「いいかい?此処、テストに出すからよく聞いておくんだぞ?・・・つまり・・・」
本日、数学の授業
もちろん担当は、校内人気ナンバーワン教師グラハム・エーカー先生である。
普段はカッコよくてクールな先生だけど・・・本当は私とは恋人同士なのです
そうですね、皆騙されてます
アレが先生の本当の姿だと誤解をしてます
・・・本当の先生は・・・
「の事が好きで、好き過ぎて・・・私もダメだな」
「は、恥ずかしい事いわないで下さい。勉強に集中できません」
私はカタギリ先生の了解を得て、化学準備室で
自主学習をしていた・・・が、目の前、いつもカタギリ先生が座っている机に
頬杖をついて、私をじっと見ているエーカー先生が居た。
「他の生徒が見たら、幻滅すると思います」
「何がだ?」
「先生のそういう姿。・・・皆カッコイイとか、色々思ってるのにイメージダウンですよ」
「そうか?むしろ似合ってるからイメージアップすると思うが?」
相変わらずのヘリクツです。
私はもう反論も出来ない・・・いや、正直反論すらしたくない
皆勘違いしてる
そうね、外見で判断しちゃダメだって事
ホントは・・・
「なぁ、今から何処かドライブに行かないか?」
「宿題終わってません」
「いいだろ、家でするんだそんな物」
ワガママで
「何言ってるんですか、別にいいでしょう。私の勝手です」
「学生が勉学に励むのはいいことだが、息抜きが必要だといってるんだ」
「先生の息抜きは、信用できません。」
自分勝手で
「信用できないとは何だ。君は私を信用してないのか」
「半分は。」
「おいおい、心外な言葉だな。君を一番理解している人なのに?」
「理解しているかどうかは分かりませんね。」
ヘリクツばっかりで
「まるで、君は小さな子供だな」
それは、貴方だと思います
そうですよ
この人は、ワガママで、自分勝手で、ヘリクツばっかり並べて
その上27歳って私よりも10コも年上なのに、精神年齢が10歳以下じゃないかと思うほど子供です
「騙されたなぁ・・・」
「何に騙されたというんだ?」
「・・・・はぁ、色々ですよ」
人は外見で選ぶ者じゃないって事です
え?私?
私は別に外見で判断はしてませんよ。
誰にでも優しく接する先生の姿に憧れていただけです
私もあんなふうに、誰にでも優しく出来たならなんて思ってたのに
蓋を開けたら・・・こんな人だったなんて
「なぁ、。君は私が好きか?」
「突然何言い出すんですか」
突然の先生の発言に、走らせているペンを止めそうになったが
多分コレもこの人の作戦なのだ。
私に向いて欲しい・・・ワガママなこの人のすること。
「好きか?って聞いてるんだ」
「好きですよ。好きじゃなかったら、一緒に居ません」
「言葉に棘があるな。私が嫌いなのか?」
「違いますから」
「その態度がますます傷つくな。そうか、君は私が嫌いなんだな」
あー・・・もう!
私はペンを止めて、先生の顔を見た
「好きです!好きだから愚図るのやめてくださ」
「ようやく見たな。」
「っ!?」
しまった、罠だ
顔を上げさせるための罠か・・・なんで私、こんな簡単な罠に引っかかったんだろ
しかも先生はしてやったぞっていう顔で私を見て笑っている
カッコイイから・・・そういう顔が反則なんだって
すると、頬に温かモノが触れてきた・・・エーカー先生の、手だ。
「せ、んせ・・・っ」
「ようやく、私に目が来たな。がこっちを向かないから苦労する」
「先生・・・そんな宿題にまで、たかが紙切れですよ」
「たかが紙切れでも嫉妬するさ・・・君の目を奪っているのと変わりないからな」
もう、子供です。
紙切れにまで嫉妬するなんて
でも、私も、結局は・・・この外見に騙されたのよね
「先生は、卑怯です」
「、君が私には卑怯だと思うが?」
「言ってる事が分かりません」
「分からなくていいよ。」
そうよね、皆・・・私も含め
きっと、この人の魔法にかかっているのよね
外見なんてまやかしだ