結局、私はイリアを家に招く羽目になった
の素早い承諾で、私の説得は虚しくすぐさま
イリアをしばらく面倒見ることになった。








-----ガチャッ。







「ホラ、入れ」
「お邪魔します・・・・アラ?お兄様、お部屋・・・・変えられましたの?」






部屋に入るなり、イリアは私の部屋が変わっていることに気づいた。
私は荷物を持ちながらリビングに足を進めた






「まぁな。」
「え?グラハム、部屋変えたの?」
「君と住むには下の階の部屋じゃ狭すぎるから、最上階まで移してもらっただけだ。」
「わ、たしのために?」
「当たり前だ。君が来るとなったら1人で住む部屋のサイズじゃ入りきれない。だから一番広い
最上階の部屋に移してもらったんだ。」








2年前まで、私は1人暮らしでマンションの下の階の部屋で暮らしていた。
だがとの同棲を決めた瞬間、管理人を説得(というか脅迫?)し最上階の部屋まで移してもらった。
おかげで今は居心地がよく、前自分が居た部屋とは比べものにならないくらい
快適な物だった。










「ぁ、りがとぅ・・・・私のために」
「君のためなら何でもするさ、







は照れながら私を見つめ、私も彼女を見つめ返していた

あぁ、やっぱり可愛いなぁ〜。
これほど可愛いから私はを手放したくないんだよな。







もう!私を除け者にするの止めてくださるかしら!!
チッ。コイツさえ居なければ平和なのに」
「ぁ、ごめんなさいイリアちゃん」





すると、すぐさま間にイリアが入り込んできた。
とイチャつく前にコイツが居るから厄介なんだよ。






「それと、・・・・さん、でしたわよね?」
「え?・・・・えぇ。」
「気安く”イリアちゃん“なんて呼ばないで下さるかしら?」
「え?」





そして、イリアはに牙を向けた。
しかも子供の言うようなことじゃない・・・・まるで小姑だ。
私は飽きれかえりながらも、イリアを注意する









「コラ!イリア。はお前よりも6つも年上、お姉さんなんだぞ。そう呼んで当然だろ」
「どうしてですの?初対面の、しかもお兄様の家に居候している女性に気安く呼ばれたくありませんわ」
「まぁ、言ってることは充分に当たってるから仕方ないよね」
、君も納得しないでくれ。皆この子を甘やかせ過ぎたからこうなったんだ・・・・誰一人として注意しないから」
「お兄様だって注意しなかったじゃないですの」
「注意する気が失せたんだ。まったく・・・・よりによって、お前を預かるなんて」









他のイトコや親戚ならまだしも、よりによって一番親族の中で厄介なイリアを
預かるなんて誰が予想しただろうか?







いや、誰も予想はしなかっただろう。








どーせ、母さん達は自分たちでこの子の面倒を見たくないから
イリアが一番懐いている私の所に預けたんだろう。











「イリアちゃん、来たことだし・・・・寝る場所とか必要よね。・・・・寝室で寝てもらえば?」
は?
「私、ソファーで寝るし。」
「ちょっ、・・・・ッ」
「そうですわね、私お兄様と一緒に寝ますわ。お兄様添い寝してくださいますわよね?」
ちょっと待て!
「何、グラハム?」
「如何なされましたの、グラハムお兄様?」









私を置き去りにして、話を進めるな!!!



一旦私は大きな声を出して、二人の会話を途切れさせた。
そして私は、の両肩を掴んだ










「待て。、君は今さっき何て言った?」
「私、ソファーで寝るし。・・・・だって、イリアちゃんお客さんだもん」
「このバカを客人扱いすることなんだよ」
「お兄様、何ですのその言い草」
。私は君の体が一番大事に決まってる・・・・あんな狭いところで君を寝せるわけにはいかない」
「別に狭くないじゃん、あのソファー。充分に広いでしょ?平気よしばらくの間だし」
「ダメだ。君がベッドで寝なさい・・・・」
「それは私が嫌ですわ。お兄様がソファーで寝るのでしたら私もソファーで寝ますわ。」










イリアは何処までも私にふっついて寝たいらしい。
だが、此処で私に甘えるのを断ち切らなければこの子は一生甘え続ける。

頼む、頼むから・・・・いつもの頑固を、此処で・・・・












「グラハムがベッドで寝て。イリアちゃんがそうしたいっていうんだし、してあげなよ。」











撃沈







いつもなら意地張って、頑として自分の意見を譲らない彼女が

どうして・・・・何故なんだ!!!!





私はあまりの事で灰と化す。











「よかったですわね、お兄様!!イリア嬉しいですわ!!」
「私はちっとも嬉しくない」
「言ったでしょ、しばらく我慢してって。いいじゃない別に減る物じゃないし」










減る物だ!!!











我慢弱い私だとは知ってる
なのに、敢えて彼女はその隣の位置を易々とイリアに譲ったのだ。


ベッドでなら幸い触れることは出来るはずだった・・・・いや、私の中では
それならできるとばかり思っていた。








なのに・・・・






なのに・・・・











〜・・・・私を見捨てないでくれ」
「別に見捨ててません。しばらく我慢してくださいって言ったの、わかんないの?」
「・・・・・・・・分かりたくもない」
「お兄様次いでだし、一緒にお風呂も入りましょう!イリア、グラハムお兄様の
お背中お流ししますわ
断固拒否。一人で入れ・・・・なら私の背中流してくれるだろ?」
バカハム!子供の前でそんなこと言わないの。もう知らない。」












は私の言葉に恥ずかしかったのか、怒りながら
キッチンへと向かい、夕食の準備に取り掛かる。



あー、神様は結局私を見捨てたんだな・・・・










「じゃあ、お兄様お風呂入りましょう」
「・・・・お前と入るのは憂鬱だ」
「何ですの、その態度は」
「はぁ〜・・・・私はと入りたかったのに。」










私は渋々、イリアを引き連れてバスルームに向かう






「ねぇ、お兄様・・・・どうしてそんなにまでして、あの・・・・とかいう女性が気になるのですの?」
「あ?」
「私の話、聞いてましたか?」
「どうして、が気になるかってことだろ?」
「ちゃんとお話聞いてるじゃないですの。なら、お答え下さい・・・・どうしてですの?」






すると、イリアが真剣な面持ちで私に尋ねてきた。
珍しいことがあるものだな、と思いながら私は口を開いた。








「それは、もちろん」
「もちろん?」
「私が彼女を愛してるからさ。私はを愛してるからこそ、気になるんだよ・・・・お前には分からないだろうがな」
「私だってグラハムお兄様のこと愛してますわ。」
「それは家族としてだろ?は違う、私は1人の女性として彼女を愛してるんだ」
「私だってお兄様を1人の男性として愛してますわ。この気持ちはあの、さんには負けませんわ」
「お前が言うと、気持ち悪いな。」
「お兄様!私は真剣に言ってるんですのよ!!」







真剣に・・・・と言われても、どうもこの子に恋愛感情が芽生えるというのは私にはムリなことだ。







「私じゃなくても、もっとお前に相応しい人が居るだろ?何故私だ?」
「お兄様じゃなきゃ私、嫌なんです。」
「・・・・はぁ、まったく。」
「さぁ、お兄様お風呂入りましょう!お背中お流ししますわ」
「仕方ないな、今日だけだからな。」
「はーい。」







結局、私も何気にイリアを甘やかしているのだった。





どうやったらこの嵐を対処できるだろうか?


頼む、誰でもいいから私の平和な日々を返してくれ・・・・!!!







嵐の処理の仕方が分かりません。
(引き裂かれた私と彼女、嵐は更に暴走を続ける)




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