「ちょっと、よろしいかしら?」
「はい?・・・あら?どうしたのかしら、お嬢ちゃん?」
「グラハム・エーカー上級大尉はどちらにいらっしゃるのでしょうか?」
「エーカー大尉に会いたいの?・・・・大尉とはどのような関係で?」
「婚約者ですわ」
「は?」
それは嵐が来る直前だった
「すまないな、。こんなところの片付けさせて」
「こんなところは余計だよ、グラハム。・・・すいませんね、さん。手伝わせて」
「いえ、いいんですよ。私は全然平気です。」
とある日、カタギリの研究室を片付けるべく
を呼び出し一緒に書類の整理などをしていた。
「それにしても、凄い量ですねカタギリさん。」
「アハハ、捨てるに捨てれないって感じで・・・・溜め込みすぎかな?」
「溜め込みすぎだ、こんな紙切れだらけな部屋私は初めてだがな」
「君には言ってないんだけど」
「私やを駆り出したのは誰だ?君だろ、カタギリ」
「人数が多いと、部屋の整理が早く済むでしょ?特に君がいれば部屋が綺麗になる」
「どういうことだ」
「つまり、いらない物は即捨てるってこと。人と同じで」
「カーターギーリー」
「クスクス」
私とカタギリのやり取りを見て
が小さく笑い出した。
私は恥ずかしくなり、大量の紙切れと格闘を再び始める。
「ホラ見ろ、君のせいでに笑われた」
「僕のせい?自分のせいじゃなくて?」
「あのな〜」
「あ、そうだ。2人ともお昼まだだったよね、僕買ってくるから。何でもいい?」
「カタギリさんにお任せします。」
「ちゃんとした物を買ってくるんだぞ?」
「君じゃないんだし、ちゃんと買ってくるよ」
「おい!」
「クスクスクス」
そう言って、カタギリは研究室を出て行った。
その場には私とが残った
「仲良いんだね、カタギリさんと。」
「まぁな。というか、人を捨てるなんて誤解だからな。」
「はいはい。」
「信用してるのか?えらく浅い返事だが」
「信用してるからこそ、浅い返事なんです」
怪しい・・・・
私はちょっと怪しくなり、彼女に近づく
「何?」
「本当に信用してるのか?」
「当たり前じゃない。どうしたの?」
きょとんとした顔で、は私を見ていた
私はそんな彼女を抱きしめた。
「グ、グラハム?!」
「君にそんな風に思われたくない。か、カッコ悪いじゃないか・・・・そんな酷い男に見られたら」
「ねぇ、もしかして・・・・恥ずかしいとか思ってる?そんな風に思われて」
は体を離して、上目遣いで首を少し傾げながら私を見た
私は顔を横に向け、咳払いをする
「あ、当たり前だろ・・・・こんな私、見られたくない」
「・・・・可愛いね、グラハム」
「やめてくれないか、男としてその言葉どう受け止めればいいのか分からない。」
「いいじゃん、可愛いよグラハム」
「やめないと、その唇・・・塞いでしまうぞ」
「どうやって?」
「無自覚な子だな、君も」
私はそっと、との距離を縮めていく
彼女の息遣いが私に伝わってくる
「グラ・・・ハムッ」
「君がいつまでも黙らないから、お仕置きだ」
「だ、ダメだって!カタギリさん、もうすぐ帰ってきちゃう!!」
すると、は私の口を自らの手で止めた。
「別に構わないだろ。カタギリが帰ってきたくらいで」
「だーめ!」
「・・・・ランチなんか要らない、君がキスをさせてくれただけで私は充分なんだ。」
「お昼だよ、時間帯考えようね?」
「頼む、。キスだけ、キスだけだから・・・・な?」
藁にも縋る思いで頼み込むと・・・・私の口から手が離れる
「ちょこっと・・・・だけだからね」
「ちょこっとだけな。」
の了解を得ると、私は自らの唇を近づけていく
ようやく触れられる喜びに多分、既に理性は働いていない
さて、カタギリが戻ってくるまでどこまで出来るかな?
「グラハム」
「・・・愛してるよ」
そして、後数ミリで唇が重なる
互いの息遣いが空気中に混ざっていく
あぁ、やっと・・・・数時間ぶりにこの唇に触れられることが出来る
そう思った・・・・
「グラハムお兄様!!」
「は?」
「え?」
だが突如として、それは遮られた。
誰だ?私との時間を邪魔するのは?!
そう思い、声がした方向を見ると・・・・
「げっ!?」
「お兄様!!お昼ですよ、何をなさってるんですか!!!」
其処に立っていたのは、13〜4くらいの・・・・女の子
見覚えのある顔に私は思わず口調が変わってしまった
「か、関係ないだろ!・・・・大人の事情に突っ込んでくるな」
「まぁ!失礼な!!・・・・それにしても、誰ですのこの女」
「え?、わ、私?」
「彼女は私の恋人だ!お前には関係ない。」
私はすぐさまを抱きしめた。
すると、女の子はさらにムスッとした顔をする
「恋人!?!お兄様、私(わたくし)という人が居ながらなんですの!!」
「お前は違うだろ!!紛らわしい言い方はやめてくれ!!」
「紛らわしい言い方ぁ!?事実じゃないですの!!」
「まったくの嘘だ。誰だそんなことを決めたのは・・・というか、帰れ。」
「ぁ、あのぅ・・・」
「帰れだなんて!!酷いですわ、お兄様!!」
「ねぇ、ふ、2人とも・・・・」
「お前には似合いの言葉だと思うんだがな?子供は帰ってさっさと寝るんだ」
「もう!いい加減にして!!!」
「!?」
「な、何ですの!?」
すると、抱きしめていたが突然大声を出した。
あまりの事で驚いて言い合っていた私と女の子はを見た。
しまった、完璧にのことを・・・
私は思わず彼女に近寄る
「・・・・、ごめん。私が悪かった、こんなバカに気を取られてしまったばっかりに」
「バカは余計ですわ」
「もぅ、・・・・何よ、2人で・・・私、わかんないよっ・・・・」
「あぁ・・・ゴメン、ゴメン。私が悪かった・・・よしよし」
半泣きのを私は、優しく抱きしめて頭を撫でる。
「と、いうことだ・・・帰れ」
「嫌ですわ」
「ねぇ、グラハム・・・・この子、誰なの?」
すると、が女の子のことを聞いてきた。
紹介したくないのだが・・・これ以上話に参加できないとなると
は家出しかねないだろ(笑)
私はため息をついて、女の子を見る
「・・・・私の父の兄、一口に私の伯父だな。その人の子供だ」
「イリア・エーカーですわ。ところで、グラハムお兄様・・・私しばらくお兄様のところで厄介になりますので」
「「へ?」」
イリアの言葉に私とは素っ頓狂な声を上げた。
「な、何を言ってるんだ・・・・イリア」
「言ったまんまですわ。しばらくの間、よろしくお願いしますわね・・・お・に・い・さ・ま」
イリアは私にウィンクをした。
最悪だ・・・・。
史上最悪な嵐がやってきた!
(暴風警報発令!只今より、強烈なハリケーンがやってきますのでご注意下さい)