『君が好きだ』
そう言われて数日、彼の言葉は本気でした。
人が見てなくて、隙あらば迫ってくる始末
そうです、此処は学校ですよ!!立場を考えてください!!!
え?私の彼は誰かって?
・・・それは・・・
「この三角形に垂直線を引けば此処に平方四辺形が完成される。
つまり、この平方四辺形に公式をあてはめていけば・・・・」
誰もが憧れる学校のアイドル教師
グラハム・エーカー先生、その人です。
数日前、私はそんな人に告白されました。
誰も居ない、今授業を受けているこの教室で。
私は先生から告白されました。
でも、はっきりと私だって・・・好きですって答えたわけじゃない
あまりの先生の真剣な顔に、心臓が張り裂けそうで
顔が真っ赤になって・・・
そのときは咄嗟に、答えてしまった
そらね、私だって先生に告白されて嫌な気はしない
むしろ驚いてるくらい・・・正直、今でもあの人の隣に私が立っていいのか
迷ってしまうくらいで・・・
「困ったなぁ〜」
「そうだな、私も君が授業を聞かなくて困っているところだよ・・・さん」
「!?・・・エ、エーカー先生。」
すると、いつの間にやら私の隣に先生が笑いながら立っていた。
でも・・・目が笑ってない。私は思わず冷や汗が出てる
「で、何でお困りかな?・・・授業に関係のある事か?」
「ぃ、いぇ・・・か、んけい・・なぃです、すいません」
「まったく。・・・後で先生のところに来なさい、説教だ」
「えぇえ!?」
するとクラス中の女子は「羨ましい〜」とか「いいなぁ〜」とか声を上げる
私はちょっとボーっとしてただけなのにぃ!!
でも、去って行く先生の顔に、小さな微笑みが見えたのは気のせいだろうか?
・・・キーン、コーン、カーン、コーン・・・・
チャイムが学校中に響き渡り、私は席を立ち教壇に居る先生のもとに向かう
「あのぅ〜それで、お説教は?」
「そうだな、とりあえず・・・・先生と一緒に来なさい。
他の生徒は次、学年集会だから整列してホールに行くように。」
先生は他の生徒に指示して、教室を出た。
私はすぐさま先生の後ろを追った。
他の生徒はそんな私の後姿に、痛いほどの視線を浴びせていた。
私だってこんな事になるなんて思ってなかったわよ。
私は先行く先生の後ろをゆっくり歩いていた。すると、先生の歩行のスピードが落ちる
「ぁ、あの・・・」
声を出すと、突然先生が私の腕を掴んでぐいぐいと引っ張っていく
あまりのことで何が何だか分からない
「ちょっ、せ・・先生?!・・ど、何処行くっ・・・きゃっ!?」
すると、人気の少ない所に連れてこられ
壁に体を付けられ、目の前に先生が覆いかぶさるように立っていた。
もちろん、顔の横に先生の手があり逃げられない体勢である。
「で、何を君はボーッとしてたんだ?」
「え?」
すると、低く笑みを浮かべながら先生は私に話しかけてきた。
「私が注意するまで、何を考えて込んでいたんだ。と聞いてるんだが?」
「そ、それは・・・」
先生の事考えてました。なんて口が裂けても言えません
私が口を噤むと、先生は眼鏡を外しキスをしてきた。
最初は優しくだけど
徐々に荒々しく、口の中に舌を入れて暴れまわる
「ンッ・・・んん・・・ぁ・・・はぁ・・」
数秒して、先生はようやく私の唇から離れ
私も呼吸を整える
「疚しい事でも考えていたんじゃないだろうな?」
「・・・ゎ、私・・・先生じゃありませんから」
「おやおや、私は君からしてみればそんな風に見えるのかな?」
「さっきだって・・寝ている生徒とか居たのに真っ先に私の所に来たんですもん。それは先生がずっと私を見ていた証拠です。」
「君の観察眼はピカイチだな・・・そうだ、ずっと、君を見ていた。」
相変わらず恥ずかしいというか、人目というのを気にしてないの?
「先生、此処学校ですよ」
「そうだな」
「少しは場所を考えてください、いくら此処に人があまり来ないからってこんなところに連れ出して・・・キス、するなんて・・・」
「キスは嫌だったか?」
「人の話聞いてます?」
「じゃあ、何処だったら良いんだ?何処だったら君は満足するんだ?」
まるで、子供だ。
皆の憧れている先生は
こんなにも我がままで、
大人気なくて、意地っ張りで
すぐに突っ走っちゃって
でも、何だが放っておけなくて
あ、そっか
「先生」
「何だ?」
「先生がスキです」
「!?」
だからスキなんだ
そういう、誰も知らないところを自分だけが知っていくから
この人をどんどんスキになっていくのか
「?どうしたの、先生?」
すると、先生は私の肩に顔を埋めた
「頼む、そんな顔・・・他の男の前で見せるんじゃないぞ。あまりにも可愛すぎて・・・ダメだ」
「ちょっと、大げさですよ先生。」
ようやく分かりました
ようやく解けました
そして、ようやく貴方に言えます
先 生 が ス キ