「武器?」
「そう、君のために開発したんだけど・・・じゃーん!」





ある日、カタギリが怪盗フラッグ用に
武器を開発してくれた。

しかし、彼が私に差し出したのは・・・




「ただの、ステッキじゃないか。」
「フフフ・・・ただの、ステッキと思われちゃ困るなぁ・・・コイツはね・・・」






すると、カタギリは誰も居ないところで、ステッキを伸ばし






シャー・・・!!




「おぉ、伸びた!!」
「伸縮自在、回転を加えたら銃弾を弾けるよう頑丈な造りにしてる。もう、コレで怪我の心配要らず」
「日常生活でも使えそうだな。」
「バレないように、普段でも使えるようにしたんだ。コレだけのことしかできないけど
君の力には最低限なろうと思ってるから。」
「ありがとう、カタギリ。」
「どういたしまして。」






私はつくづく、いい友人をもったのだなと
心からカタギリに感謝するのだった。



















「どっちに行った?怪盗フラッグは?!」
「あっちだ!!」
「よし、捕まえろ!!」







「ハハハ・・・君たちでは、私を捕まえられんよ。」





警察たちの目を欺くように、私は屋根の上から彼らを
見下すように相変わらずの逃走劇を続けていた。



だが、手が届くわけでもなく彼らは私が降りてくるのを待ちながら
延々と追い続けていた。










「待て!怪盗フラッグ!!」
「ん?・・・あぁ、君か。」






すると、屋根の上に珍客が現れた。


ジョシュアだ。



何処から登ってきたのやら・・・







「何用かな?」
「奪った宝石を返せ!」
「私もクライアントというものがいるからね・・・返せと言われて、安易に返すバカではない」
「コレでも返さないという口か?」







すると、ジョシュアは私に拳銃を向けてきた。






私は微動だにせず、それを見つめていた。







「お前は、この拳銃で深手を負った・・・コイツが火を噴く前に、宝石を返せ」
「嫌だといったら?」
「お前を撃ち殺すまでだ!」








そう言って、ジョシュアは引き金を引いた。








ドォン!





ガキンッ!!






「何ッ!?」






私は、早速カタギリから貰ったステッキを使った


回転をかけて、私は拳銃から放たれた銃弾を弾いた。




突然の私の武器の投入で、それを予想してなかったジョシュアは

驚きの声を上げるが、彼はひるまず引き金を引き続ける。


しかし、私はステッキを回し銃弾を払いのける。










カチ・・・カチ・・・カチ・・・!





「な、!?弾切れ!?」





「詰めが甘いな・・・小型銃タイプは、中に1発入って5発弾を装着しても、最低でも6発が限界。・・・それくらい、基礎中の基礎だろ。」
「むっかつく男だなてめぇは!」
「人様が心優しく教えてやったのに、何だその言い草は。・・・まぁ、いい・・・君には色々と私もムカつく部分があるからな」
「な、何だそれ!?」









そうだよ、君がイライラするよ


私は、この姿でしか逢えないって言うのに


君は、いつでも・・・









「彼女を独占して・・・腹立たしいさ」



「なっ、・・・ぐはっ!?」





私は、ステッキで彼の腹部に一撃を与え気絶させた。



このまま、コイツを屋根の上から落としてやろうか

そうすれば彼女は私のモノ・・・永遠に、誰にも邪魔されることなく・・・







「フッ・・・バカだな、私は。」






そう呟き、ジョシュアを地面へと下ろした。


嫉妬しているんだよ、ジョシュア・・・君が羨ましいんだ




侯爵グラハム・エーカーとして逢えるわけでない

怪盗フラッグとしてしか逢えない自分が腹立たしくて





ありのままで、彼女の逢える君が羨ましくて・・・憎たらしいんだよ







「あー・・・何やってるんだ、私は。」






少しでも、彼女に近づきたいがため

少しでも、彼女を独占したいがため

何をしても届かない自分が悔しい



地位を手に入れても、権力を手に入れても、富を手に入れても、財を手に入れても







欠 け て い る の は 彼 女 だ け 






欲しい物は全て手に入れたとばかり思っていたのに

足りないものが分かったとき、欲しくても、手に届かなくて

手に入れることができなくて・・・











「どうすれば、いいのだろうな・・・この気持ちを」







もどかしい気持ちが連鎖して

このまま、彼女に逢ってしまえば

何をしてしまうか分からない自分が怖くなり

今日はそのまま奪った宝石を返して、帰るのだった。











君を欲しいばかりに、望んでしまう
(でも、どうすることもできずただ、悩むだけだった)



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