陥落の瞬間。(改)













「//////あの……色くん?」





「ん?」





肩越しに見上げると。「何か問題が?」とでも言いたげな表情で微笑んで。






さっきからずっと。







色くんはわたしを、後ろから緩く抱きしめたまま、離してくれない。







1月14日、火曜日の放課後。


明日は色くんの誕生日で。







何日か前、プレゼントは何がいいのか聞いたのに、ずっと教えてくれなくて。



今日になって突然、「欲しいものがあるから、放課後美術室に来て」なんて言われて。






思わず来ちゃったけど。








誰かに見られたりしたら、わたし、困る……。









「ねえ、色くん。ここ、学校だし。人が来たら困るから、離して?」






見上げるとまた微笑んで。








「ボクは気にしないよ」







「//////そ、そうかもしれないけど、わたしは気にするから」







「大丈夫。鍵はちゃんとかけてあるよ?」







耳元に、笑みを含んで囁いた彼の息が、掛かる。




そのまま耳朶を甘く噛まれて。






「!!!/////////し……色くん?」




思わず振り返って、離れようと、両腕を突っ張ると。


必死で力を入れているわたしを、余裕の表情で抱きとめたまま、







「どうしたの?」



彼は笑顔で首を傾げる。






「ど、////////どうしたの?じゃないでしょ?な、なんで……んっ…んんん…」



抗議しようとしたけれど、意味なんて、なかった。


甘く、やわらかく、唇を塞がれて、懸命に伸ばしていた腕の力も、いつの間にか緩んでいた。




彼は名残惜しそうに唇を放すと、少し切なげな表情でわたしを見て。






「知らなかったなんてショックだけど。仕方ないから、に、教えてあげるよ」




それだけ言うと、また、彼の唇が落ちてきた。


さっきまでよりも、強く抱きしめられて。





深く、求めるように舌を絡めて。













どれくらいの間そうしていたか、わからないけれど、脱力しかかったわたしを見て、









「もう、わかったよね?……ボクの欲しいもの」





彼は微笑むと、首筋や鎖骨に口付けながら、わたしが着ているものを脱がし始めた。





「あ//////あの……色くん?」




呼びかけても、手を休めることなく、彼は目線を上げるだけで。


下着をずらして、中途半端に露になった膨らみの片方に、掠めるように手で触れて。





はどんな作品よりも、美しいね」



呟くように言うと、その膨らみの先端を口に含んだ。





「あっ…………んっ………」







口の中に捕えられた場所が緩々と転がされて、触れられていない所にまで痺れが広がっていく。



腰から太股を滑るように彷徨っていた彼の長い指は、器用にスカートの金具を外して。


ストン……音を立てて輪になった布のかたまりは床に落ちた。





「あああ/////あの、色くん……?欲しいものって……」



わたしの言葉に彼はクスッと笑って、また目線だけ上げて。





「うん。やっとわかった?だよ?」



そう言うと、少しずつ唇が触れる位置を下にずらしていく。





「あ……で/////でも、誕生日、明日だよ?」




焦ってわけのわからないことをわたしが口走ると。





「じゃあ、続きは明日にする?」



彼は意地悪く微笑んで、膨らみの片方を包んでいた手をゆっくり下におろすと、

熱くなり始めているその場所に、下着の上から軽く触れた。






くちゅっ……






粘着質な水音が響いて、身体中が熱くなる。

長い指は、触れるか触れないかギリギリに、焦らすように下着の上から亀裂をなぞり続けて。




相変わらず意地悪く微笑んだままの彼は。





「ねえ。どうする?が嫌なら、今日はやめてもいいよ」





言葉とは裏腹に、指先は主張し始めた場所を正確に捕えていて。


繰り返される刺激で甘く広がる痺れに、わたしは立っているのがやっとだった。









そのまま彼は下着の中に指を滑り込ませて、わざと音を響かせるようにして、入り口の周辺を少しの間弄んで、

一瞬動きを止めると。






は、どうしたい?」





わたしの顔を覗き込むようにして言ってから、その指を内側に突き入れた。





「や……あっ…ん……だ…め……」



身を捩ってフラつくわたしを、彼は空いているほうの手で抱きとめると、耳元に唇を寄せて、少し掠れた声で。





「ダメ……?ふふっ。は嘘つきだね」




その言葉を合図のように、下着に指を掛けてずり下げると、内側に差し込まれた指が、激しく水音を立てて

探るように蠢き始める。

刺激されると身体が跳ね上がる場所を見つけた彼は、指を増やして満足げにそこばかり執拗に攻め立てて。



夕暮れ時の静かな美術室に、彼の少し荒くなった息遣いと、自分の中から発せられている、

粘着質な音だけが響いていた。







「あっ……色く……ん…も…ダメ……」




意識が飛びそうになったわたしは、力の入らない両腕で、必死に彼にしがみついて、

そのまま達してしまった。




わたしの様子を見て、小さく笑った彼は。

手近な所にあった椅子に腰掛けて、わたしを膝の上に抱き上げると、足元に残っていた下着を引き抜いた。

触れる程度に軽く口付けて。






……おいで?」






その言葉と一緒に、圧倒的な質量を持った彼自身を、わたしの中に埋めた。




「あ……ん、んん……」


収縮を繰り返す場所は、脈打つ音が聞こえそうなほど感覚だけが研ぎ澄まされていて。

下からの圧迫が、痛みなのか快感なのかもわからなくて

受け入れるだけでも、意識を手放しそうになる。




ゆっくりと最奥まで繋げてから、わたしの胸元に顔を埋めて、彼は動きを止めた。





「あんまり……ボクを苦しめないで…」



ため息と一緒に吐き出された言葉は、泣いているようにも聞こえて。

いつもの彼からは想像もできないほど不安げで。





「……色くん……?」



呼びかけると、彼は躊躇いがちに視線だけを上げた。





が……好きだよ。……ボクだけのもので、いて?」





眉間に皺を寄せて、苦しそうな表情でそう言うと、

わたしの返事なんて求めていないかのように、激しく下から突き上げてくる。

達したばかりの身体は、そんな行為に耐えられるはずも無くて。

わたしは意識も定まらないまま、ただ揺らされるだけだった。


思考なんて停止しているようなものだったし、どのくらいそうしてたのかもわからないけど。

何度目かの波に飲み込まれそうになった時、





……もう、いい?」


苦しげに掠れた彼の声を、ぼんやりと聞いたのを最後に、

わたしは完全に意識を手放した。







■ ■ ■







気がつくと、どこから持ってきたのか、わたしの身体にはブランケットが掛けられていて。

壁に凭れて座っている色くんに、後ろから抱きしめられたまま、眠っていたらしい。

ブランケットの中を覗くと、中途半端に脱げかけた服がそのままになっていて、

本当に起きたことなんだと、改めて実感して、顔が熱くなった。


─────ここ、学校なのに……。





……気が付いた?」



不意に後ろから声がして。





「あ……色くん……わたし……えっと…ごめん…」



なにかとてつもなく恥ずかしくて、振り向くこともできずにいると。

彼はクスっと笑って。





が意地悪だから、思わず仕返ししちゃったよ」



緩く抱きしめたまま、わたしの首元に、ちゅっと口付けた。





「い……意地悪って、わたし、なんかした!?」



思わず振り返って聞くと、彼は大げさにため息をついた。




「はあ……。そういう無自覚な所が意地悪だって言ってるんだよ。だいたい、ボクが欲しいものなんて、

 聞かなくてもはわかってると思ってたけど?」





「そ、そんなのわかるわけないよ……」




─────たとえわかったとして、自分から言えるものでもないと思うんだけど……








「ふうん。まあ、いいよ。……今夜。日付が変わる瞬間に」





「ん?」






「もっとちゃんと、もらうから」





「………………は!?」






 end





──────────────────

さすらいの旅人様への、お詫びの品です。

わたくし、表ヘタレ創作オンリーの乙女なので、とっても苦しかったです(笑)

しかも、いつの話ですか!!これは!!

「もっとちゃんと、もらうから」

この一言で、描写がぬるいことを誤魔化しました(汗)

ここに書かれることのない、真夜中に、激しいことになっていると想像してくださいませ(←馬鹿)

もう、この手、使えないですね。これからどうしましょう。

旅人@Jサマ。恐ろしく遅れた上に、ホント、萌えれなくて、ごめんね?




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