誰にも。
渡したくない。
誰にも。
触れさせたくない。
は俺にとって、ただ、ひとりの・・・・・・・・。
Everlasting love
「珪くん、そろそろ起きないと、学校間に合わないよ?」
ドアをノックする音に無反応な俺に焦れて、ベッドの脇まで近づいたが、俺の身体を揺らす。
本当は起きていたけれど、今気づいたような振りをして薄く目を開けると、すぐ傍に彼女の顔があった。
もう、遥か昔─────当時3歳だった俺に、姉ができた。
妹ではなく、できたのは、通常でも多少驚かれる程度に年の離れた姉、だ。
つまり、お互いの親の再婚という形で、と俺は表向き姉弟という関係になった。
親の都合に子どもが振り回されるのは、よくある話だ…と、思う。
実際、今現在も。
その親の都合とやらで、当たり前のように俺は、この血の繋がらない年の離れた姉と、
数ヶ月前からふたりきりで暮らしている。
「……べつに、いい。間に合わなくても」
俺はもう1度目を閉じる。
数日前から嫌な気分だった。
今日に、なってほしくなかった。
今更気にしたからといって、変わることはあり得ないのだから、意味などありはしないのに。
毎年、数ヶ月の間ひとつ余分に年が離れることになる、の誕生日は、あまり好きにはなれない。
こんなに近くにいても。
どうにも埋められない溝を、更に深くされるようで、気分が悪い。
「具合、悪いの?」
心配そうな声と一緒に、の手が、俺の額に乗せられる。
悪いのは具合ではなく、あえて言うなら機嫌だったから。
そんなことをしても、熱があるわけでもないし無駄なのに─────などと思っていると。
「うわっっ。珪くん、なんか、熱いよ?やっぱり具合悪いんじゃない!!」
今日は休みなさい、とか、学校にはわたしが連絡するからとか、酷く慌てた様子で捲し立てて、
は立ち上がろうとする。
その手首を。
俺は、逃がさないように捕まえる。
このまま学校に行く気分にはなれなかったから、誤解してくれたのは好都合だ。
いつまでも、今までと同じでいるつもりは、ない。
「……いろよ。ここに」
俺の言葉に一瞬驚いたようには目を見開いたけれど、すぐに優しく微笑んで。
「もう……。『』じゃないでしょ?いつも、いつも!!姉に向かってその呼び方と命令口調はどうなのよ。
まあ、でも?具合悪いと不安だし、ひとりでいるのは寂しいだろうから、今日は特別に許しましょうか?
すぐ戻ってくるから、いい子にしてちょっと待っててよね?」
我が侭な子どもをあやすように言うと、寝てなさいとでも言うように布団をポンポンと叩いて、
手首を掴んでいる俺の手を解こうとする。
は、あの頃、まだ俺が小さかったことと、両親がこれまでその話を全く持ち出さないことから、
俺が、自分のことを本当の姉だと思っていると勘違いしているように見える。
3人の誰もがその話題に触れようとしないということは、要するにそういうことだろう。
けれど、俺には、うっすらとではあるけれど、その時の記憶があって。
彼女が本当の姉ではないこともそうだし、両親のどちらが自分の親でないかということも知っている。
だから。
誰にも言ったことはないけれど、3人の努力は無駄としか言いようがない。
彼女は俺にとって、姉などではないし、それどころか姉だと思おうとしたことすら、ない。
いつからそうなのかなんて、もう、覚えていない。
は。
たったひとりの、守りたい相手。
誰にも。
渡したくない。
誰にも。
触れさせたくない。
そして。
時に、自らの手で、壊してしまいたい衝動に駆られるただひとりの相手。
その感情はどう考えても、姉に対するものでは、ない。
もう─────止まるつもりなんて、ない。
俺は、簡単には外せないように、握る手に力を込めた。
「珪くん……?腕、痛いよ?」
困ったような顔で俺を見るをそのまま引き寄せて、仰向けに寝ている自分の上に乗せ、強く抱きしめた。
「ちょっっ/////////け、珪くん……?」
「……行くなよ。どこにも」
頬を赤く染めて俺の上で暴れるにそれだけ言ってから、身体の位置を入れ替える。
両腕を頭上で一纏めにして、動けないように片手で押さえつけると、
は驚きの中に僅かに怯えのような色を宿した瞳で、けれど、決して逸らすことなく俺を見上げていた。
空いている手でその顎を掴んで、ゆっくりと顔を近づけると、明らかに焦った表情になって、何かを言おうと口を開く。
その瞬間を見逃さずに。
俺はの唇を自分のそれで塞いだ。
俺の下で必死に足掻く身体は容易く押さえつけて─────。
初めて触れるの唇は、どこまでも甘く、柔らかくて。
ひと度それを知ってしまったら、俺は完全に我を忘れて、何度も角度を変えて、貪るように味わっていた。
上の歯列の裏をなぞって、その少し奥まで舌を伸ばして擽るように触れると、うっとりするような艶っぽい声をは零す。
所在なげに揺れる彼女の舌を絡め取って、その痺れるような甘さに俺が夢中になっているうちに、
初めは酷く抵抗していた動きも弱まってきたように思えた。
深く口づけたまま、胸元のボタンに手を掛けると、はビクリと震えて。
急に我に返ったように、ひと際大きく足をばたつかせたせいで、唇が離れる。
「珪くん……なんで……?」
責めるような目…と言うより、どこか悲しげに瞳を揺らして、は俺を見る。
おまえだけなのに。
理由なんて必要ないのに。
その言葉と表情に、妙な苛立ちを覚えた。
ブラウスの胸のボタンを外すのももどかしく、強引に脱がせて、それで両腕を縛り上げ、
ベッドの支柱に括り付けて、下着を押し上げると、の柔らかなふたつの白い膨らみが露わになる。
労わるようにその片方の膨らみに手を添えると、俺の下では全身を強張らせた。
「っっ…や……。姉弟でこん、な……なん…で……」
「わからない、のか…?」
不自然な体勢で身を捩って、は抵抗を試みる。
無駄なのに─────
「わからないなら……わかるまで、するから。俺」
手の中にその柔らかな膨らみを捕えて、変化する形を確かめるようにゆっくりと揉みしだいていくと、
の口から、声を堪えているような掠れたため息が零れた。
反らされた白い喉に口づけながら、膨らみの中心にある、淡く色付いて固くなり始めた先端を指で摘むと、
は、驚くほど甘い声で拒否の言葉を紡ぐ。
「っっ…あっ……やめっ……いやぁ!!」
その声に更に俺は煽られる。
指で触れていた場所を口に含んで。
緩々と舌先で転がしたり、甘く噛んでみたり。
その形が口の中で変化するのを楽しみながら、アメを舐めるように何度も転がすと、
は切なげに吐息を漏らす。
しっとりと汗ばんで、掌に吸いつくような淡く色付いた肌や、荒くなった呼吸に任せて上下する胸元が、
どこまでも俺を誘うのに。
それなのに。
そうしている間もは切れ切れに、やめてとか、駄目とか、そんなことを言い続ける。
その言葉に意味なんてないことに、いい加減気づいても良さそうなのに─────
俺は、触れたいという欲求に流されるまま。
膨らみの片方の先端を指先で軽く摘んで引っ張ったりしながら、口の中ですっかり固くなった場所を吸い上げて。
の腰が軽く跳ねた瞬間に、スカートの下で僅かに開いた脚の間に、自分の身体を割り入れた。
邪魔な布を捲り上げると、そこはもう、薄い下着一枚に阻まれているだけで。
けれどそれも、既にしっとりと潤っていて、役割を果たしているとは言えない状態だった。
湿って、その形を連想させるように張り付いた下着に指を這わせると、
零す甘い吐息とは裏腹に、は身を捩って逃れようとする。
そんな態度も。
ただ、俺の止まらない熱を加速させるだけで。
俺は残っていた下着を取り去って、諦めの悪いに見せつけるように、その細い腰を掴み、持ち上げた。
その両腿を自分の肩に掛け、割り広げて、露わになった中心に、殊更ゆっくりと顔を近づける。
「ダメっっ……珪くん、待って!!」
ジタバタと暴れる脚を強く押さえて、目の前でその場所を押し広げると、間近で見るそこは、
酷く潤って、誘うように収縮を繰り返していた。
俺は、艶やかに光る暖かく柔らかいその場所に、吸い寄せられるように、口づけた。
「あ……ああっ……っっ!!」
悲鳴のような声を上げて、捩る腰をしっかりと捕まえると、
どこまでも拒むつもりなのか、は固く目を閉じて、顔を背けた。
入り口の周辺に零れる蜜の甘さに酔いそうになりながら、少しずつ舐め取って、その表情を見逃さないように、
俺は彼女を呼ぶ。
「目……開けろよ。」
そんな俺の言葉に、彼女は激しく首を横に振る。
本当にいつからかは、わからない。
けれど、もうずっと長い間、俺は、だけを求めて、焦がれて。
すぐ傍にいるのに届かないもどかしさに、苛々し続けていて、どうにかなってしまいそうだった。
が望むから、今日まで弟の真似事をしてきたけれど、それももう、限界だった。
「……見てろよ、ちゃんと。誰に、触られてるのか」
何を言っても頑として顔を背けたままの彼女に焦れて。
俺は目の前にある、突起した場所を口に含んだ。
波打つように揺れる腰を押さえつけて、その敏感な場所を、口の中で転がし、吸い上げる。
舌が痺れるほどに甘いその場所を、
何度も。
何度でも。
どこまでが自分で、どこからが彼女かもわからなくなるほど、執拗なまでに舐め続けた。
内側に指を入れると、そこはきつく絡み付いてきて。
引き抜こうとすればそれを許さないように締めつけて、その抵抗がぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる。
その行為に没頭しているうちに、いつの間にかは、力の抜け切った身体を俺に預けていて、
ふと見ると、潤んだ瞳で俺を見上げていた。
「わかっただろ?もう。……俺、おまえの弟なんかじゃ、ない」
一瞬大きく目を見開いたは無視して、俺は自分の、これ以上無いほどに熱くなったそれを、
引き抜いた指の代わりにそこに押し当てた。
「っっ!!……あぁっっ!!」
僅かに入っただけなのに。
その包まれる快感に、急速に視界が狭くなって、全身の血液がその場所に集まるような感覚に、
意識が飛びそうになる。
繋いだだけで動かずにいる俺を急かすように、の内側は収縮を繰り返していた。
慎重に、確かめるようにゆっくりと腰を進めると、摩擦とかそういう表面的な快感とは別の種類の充足感に支配される。
届かないと思っていた。
触れることなんて、できないと思っていた。
今も。
俺の想いは、には何ひとつ届いていないのかもしれない。
それでも。
彼女の中に俺がいて。
俺は彼女に包まれていて。
その事実だけで充分だった。
ゆっくりと。
今日初めて知った、彼女の弱い場所を、指や舌で刺激しながら、
繋がっている時間が終わってしまうのを惜しむように、緩々と抜き差しを繰り返す。
脚を持ち上げて角度を変えて、何度も、何度も─────。
額に張り付いた前髪を梳いて、そこに口づけると、は切なげに潤んだ瞳で俺を見た。
「……珪くん……お願い……もう……」
その焦れたような。
明らかに拒否とは違う表情に、俺の中で何かが外れた。
ギリギリまで引き抜いて突き刺す。
叩きつけるように彼女の内側を突き上げ、ただ、ひたすらに貫いて。
背筋を急速に駆け上がってくる何かに限界を感じて、切れ切れに俺を呼ぶの声を聞きながら、
全ての熱を、俺はその内側に放出した。
■ ■ ■
手首の拘束を外すと、は一瞬俺を睨みつけてから、ふい…と俺に背を向けた。
腕を回して緩く抱きしめると、ビクリと身体を強張らせる。
「………怒った、のか?」
問い掛けても返事は無くて。
考えてみれば。
強引に、勝手なことをしたのは俺だし、怒るのは当たり前の話で。
質問に意味が無かったことを、今更ながらに知る。
謝るつもりなんてなかったけれど、腕の中の身体が小刻みに震えていて、不意に不安になった。
「………泣いてる…のか?」
その言葉に、彼女は更に震える身体を強張らせ、ポツリと呟いた。
「知ってたの……?いつから?」
恐らくそれは。
俺たちが本当の姉弟ではないということについて、言っているのであろうと、すぐにわかって。
今まで、俺が知らないと思って頑張ってくれていたには悪いと思ったけれど、俺は本当のことを言った。
「知ってた……最初から」
その言葉に、は心底驚いたらしく、もの凄い勢いで振り返って俺を睨みつけた。
そして、知らないと思っていた自分が馬鹿みたいだとか、
けれど、そう思っている自分がかえって今まで気を遣わせていたのかとか、
珪くんのアホ、馬鹿、鬼畜とか。
コロコロと表情を変えながら捲し立てるように色んなことを言って。
「けど、本当の姉弟じゃないからって、こういうことしていいってもんでもないと思う」
最後に真っ赤にした頬を膨らませてそんなことを言うと、また俺に背を向けた。
その言葉で、俺は。
大切なことを言い忘れていたことを思い出す。
抱きしめる腕に少しだけ力を込めて。
「………愛してる。」
それだけ言うと、は耳まで真っ赤にして、本当に小さな、聞き逃しそうな声で呟いた。
「……そういうことは、できれば先に言ってください」
腕の中の彼女を反転させて、頬に伝う涙を指で拭ってから、唇を重ねると、も俺に応えてくれて。
その幸せを噛みしめながら、さっきまで俺が包まれていた潤った場所に、もう1度指を伸ばす。
「け//////////珪くん!?」
「………言ったから、先に」
「!!!!!」
今日は─────
ずっと好きになれなかったの誕生日だけど。
埋まらない溝や、どうやっても追いつけないことを、気にするのではなく。
これからは、が生まれて、そして俺がに出逢えたことに感謝することができそうだ。
end
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姉弟設定に意味があるのかすらわかりません。
王子ってばquarterだし、普通気づくってばよ…とか言っちゃいやんv
ご、ごめんなさい(汗)
もはや言い訳も思いつきませんが、26エロ(MAX2000)なことは
裏王子初書きに免じて許してくださいませーーー(ToT)
こんなものではお祝いにもならないことはわかってはいるのですが、(しかも遅刻)
愛だけは、愛だけは込めておりますので、どうか、誤解の無きよう…。
メンソールさん、お誕生日おめでとうございますですよーーーvv