「い、いらっしゃいませ・・・侯爵様」
「この前は花をありがとう。客人に大変喜ばれたからな」
「そうですか、お褒めに預かり光栄です」








私は、彼女の花屋で寄り道をしていた
店頭でいつものように花を売っている彼女を見つけた途端
フラッグとして、ではなく・・・一人の男として
私は彼女に逢いたくてたまらなかった







「花を頼む。今日は君の気分に合わせても構わない」
「え?・・・よろしいんですか?」
「君の気分で見繕ってくれ・・・それじゃあ、ダメか?」
「ぁ、・・・いえ、じゃあ・・・」




そう言って彼女は適当に花を数本持ってきては
花束を作っていた。

私は作っている彼女をじっと見つめていた。




笑顔がとても美しくて

離れても、君だけの事を考えて

忘れたくても、忘れることが出来なくて




「侯爵様、何か?」
「いや・・・何でもない。」
「あまり見ないでくださいね、照れちゃいます」
「そうか。」




はにかんだ笑顔が、私の心の傷を

軋ませていた。

きっとこの笑顔は、ジョシュアが

君の側に居るから、できることだ。

私は君の側に居ることすら赦されない

でも、せめて・・・こうして、目に焼き付けるだけでも










「はい、できました。・・・どうぞ」
「ありがとう。」





出来上がった花束は、優しい空気に包まれ

艶やかに咲き誇っていた。

まるで、それは・・・今の君のようで








「っ、こ・・・侯爵様!?」
「あぁ、すまない。」




私は静かに目から涙を流した。

君とこうして逢うことしか出来ない

そして君を傷つけた最低の男にも

どんなことでも、優しくて・・・この花のようで

温かく包み込んでくれた。






「ありがとう」
「侯爵様」
「少し、思い出して泣いたんだ・・・気にしないでくれ」
「・・・はぃ」
「御代は、これくらいで。・・・泣いてる所を見られてしまった、口止めとしておつりも取っておいてくれ」
「あ・・・で、でもっ!」





コレくらいしか君にはしてあげれないんだ

花を買って、君と話すことしか

今の私には叶わない

君の心を傷つけた最低の男として

金で解決なんてしようと思ってない・・・純粋に

私の気持ちとして





「受け取りなさい・・・私からの気持ちとして」
「・・・はぃ」
「ありがとう。素敵な花を」
「はい。ありがとうございました」









花束を持って、私は馬車に戻った。
私を乗せたことを確認すると、馬車は再び動き出した。















「泣くくらいだったら・・・降りなきゃよかったのに」
「仕方・・・ないだろ・・・逢わずには、いられない・・・」



私は涙をとめることができず、カタギリの言葉を耳に入れながら
顔を下に俯かせていた。

目に入ったのは、彼女が飾り付けてくれた花束





「まったく・・・どうして、好きになんかなったんだろうか」
「グラハム」
「本当に、恋をすると・・・厄介だよ」








心の全てを支配され、何よりも彼女を優先にしてしまう

あぁ、神よ

いつか私と彼女は結ばれる日が来るのでしょうか?

でも、今は教えて欲しい

どうすれば、また彼女を愛することが出来るのでしょうか?






流れる涙は愛しい君への想い
(君を想うだけで、胸がいっぱいになって、張り裂けそうだ)





inserted by FC2 system

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!