだ。忙しそうにしてたわりに。 さすがプロだよね〜。 ああ、はいはい。約束の内容ね。 「話せるところまで、全部話せよ……と、氷室先生の親友に」 だったかな。 あ〜あ。喋り過ぎで喉渇いちゃった。これ、もう1杯作ってv 信じてるから氷室先輩には内緒にしてよね? end ────────────────────────── ええと、これはなんなんですかね……(汗) メニューに表示するお相手の名まえは、王子で良かったんでしょうか? タイトル前の部分で気づいちゃった素敵お嬢ちゃんもいらっしゃるかもしれませんが、 (最初のヒントは3行目)今回の本当のお相手は、マスタになるのかしらね…? 台詞も名まえもないけど。いや、でもつき合ってる相手は王子だし、ううむ…? 試みに、アリ●スシリーズのまん中部分だけの形式で今回は書いたのですが、 最後まで読んでも意味がわからなかった方もいらっしゃるでしょうか。 苦っ…表現能力が欠落しすぎですか……。 精進します………成長は見込めないけど(遠い目) |