「さて・・・私もどうしようかな」
グラハムが出て行った後、私はその場で呟いた。
彼が休暇をとって数日。
四六時中家に篭りっぱなしで何をするか、と考えたら。
会話をするか。
食事をするか。
一緒に寝るか。
後は、アレをするか・・・の4つに限られていた。
ましてや、今日グラハムは出かけてしまい
私は全てのやることを失っていた。
「ま、洗濯物も少し溜まってるし乾燥機ばっかりに入れておくのもな。
久々に日向に干してご飯食べて・・・そうね、うん、寝よ」
とりあえずやる事を決め、行動に移す。
軽い動きくらいなら、薬だって発症しないだろうし
それに睡眠をとったら尚更薬の効果は防げるはず!
「よーし、やるぞ!」
そう意気込んで、彼の居ない時間を過ごすことにしたのだった。
「んっ・・・んー、あー」
あれから私は洗濯物を干して、食事をして眠くなったので寝たのだった。
そして、数時間して私は目を覚ました。
辺りを見渡すけれど、グラハムが帰ってきた気配が感じ取れない。
博士さんと話し込んでいるのか、それとも軍に寄っているのか。
どちらとも有り得ない状況ではないから、心配もする必要もなかった。
私は寝て固まっていた体を伸ばす。
「薬も、発症してないし・・・うん、今日は大丈夫みたいね」
グラハムが居ないときに
媚薬が発症したらどうしようかと思っていたが
今日は心配せずに過ごせそうな気がした。
「よし、洗濯物取り込もう」
私はベッドから抜け出し立ちあがった瞬間の出来事だった。
心臓が大きく跳ね、凄まじい心拍数と共に
体中に酷い熱を感じ始める。
「っ?!・・・あっ・・・はぁ・・・な、んでっ・・・今、ごろ・・・っ」
突然の薬の発症に私は、床に倒れこんだ。
そう、体中に熱を帯びると立っているのも正直ままならなず
上手く呼吸が出来なくなる。
それほど、退化薬品に含まれている媚薬は強力なのだ。
「どっ、どうしよっ・・・グラハム・・・ま、だ帰ってきてなぃ・・・の、にっ」
熱の酷さに体は動けず、おまけに少しでも
体の何処かに触れてしまえば感じられずにはいられない。
「もっ・・・ぁ・・・だっ・・・ダメッ」
私は、1人で処理をしようとした瞬間
蕾に触れようとする手を止めた。
『 1 人 で す る な よ 』
グラハムの言葉を思い出し、私は抑えた。
1人で自慰行為をしてしまえば確実に彼を怒らせてしまう。
そして、何をされるか分からない。
「で・・・でもっ・・・熱ぃ・・・」
ナカで暴れ回る熱を止めることが出来ない。
私には、それを抑えこむ力すら残っていないのだ。
体中が「性欲の虜」と化している今では。
「もっ・・・ム、リ・・・」
精神が限界に達し、私は禁断の場所へと手を、指を伸ばしたのだった。
「はぁ・・・あっ・・・ン・・・っ」
シテはいけない、とグラハムから言われていた。
昨日も、お風呂で約束したというのに・・・―――。
「んン・・・やっ・・・あぁ!」
私の理性って何て脆いんだろうか。
いつもならグラハムが側に居てくれる。
たくさん、私に愛を注いでくれるはずなのに。
どうして、こんなときに限って居ないのだろうか。
寂しくて、さみしくて・・・ああ、たまらない。
「あっ・・・ン・・・ぅ・・・はぁっ・・・」
彼の不在を紛らわすかのように
ナカを指で掻き乱しているけど思ったとおりの刺激が来ない。
「ん・・・グラ、ハム・・・」
いつも彼が触れると、ソコからはたくさんの蜜が零れ落ちる。
溢れ出てくる蜜を、飲み干すかのように彼はココを舐め扱く。
だから・・・グラハムが側に居ると・・・思いながら掻き乱す。
『触り方が、生ぬるいんじゃないのか?私はそんなに優しくないぞ』
「やっ・・・あ・・・だって・・・ゎかん・・・な・・・あぁっ」
『指を2本、挿れてみるといい。君はそうすると、とてもイイ顔をするんだよ』
「んぅ・・・ンっ・・・あ、あぁあ・・・はぁ」
此処に居ない彼に言われ、私はナカに2本と指を挿れ刺激する。
すると、さっきとは比べものにならないような快楽が押し寄せてきた。
体中に電撃のようなものが走り、指の動きが早まる。
そう、快楽を求めるかのように。
「んぁ・・・っ、あ・・・あぁ・・・ん、んン・・・もっ・・・やぁあ!」
『嫌とか言って・・・君のココは悦んでるじゃないか。
蜜だってこんなに零して・・・ああ、ハシタナイ子だな』
「だ・・・だって・・・グラハムがっ・・・・・」
「私が、何だって?」
すると、生々しいまでの声が聞こえた。
あまりの事で私は肩がビクッと動き、上昇していた熱が少しだけ冷めていく。
声の先に振り返ると・・・其処には・・・―――――。
「・・・何をしてるんだ」
「あっ・・・そ、そのっ・・・これは」
開いた扉に寄りかかって少し、怒った表情でグラハム―もちろん本物―が居た。
私はあまりの彼の突然の登場に行為を止め
足を閉じ着ていた彼のシャツで隠す。
しかし、床に滴り落ちた蜜までは隠し切れない。
グラハムはゆっくりと、私の方へと近づいてくる。
私はというと彼の顔が見れず、顔を伏せた。
「。言っただろ、1人でするなって」
「だっ・・・だって!」
「言い訳は聞きたくない」
「でもっ・・・でもぉ」
「我慢が出来なかった」とか言ったら、絶対怒るだろう。
体を侵食された熱を私自身制御出来ないのだから。
「、この約束を破った罪は重いぞ」
「えっ?」
その言葉に伏せていた顔を上げて彼を見た。
見上げた先のグラハムは顔は笑っていた。
しかし目は静かな怒りで満ちている。
そして、彼は囁く。そうまるで―――悪魔のように。
「それ相応なりの、辱めを受けてもらおう」
この時自分の行ったことを・・・酷く後悔した。
TEMPTATION
-
想像求愛
-
(誘惑に負け、求めてしまうあまりにしてしまった行為)