僕は君を魅了する vol.02


翌朝、中々寝付けなかったの携帯にからメールが入った。
【熱が出ちゃって…今日学校お休みするね(T_T)】
それに対して、は特になんとも思わなかった。ああ、やっぱり。としか。
昨日、あれだけの思いをしたのだから、の発熱は当然だろう。実際、も今日は学校を休みたかった。それでも休まないのは昨日の今日で休むのはプライドが許さないからで。
「よし、いこう!」
何とか無事だったお弁当箱にお弁当を詰めたが家を飛び出した。
中学までは歩いて三十分。
何事もなく教室へ入る。
昨日の事は何も噂されていない。最も、相手があの雲雀では噂するほうも命がけなのだろうが。
一時間目の仕度をしているとそこに風紀と書かれた腕章をつけた男が二人入ってきた。
は何処の席だ?」
「…私ですけど?」
がたり、と椅子を揺らしてはゆっくりと立ち上がる。
一年の中でももう雲雀恭弥の恐怖は浸透されている。そして、風紀の事も。
「委員長が待っている。一緒に応接室へ来てもらおう」
「嫌よ」
一秒も待たずには言い放つ。
「用事があるなら貴方から来なさい、って伝えて」
ぴくり、と風紀委員の男が眉をしかめる。
左隣に居た男がに手を伸ばした。
「な、にするの!」
反射的にその手を掴んでひっくり返す。
「……!」
教室に居た全員が息を呑んだ。
それぐらい綺麗に彼はひっくり返った。机や椅子を巻き込んで。
「……ご、ごめ…」
「やるね、中々」
ぱちぱちと拍手をしながら雲雀が教室の中へ入ってくる。
「調べたんだけど、君、中々凄い経歴の持ち主だよね」
「委員長!!」
「……お使い一つもまともに出来ない奴は……土に還りなよ」
どごっとトンファのめり込む音が聞こえ、教室がしんとなる。
「ねえ、さん」
「…そこの人を投げちゃったことなら謝りますから」
そこまで言って雲雀はきょとんとした顔をする。
「違う違う。選択肢をあげるよ。
風紀に入るか、僕と付き合うか」
「どっちも嫌です」
やはり間髪居れずには答えた。
その様子を黙ってみていた雲雀が堪えきれずに笑い出した。
周りの人間は教師も含め、本当に物珍しいものを見ているように見つめ、そして雲雀とを交互に見渡した。
片や最強最悪の不良でありながら風紀委員長の雲雀に。
真っ黒なストレートヘアをいじりもせずにそのまま綺麗に伸ばしている少女。
「ますます気に入ったよ?」
「気に入ってくれなくて結構ですから」
「謙遜だよね。……僕って余り人を気に入ることってないんだよ?群れてる奴らは咬み殺したくなるからね」
さらりと怖いことを言い放って(雲雀にとっては日常茶飯事だろうけど)雲雀はに手を伸ばす。
「……だからかな?絶対に君を手に入れてみせるよ」
「……勝手にどうぞ。私は物じゃないし、貴方の所有物になるつもりもありませんから」
ふい、と視線をずらしては椅子に座ると用意しかけていた一時間目の仕度を再び始めた。


To Be Continued

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