「では、君が学校から帰るまで大人しく待っているとしよう」



たった今、そう言ったはずなのに。

あんなに咳き込んで苦しげだったのに。

いとも簡単に彼はわたしを組み敷いて。

さっきまでとは逆に、見下ろされる形になっていた。
















続・いつもと少し違う朝。














……」



彼の低く掠れた声が、小さく、けれど愛おしげにわたしを呼んで。

誘われるままにごく自然に唇を重ねていた。

啄ばむように触れる彼の唇はいつもより熱くて。

彼が纏っている空気も、いつもより熱くて。

伝わる熱で頭がぽーっとなるような感覚を味わいながら、どこまでもわたしを追い求める彼の

首筋に腕を絡めて、いつの間にかわたしも彼を深く求めていた。




─────はぅっっ!!うっとりしてる場合じゃなかった!!



ふと、我に返って、力任せに彼の胸を両腕で押しのけると。

困惑したような表情で、






「どうした?」


まるで、当たり前のことでも聞くように言う。






「『どうした?』じゃないでしょ?こんな時にダメだっ……んんん」


言い終わらないうちに唇を塞がれて。

背筋がゾクゾクするほど熱っぽく、貪るように深く舌を絡めてくる。



不意に離れると、今度は耳元に唇を寄せて。






「君のせいだ。諦めてくれ」



良く意味のわからないことを囁いて、耳朶を甘く噛んだ彼は。



髪に。



額に。



瞼に。



頬に。



ゆっくりと口づけながら、わたしを包むものをすべて剥ぎ取っていった。


喉元から鎖骨にかけてなぞるように指を滑らせて。

同じ道筋をたどるように、今度はそこに舌を這わせる。

彼の動きに合わせて、いつもより少し乱れた前髪がわたしを擽って、

思わずビクリと震えると。

うっとりするようにわたしを見つめて。



いつの間にか何も身につけていない彼の身体は、

昔見た彫刻のように本当に綺麗で。



いつもの眼鏡越しの時とは違う彼の瞳は、

熱を帯びて少し潤んで本当に色っぽくて。



抵抗を試みること自体本心ではなかったし、

わたしは諦めて目を閉じた。






の身体は冷たくて気持ちがいいな…」



わたしの胸元に顔を埋めた彼は、眠ってしまいそうなほど頼りない声で、独り言のように呟いて。

片方の膨らみに優しく添えた掌で、その形を確かめるように緩々と形状をなぞった。

その焦らすような緩慢な動きにわたしの身体はじわじわと熱くなって。

存在を主張し始めた先端を口に含まれた瞬間に、自分でも驚くほど身体がビクリと跳ねた。

そんなわたしの反応を、彼は満足げに見て。

唇で辿った場所に印を刻みながら、不意にわたしの下腹部に手を伸ばして、

緩く秘裂をなぞった。






「あっ……」



痺れるような感覚に思わず身を捩ると、まるで逃がさないとでも言うように、



くちゅり……



耳を塞ぎたくなるような卑猥な音を立てて、伸ばされた彼の指はわたしの内側に滑り込んだ。






「んっ……やっ…ダメ……」



突然入ってきた指に驚いて思わず両脚を固く閉じると、






「嫌か?こんなに溢れさせているのに?」



少しだけ意地悪く微笑んだ彼は、わたしの内側のいちばん弱い場所を

指の腹で強く押すように刺激しながら、抜き差しを繰り返す。




増やされた指は不規則な動きのようでも、確実にその場所を攻め立てて、

くちゅくちゅと水音を響かせながら、すぐ上にあるいつもより膨らんだ蕾も一緒に擦られて、

背筋の辺りを急速に波が駆け上がってくるのを感じた。






「っっ……れ…いち…さん…わたし…もうっ…あっ…」



昇りつめそうになった瞬間、スルっと指が引き抜かれて。

彼はわたしに触れるのを止めて、突然、ゴロリと仰向けに横たわった。






「……零一、さん?」



急にはぐらかされて、変になりそうで、思わず抗議の目を向けると、

彼はわたしの手をとって、質量を増した彼自身に、導いた。






。俺の熱を鎮めてくれないか」






─────////////あの。だからってこんな……。



内心理不尽に思いつつ、ワナワナする脚でなんとか彼の足元に移動して。

熱くなった彼自身にそっと手を添えて、唇を近づけた瞬間。






「違う。そうじゃない。君はこっちだ」



不意に起き上がった彼に腰をぐいっと掴まれて、引き寄せられたわたしは、

そのまま仰向けに倒れこんだ彼の顔の上に座るような形になってしまって。







「れ///////零一さん、待って!ちょっと待って!!恥ずかしいから…」



逃れようとしても強く押さえられた腰はビクともしなくて。



ぴちゃり……



つい今しがた頂点をはぐらかされて充血しきっている場所に、湿った感触がした。







「あっ…」



一瞬舌で触れられただけなのに、わたしの身体はぐらりとよろめいた勢いで、

そのまま彼の上にうつ伏せに倒れこんだ。



目の前には、さっき遠慮がちに触れた彼の『ソレ』があって。

零す蜜を丁寧に舐めとるように触れる、彼の舌にどこまでも翻弄されながらも

目の前の『ソレ』にわたしは震える手を添えて、先端にちゅっと軽く口付けた。



掌で先端を優しく包んで、根元からゆっくりと舌を這わせていって、そのくびれの辺りに到達すると、

彼の腰が僅かにビクリと跳ねる。

緩く握っていた手を外して軽く口に含んで。

舌で彼が反応する場所を刺激しながら唇を上下に動かすと、

口の中で、『ソレ』がビクビクと脈打っているのが伝わってきた。



彼を感じさせることに熱中していると、不意にわたしの内側に指が入ってきて、

躊躇なく抜き差しされるその動きと、絶え間なく蕾を刺激する舌の動きに

意識を持っていかれそうになって、思わず彼の『ソレ』が口元からこぼれる。






「はぁ…んんっ…れい…いちさん…もう…」



切れ切れに限界を訴えると、彼はわたしの身体を反転させて、

ゆっくりとわたしの腰を自分の上に落とした。






「……はぁっっ!!」



埋められた充足感と、繋がった場所の痺れで、すぐにでもどうかなってしまいそうだった。

上になっているわたしを、すいっと彼は抱き寄せて、耳元で、






…。愛している。もっと俺を感じてくれないか」



低く掠れた声で囁くと、容赦なくわたしを突き上げる。




執拗なまでに突き上げてくる彼に、いつしかわたしは羞恥とか理性とか何もかもなくして。

ただ激しく自分からも彼を求めて、揺れていた。





「うっ……っ!!」




「ああっ…!!ダメっ……はああっっ!!!」



朦朧とした意識の中で、自分が絶頂を得るのと同時に彼の熱が解放されるのを感じた。







■ ■ ■







気だるさの残る身体のまま、ふと、ベッドサイドにある時計に視線を移して

わたしは思わず固まった。





─────学校……始まってる……(汗)で、電話しなきゃっ!!…でも、なんて…?



ガバっと起き上がって頭を抱えるわたしに。






「そこで待っていなさい」



ぽん、ぽんと軽くわたしの頭に手を置いた彼は、傍らに置いてあったジーンズを穿いて

部屋を出て行くと、数分後ミネラルウォーターを片手に戻ってきた。

それをわたしの手に握らせて、未だベッドの上で呆然としているわたしの横に腰掛けると。






「今日は休んでもいいそうだ」



耳を疑うようなことを口走った。






「はあっ!?な、なんで?何、それ?」




「理事長に許可を取った」



まるで何でもないようなことのように平然と、とんでもないことを言ってのける。






「許可って…わたしが休む許可を、零一さんが理事長に…?」



「ああ。そうだ。何か問題が?」



「大問題でしょうが。明日からどんな顔して理事長に会えばいいのよ……」



「俺はべつにかまわないが…?」





───この人…ちょっと変じゃないですか?しかも元気になってるように見えるんですけど…。









end


────────────────────

ゴ、ゴメンにょ?旅人しゃん…(泣)

学校から帰ってから…と思わせて、朝からやっとくと、それだけのためにこんなものを…。

前置きが長くなりすぎたから、表と裏に分けちゃったけど、一応、両方ともまとめて

お礼の品のつもりです。

確かリクは、風邪をひいた零一さんと、ぬるくていいから、エロって感じだったと思うのですが。

ぬるくて、いいんだよね?ほっ。(←勝手に安心してるし)

ヘタレ乙女には、この辺りが限界かと思われます。許してくれ〜〜(懇願)

 

 

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