今、私の前に居るは幻か・・・それとも本物か。
逢いたくてたまらない気持ちが現実になり
一瞬思考が止まり悩んだ。
「ご、ごめんね・・・遅くなっちゃって。不安だったの、まだ治まってないんじゃないかって。
でも、もう昨日から大丈夫だから、カタギリさんにね・・・頼んで・・・っきゃあっ!?」
話を続けている彼女に近付いて
私はを抱きしめた。
触れてみて、分かる。
本物だ・・・・・幻でもなんでもない、本物の・・・本当のだ。
「グ、グラハム?!・・・どうしたの、苦しいっ」
「・・・本物だ・・・本物のだ」
「私に本物も、偽者もあるの?」
「・・・、逢いたかった・・・っ」
ようやく、君に逢えた。
ようやく、君に触れられた。
ようやく、ようやく・・・――――。
「ただいま、グラハム。ごめんね、心配かけちゃって」
君 の 声 が 聞 け た。
君の声で、私の名前を呼んで、それが何よりも幸せすぎて
今なら本当に死んでも構わない。
「じゃあ、僕は帰るね。お届けモノもしたし」
「え?」
「カタギリさんに連れてきてもらったの。グラハムに内緒で、驚かせようと思って」
「・・・君という子はっ!」
私は再び彼女を抱きしめた。
「ちょっ・・・!?カ、カタギリさん居るでしょ!!」
「可愛いな、可愛すぎるじゃないか!!・・・相変わらずその可愛さに私は心奪われる。
いや、もうとっくの昔に奪われているのだけれど、更に夢中になってしまうほどだぞ!!」
「も、もう分かったから離れてってば!人様居る前で恥ずかしいでしょうが!!」
「やれやれ。2人ともラブラブしてるみたいだし僕はお暇するね」
「カタギリ、ありがとう!」
「カタギリさん、すいません。長い間ご迷惑おかけして」
「いいえ・・・じゃあね、グラハム明日ね」
「あぁ、明日!!」
そう言って、カタギリは私の部屋を後にした。
その場には、もちろん私とが残った。
彼女が居るだけでこの部屋にいつもの明るさが戻ったようにも思えた。
「はぁ〜・・・、お帰り」
「ただいま、グラハム」
はにっこりと私に微笑んだ。
ダメだ、この笑顔を見るだけで・・・体が疼く。
そう、1週間半と眠らせていた欲望の獣が疼き始めた。
今すぐ、あれやこれやと頭の中でとの交わりを考えていたら
彼女は私の頬にそっと触れた。
「どうした?」
「ごめんね、1週間半も」
「辛かったよ・・・本当に」
「うん。・・・私もね、逢えなくて・・・辛かったわ」
「初めて、だな」
「そうね。・・・私ね、貴方と離れて初めて思ったの」
「ん?」
すると、ゆっくりとは話し始める。
「私ね、初めて・・・グラハムと離れて・・・こんなにも辛いものなんだって知ったわ」
「」
「2年前、貴方と出会うまで・・・何とも無かったのに。2年間貴方と一緒に居て
貴方が居ないとダメなんだって・・・私、思い知っちゃった」
「私は、少しでも君が離れてしまえばダメになってしまうんだぞ」
「私も、離れて凄く後悔した。ごめんね、側に・・・居てあげれなくて」
「そんなことないさ。・・・こうして、ちゃんと戻ってきてくれたんだから」
「うん」
満面の笑みを浮かべ―――――。
「ただいま、グラハム」
「お帰り、」
そう言って、私とは口付けをした。
1週間半ぶりに触れた、柔らかい唇の感触。
ダメだ・・・もっと、もっと・・・触れたい。
欲望の獣が徐々に触れられた喜びに暴れ始める。
「ぁッ・・・ぅ・・・んぅ・・・あ、ちょっ・・・ちょっと、待って・・・!」
「待てない」
「ダメ・・・あっ・・・・夕食食べてから・・・ね?」
1週間半も我慢してたのに・・・此処に来て更にお預けを食らう。
私はちょっとふて腐れた表情を見せる。
「・・・だ、ダメ!そんな顔してもダメです!」
「今すぐしたい。を感じたいんだ」
「っ!?・・・ダメ!!・・・言うこと聞かないと・・・もうしばらくはさせないわよ」
それを言われたら、私は元も子もない。
「ごめんなさい、私が悪かったです。に従います」
「わ、分かればいいの。・・・ねぇ、夕飯何食べたい?」
「の好きなもの」
「だーかーら・・・」
「それから、私の好きなものも」
「りょーかいしました」
が笑って、私に見せた。
私はそんな彼女の頭にキスを落とした。
「もう、一人ぼっちはゴメンだ」
「はい、承知してます」
「それから、我慢させられるのもゴメンだ」
「うん、まぁ・・・そうね、ごめんなさい」
「もう離れるとかやめてくれ、」
「えぇ、もう二度と離れたりしません」
そう言って、軽く唇を重ねて―――――。
「愛してるよ、」
「私も愛してるわ、グラハム」
おでこを付け合い、笑ったのだった。
コントロール・ライフ・リセット!
(制限解除、今、愛しい君が私の目の前に居る)