さんがお風呂から上がり
すぐさま彼女を敢助君の自宅へと連れて行った。












「ただいま帰りました」
「夜分失礼します」




「あ、ちゃん。それに諸伏警部」

コーウーメーイー






敢助君の自宅に来るや否や
彼の部下・上原由衣君はにこやかに迎えるも
敢助君は恐ろしい形相で私たち(いや主に私のところ)に向かって
私の胸倉を掴んだ。






「何時間かかってんだ、お前は」

「大分遅くなりましたね」

「大分だぁ!?・・・俺が頼んだのは夕方だろ!外見てみろ!!」

「真っ暗ですね」

「殴るぞお前」

「では、私も殴りますよ。そうしたら正当防衛ですから」

「お前はぁ〜」






「敢ちゃん、いいじゃない。ちゃん来たんだから」

「か、敢助さん。すいません、遅くなって」








さんと上原君が私たちの間に入り敢助君を制止する。

すると敢助君はさんの顔を見ると、私の胸倉から腕を放した。






に免じて許してやる。さっさと上がれ」

「は、はい」
「お邪魔します」

「待て。・・・コウメイ」

「はい、何か?」






玄関から、部屋の中に上がろうとした瞬間
名前を呼ばれ動きを止めた。





「お前はもう用済みだろ。帰れ」

さんを連れてきて、彼女を家に帰すのが私の役目です。それが終わるまで帰れません」

「帰りは上原に送らせる。帰れ」

「上原君にも家庭というのがありますから、彼女に迷惑かけるわけにはいきませんよ。ねぇ、上原君」

「え!?・・・えぇ、ま・・・まぁ」

「上原っ!」





どうやら敢助君は私を帰したいらしい。

でも、さんを一人帰らせるわけには行かない。







「だから、さんは私が責任もってお家に送り届けます。それまで私は帰りません」


「チッ。・・・勝手にしろ」


「えぇ、勝手にします」






そう言って敢助君は松葉杖をつきながら奥の部屋へと入っていった。


私は靴を脱ぎ、部屋へと上がる。






「あの、コウメイさん」

「何か?」





すると、奥の部屋に向かう途中
さんが私に近づいて小声で何か言ってきた。







「無理、しなくていいんですよ。私歩いてでも帰れますから」

「女性一人を夜道歩かせてしまっては危険です。さんなら尚更です」

「コウメイさん」

「大切な人を守るというのはカッコ悪いことですか?」

「ぃ、いいえ」

「では、お話が終わるまで私は居ますよ。帰りはお家まで送りますから、気にしないでください」

「はい」






話を終えると同時に、敢助君が向かった部屋に入る。

机を挟んで向かい合うようにさんは敢助君の前に座る。







「悪いな、呼び出して」

「いいえ。あの、それで何か?」

「実は今度、本部主催で空手大会があるんだけど」

「本部メンバーで出るはずのヤツが急遽出れなくなってな。それで、お前に出てもらおうと思って」

「それくらいでしたら、私は別に構いませんけど」














「私は反対です」











「え?」

「チッ。やっぱり口出ししてきやがったか」






3人の会話に私は突如として口を挟んだ。








「敢助君。またさんに危ないことを」


「別に危ないことじゃねぇだろ。空手の大会に出すだけだぞ」


「空手の大会といっても、怪我したらどうするんですか。この前だってさんは腕に打撲を」


「鍛えてるからまだ打撲で済んだんだろうが」


「私は反対です。さんを空手の大会に出すなんて」


「あー!!だからお前が居ると厄介だったんだ」


さんは警視の忘れ形見ですよ。君は其処のところ分かってるんですか?
大事だと思うのでしたら、空手の大会などにさんを引っ張って行くのはやめてもらいたい」



「コ、コウメイさん」

「諸伏警部」





彼女が大事ならば、彼だって私と同じ気持ちのはず。






「敢助君、いいですね。さんは・・・」

「コウメイさん。私は大丈夫です」

さん」






私が敢助君に言い放っていると
さんが私の服の袖を掴んで、言葉を止めた。






「私は、大丈夫です。コウメイさんにも、敢助さんにも由衣さんにも迷惑はかけません」


さん」

ちゃん」


「大丈夫ですよ、コウメイさん。私は、大丈夫です」







笑顔でそう言われてしまったら、敢助君に
言うはずの言葉が出てこなくなってしまった。









「敢助さん。私は大丈夫なんで、後は」

「あ、あぁ。日時は追って連絡する」

「じゃあ、帰ります。・・・行きましょうか、コウメイさん」

「え?・・・あぁ、はぃ」









そう言って私は彼女に腕を引っ張られ
敢助君のお宅を後にし、車に乗った。










さん」

「コウメイさん、頑固です」

「え?」







車に乗ると、突然助手席に座った彼女が
そんなことを言ってきた。








「頑固で、我がままです。私よりも、ずーっと大人なのに」

「す、すいません」

「私も強くなりたいんです。コウメイさんや敢助さんに助けてもらわなくてもいいように」

さん」






私を見つめる彼女の眼差しが
あまりにも強すぎて言葉が出なくなっていた。





「だから、空手の試合出ますよ。いいですね」

「えっ、あっ・・・はぃ」

「はい、決まりですね。じゃあ私頑張ります」

「え、えぇ・・・頑張ってください」





そう私は返事をして、車を発進させた。





このとき初めて
私は彼女に強く
つめられたら

何も言えなくなってしまう事に
づいた。






年下彼女の(無自覚攻撃
君の強い
眼差しに私はてません

(強く見つめてくる瞳に何もいえない私が居る)

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