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境界と策略。
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「ちょ///////ちょっと待って!!ホントに!!!」




叫ぶような声と一緒に。

オレの両肩に力一杯腕を突っ張って、彼女はオレを押し戻す。




    突然の大雨なんて、ありがちすぎるアクシデントのおかげで。



    初めて訪れた彼女の部屋で。


    今までみたいな、冗談交じりやなく、本気で。




    気持ち伝えて。



    抱きしめて。



    キスして。  



    その途中。



    オレの手が、彼女のシャツのボタンを二つ目まで外した時やった。




形だけ素直に押し戻されといて。


シュンとした振りもついでに、して。




「アカン?」



上目遣いに聞いた。


彼女は、大きく目を見開いた後、盛大にため息をつく。




「はぁ……。アカン?って、当たり前でしょ?」



困ったような、呆れたような、微妙な表情しとる。


まぁ、ほぼ予想通りの反応やな。


あっさりイケるやなんて、思てへんかったし。





    正直。彼女の気持ちに気づかんままやったら。


    今まで通り、オレはただの、ちょっと懐いてる生徒の振りでいるつもりやった。


    玉砕覚悟で気持ち伝えようなんて、これっぽっちも思てへんかった。


    ただ、思ってるだけで、報われなくても。


    かなり自虐的なやり方やけど、いつか、忘れられる日がくるまで。



    放っておくつもりやった。




    けど。


    気ぃついてしまったもんは止められへんやろ?


    なんやろな。オレ、無駄に遊んできた所為か、そっちの方の勘働きはええねん。


    まぁ、そう言うても、彼女に関しては、相当わかりにくかったんは確かやけど。


    彼女は教師で、オレは生徒で。


    少し前までは、たぶん無理なんやろな……思てたし。


    あっさりオレのこと、好き言うてくれたんは意外やった。



    ただ。


    言うてはみたものの、これ以上のことになるのは、困る……。


    今の彼女の気持ちは、そんなとこやろか?




ホンマは。彼女の言いたいことも想像できたんやけど。




「なんで?」



全くわけわからん振りして聞く。


これも、作戦のうちやし。



───────はよ、言うて?誘導するし。シナリオは完璧なんや。



そんなこと、オレは考えとった。




「なんで?じゃないでしょ?こんなの、ダメに決まってるじゃない。姫条くん、変だよ」



変て……失礼なやっちゃな、ホンマに。

まぁ、無意識に暴言吐くんはいつものことやし。ここは抑えて……。




「何がダメで、どこが変なん?」



いかにも当たり前な疑問っちゅう雰囲気で言うと。




「本気で聞いてる?」



完全に呆れた表情で彼女は続けた。




「ダメなのは、姫条くんがしようとしたこと。変なのは、しようとした姫条くん。わかる?」



彼女も、当然って口振りで言う。




───────もうちょっとや。アレを言わさな……。





「それのどこが、ダメで変なんかが、全然わからん」



今度は真剣に。逃がさんように彼女の瞳をジッと見つめて。


彼女もオレを見てたんやけど。


どこか悲しそうに一瞬表情を曇らせて、そのままオレから目を逸らすと、


俯いて、小さなため息と一緒に吐き出すように言った。




「そうなっていい立場じゃないと思う。やっぱり、間違ってる」





───────来た。それや。待ってたで。こっからが勝負や。








「なあ、聞いて?」


ことさら優しく言うて。彼女にオレの方見るように促して。




「べつにな?言いたいことわからんわけでもないし、困らそう思てるわけでもないんや」


そこまで言うと。『だったらどうして?』とでも言いたげな目でオレのことを見る。




「けどな?オレはちゃんのことが好きや。ちゃんかて、さっき、オレのこと

好き言うてくれたやん?そうなるんはむしろ、自然なことちゃうん?」



彼女の髪を、緩く撫でながら、優しく、優しく言う。




「でも……やっぱり、ダメだと思う」


諦めの悪い彼女の言葉に。



───────切り札、出すしかないんやろか……。




姑息な手段は主義に反するんやけど……。




オレは。


彼女の髪に触れていた手を離し、わざと視線をそらした。

聞こえるように意識してため息をついてから。




「ほんなら、オレのことやなんて、放っといてくれたら良かったんや。

 突き放すくらい、簡単やろ?大人やねんから」



吐き捨てるように言うた。全然思てへんけど。実際されたらたまらんけど。


オレが今までどないな気持ちやったかなんて、わからんやろ?




「帰るわ」



ホンマは。全然、これっぽっちも帰りたないねんけど。

こうでもせんかったら気ぃつかんやろ?


オレは立ち上がって、『はよ、止めえや!!』思いながら、歩き出した。



7歩進んだとこで……て、べつに数えとったわけちゃうけど。

リビングから玄関に続く、廊下に差し掛かった辺りで。

背中にコトってなんかがぶつかる感覚がして、同時に後ろから、

彼女に抱きしめられとった。




「ご……めん。……わたし、が、間違ってた……」



切れ切れに呟かれた言葉に、なぜか、オレは。




「好き、言うたん、取り消すっちゅうことなん?」



恐ろしいこと、口走っとった。


───────アカン!やりすぎや、オレ!こんなん予定外や!!


平静を装ってはいたけど、内心ビクビクやった。ホンマに取り消されたら、立ち直れへん。



その時。



彼女のオレを抱きしめる腕が、少し震えた。





「そんな……意地悪、言わ、ないで」



漸く聞き取れるような、小さな声で言われた言葉を、頭の中で反芻する。



───────これは……作戦、成功したことに、なるんやろか……?




なんて言おう?言葉が浮かばん……。思てたら。





「わたし、まどかが、好き。………ね、続き、しよ?」




背中で囁かれた言葉に、腰が砕けそうになった。




なぁ……。いつかは呼んで欲しい、思てたけど。

こんな時に、それは、反則やろ?

作戦は成功のはずやのに、負けた気ぃするんは、なんで?








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相変わらず、前後関係デタラメな上に、描写不足、すみません。


まどかが出した切り札は、「逆ギレ」……ダサすぎです。


小学生の作文の方が、上手そうだ(笑)。



管理人、脳内を完全に色サマに乗っ取られそうになり、

逃げ惑った挙句の産物ですので、お気になさらないでくださいませ。






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