--------バンッ!!!
「姉さん」
「何よいきなり」
「よくも俺を騙したな」
「何の話よ一体?」
とある日、家に遊びに来ていた
メアリィ姉さんを私は問い詰めた。
生憎とは、こんな女のために
ケーキを買ってくると言って出て行った。
そう、とあることで私はこの女狐にまんまと騙されたのだ。
「知り合いから聞いたぞ」
「は?」
「妊娠中も、セックスしていいと・・・・・・・・・よくも俺をまんまと騙したな、こんのクソアマ」
知り合い・・・というほどじゃないが
昔からの部下、今じゃ部隊が離れているが・・・彼、ジャックから聞いた。
彼にも姉が居て、その姉君にも子供が居る。
そんな彼から聞いたのだった。
『な・・・何だとジャック?』
『え?・・・ですから、別に妊娠中でもセックスはいいんですよ。』
『・・・それは本当なのか?』
『えぇ。僕の姉も、妊娠中はストレスとかが溜まるらしく・・・妊娠中でもセックスはしてました。』
『・・・・・・・・・・』
『あれ?もしかして、ご存知ありませんでしたか?』
ご存知ありませんでしたの問題じゃない
私はまんまと騙されていたのだ・・・この目の前に居る私の姉に。
「チッ・・・バレたか」
「てめぇ・・・やっぱり騙したな!!」
「アンタにそういう風に言わないと、確実的に盛るでしょうがアホ!!」
「盛って何が悪い!!愛を育みあうのは良い事だろうが!!」
「綺麗に言ったように聞こえるけど、変態丸見えじゃない!!!」
「騙してた奴に言われたくねぇ!!!」
どうも納得いかない
私はコイツの言いなりになって、我慢して押さえ込んでいたのに
蓋を開けたら何だ
騙されていた
詐欺だ・・・!!!!
私の我慢は何だったんだ・・・!!!
何の為に、押さえ込んでいたんだ・・・!!!!
一重に、が元気な赤ちゃんを産んでくれるのを願いつつ
その裏じゃ、どれほどあの愛しい体と一つになりたいと望んだことか
酷く葛藤した自分も虚しいが
何にせよ、この女に騙されていたと言う事実に私は凄く腹立たしい
「何で騙したんだ、姉さん」
「さっきも言ったとおり・・・アンタがちゃんに盛るのを防ぐため」
「別に盛ったり・・・」
「妊娠前の話、大体ちゃんから聞いたんだけど・・・自粛って言葉知ってるグラハム?」
「それくらい知ってる」
つまり、自分から態度や行動を慎むことだろ?
子供じゃ無いんだ、それくらいの単語・・・私だって知ってる。
「分かってるなら言わなくてもいいわよね?」
「それと、セックスと何の関係がある?」
「君の頭の中はスッカラカンなのかしら?ちゃんと脳みそ入ってる?」
-----バキベキ・・・ッ
「舐めてんのか、女狐」
「ブッ飛ばすぞ、話を理解しろ、変態仮面軍人」
既に姉弟戦争勃発寸前
「いい?あんた、ちゃんが妊娠前・・・毎日って言っていいほど盛ってたじゃない!」
「・・・そ、それは・・・入院中のブランクと言うものがあるから・・・少しでも取り戻そうと」
「だからって毎日セックスしなくてもいいでしょうが!!1日のセックスの回数としても・・・4回以上なんて」
「だって・・・!!それは・・・っ」
「それは?」
「があまりにも可愛いから・・・つい」
思わず声を小さくして言ってしまった
普段ならサラリと言ってしまう言葉なのだが、姉であるメアリィの手前
少しくらい反省をして言う。
情事中、があまりにも可愛すぎて、私を求めてくるものだから
やめたくても、やめられない。
体が、勝手に彼女を求めてしまう
「が可愛いから・・・やめるにやめれない・・・だから。」
「(この溺愛・・・異常すぎる)ほっとうに・・・アンタ、私の弟じゃなかったら・・・ぶん殴る問題じゃないわよ」
「事実、血の繋がりはないだろうが」
「今は姉弟でしょうが・・・本気でアンタのその顔、ボコボコに殴ってやりたい」
姉さんは頭を抱えて、大きなため息を零した。
「とにかく、と・・・セックスしていいんだな」
「程々にしなさいよ。いくら出来るからって、相手は妊婦なんだから」
「分かっている!」
「(ゼッテェ、コイツ分かってない)」
とセックスが出来るのであれば、それだけで充分だ
あぁ、なんだか凄く嬉しくてたまらない・・・!!!
そう思っただけで、年甲斐にもなく浮かれてしまう。
「あ、言うの忘れてたけど・・・・深く挿れちゃダメだからね」
「え?!」
「お前・・・やっぱり深く挿れるつもりだったか・・・(言ってよかった)」
更なる姉さんの言葉に、私は焦る。
ま、まだあるのか!?!?
「な、何で?!・・・何で!?」
「(ガキかコイツ)深く挿れたら、赤ちゃんを作る部分に傷が付いてしまうからよ」
「じゃ、・・・じゃあどうすれば・・・っ」
「ゆっくり、浅く・・・挿れること。それから絶対激しくしちゃダメ・・・良いわね?」
「・・・・・・・・・」
「返事は!!」
「・・・・はぃ」
それじゃあ、なんだかセックスの意味がなくなるような
いや、でもには元気な赤ちゃんを産んでほしいし・・・それを考えたら
自粛するよりも、まだマシか。
「後は」
「まだあるのか!?」
「当たり前でしょうが!妊婦とセックスしたいのであれば、それくらい学習しなさい・・・アンタもいい大人なんだから」
「・・・はぃ」
どうやら、普通のセックスと違って
妊娠中の女性とセックスするには大きくやる事が違うらしい
でも、聞いておかないと・・・や赤ちゃんにもしものことが遭ったら大変だ。
「体は冷やさないこと・・・長時間、裸のままで居たら・・・早産って言って赤ちゃんが早めに
出てきちゃうし・・・最悪、赤ちゃんが死んじゃうことだってあるんだから。それから、ちゃんがお腹が痛いとか
お腹が張ってるとか言ったら途中でやめなさい。あと、出血したりしたらも同じだからね。」
「うん。」
「後は、アンタが上にならないこと」
「俺が?」
「コレはアンタが努力しなさいよ。・・・男の人の体重と女の人の体重は全然違うから
お腹を圧迫させてしまうからよ。これが一番の基本中の基本なんだから・・・。
それから無理な体位は絶対に避けること、下手に無理な体位をしてしまえばそれこそお腹に負担かけちゃうからね」
「・・・分かった。」
「努力すれば、アンタちゃんと出来る子なんだから・・・昔からそうじゃない。
努力くらい、しなさいよ・・・家族が出来て・・・パパになるんだから。」
「・・・はぃ」
ようやく、姉さんが私に話さなかった理由が見えてきた。
以前の状況とは全く違うからだ
だから、姉さんは敢えて私にストップの言葉をかけた・・・の事を考えて。
「姉さん」
「何よ?」
「怒鳴り散らして悪かった」
「まったく・・・ようやく私がストップかけた理由が分かったかバカ弟」
「俺は・・・何も知らなかった。だから、姉さんは黙ってたんだよな・・・今まで」
「家族が居なかったアンタに家族が出来るんだから、悲しい思いだけはさせたくないのよ。
それだけは、理解しなさい・・・」
そう言って姉さんは立ち上がり、私の頭を撫でた。
30にもなって、姉に頭を撫でられるとか・・・恥ずかしい。
「さて、そろそろ帰ろうかな」
「もうすぐが帰ってくる、もう少し居てもいいじゃないか」
「私も仕事溜まってるのよ。非番のアンタほど暇じゃないの」
「そうか。・・・分かった、今日はありがとう・・・それから・・・」
「何よ?」
「ご、・・・ごめん・・・なさい・・・」
「分かればいいのよ。大切にしなさい、ちゃんも赤ちゃんも」
そう言って、姉さんを私は玄関先まで見送ろうと
廊下を歩いていた。
「あ・・・ゴメン、渡したいものがあったんだった」
「え?」
すると、突然姉さんが立ち止まり
振り返り、バックの中から箱を出す。
「コレ、やる」
「?・・・・・・っ!?」
手渡されたものに・・・私は驚いた
「ね・・・姉さん・・・こ、コレって・・・」
「うん、コンドーム・・・セックスするとき付けなさいよ」
姉さんが私に渡したものはそう、ゴムと言われる・・・一般的には
コンドームと言った方が正しいだろう。
しかも、1つじゃない・・・箱売りでされてる、箱ごと
「え?!・・・や・・・な、ナマは・・・」
「何寝言ほざいてんの?ナマでやったら雑菌とか入るし・・・精液にはね
赤ちゃんの出てくる口を収縮させる成分も入ってるから・・・ナマはダメ」
「や・・・だ、だけど・・・」
「別にナマじゃなくても、感じれるんだからいいじゃない」
「だ、だが・・・っ」
私は反論しようとした途端、胸倉を思いっきり掴まれ
「アンタのピー、私に切断されるのと
我慢してゴムつけてヤるのどっちがいい?」
「すいません、俺が悪かったです!!我慢してゴム付けます!!」
「分かればいいのよ、分かれば。あー、ようやく物分かりの良い弟に育ったわね〜お姉ちゃん、幸せ。」
切られて無くなるよりか、我慢して付けた方がいい
半ばげっそりだ・・・。
---ガチャッ!
「あ!メアリィさん!」
「おや、ちゃん・・・お帰り」
すると、出かけていたが帰ってきて
玄関で姉さんと鉢合わせをした。
「もう帰るんですか?」
「うん。仕事が溜まってるし、帰らなきゃ」
「で、でも・・・せっかくケーキ買ってきたんですし・・・あ、じゃあケーキだけでも持って帰ってください」
そう言っては買ってきたケーキ屋の箱を
姉さんにそのまま渡した。
「あ〜ん、ダメダメ!妊婦さんがこういうのは食べなきゃ!
いっぱい栄養つけて元気な赤ちゃん産まなきゃいけないんだから!!」
「で、でも・・・っ」
「先輩のいうことは聞きなさい。・・・あ、でも1つだけ頂こうかな」
「あ、はい!どうぞ!!此処のケーキ屋さん美味しいって評判なんです」
そう言って、姉さんはが買ってきたケーキを一つだけ貰い
「じゃあ!私はコレで・・・。グラハム、良いわね・・・心掛けなさいよ!」
「・・・あ、・・・あぁ。」
「?何のこと?」
「いや、うん・・・後で話す。・・・姉さん、ありがとう」
「どーいたしまして、じゃあねお二人さん〜」
姉さんは、明るく笑顔を振りまき
ドアを閉めた。
玄関先には、もちろん私とだけが立っていた。
「ねぇ、何?・・・何話してたの?」
「ん?・・・私が色々気をつけなきゃいけないこと。」
「?」
「まぁ、それは・・・コーヒーを飲みながら話そう・・・さぁ、おいで」
「ぅ、うん。」
そう言って、私はの肩を抱いて
リビングへと向かうのだった。
Love Life〜愛の注ぎ方注意事項〜
(まずは、私が努力するのが何よりの鍵だな)
-オマケ-
「ねぇ、グラハム」
「ん?」
「左手に持ってるその箱、何?」
「え!?・・・あぁ、これも追って・・・話すよ」
「うん」
まずは、彼女に承諾を得るのが先決だ