さて、本格的に動き出そう
蓮の花を今、散らして
貴方に、絶望を・・・・・・・・・・。
「・・・クソ、恭弥・・・やっぱり本気で殺してやる」
結局、アレから本当に
恭弥は私が足腰立たないくらいまでメチャクチャにした。
次の日起きたら、腰が痛くて
布団から起き上がれない状態・・・やった本人は、全然いつもの無表情で
『早く起きたら?』
昔からの付き合いで、今まで甘く見ていたが
本気であの綺麗な顔をボコボコにしてやりたいと思った。
結局起き上がれないので、その日の学校を欠席せざる得ない状態になった。
そう、恭弥の狙い通り・・・私は学校を休んだ。
そして、次の日
何とか授業の遅れを取り戻すために、私は
放課後の課外授業まで残っていた。
よし、今日こそ帰って恭弥の奴・・・ボコボコにしてやる。
久々に遅くなり、校門は既に閉門され
仕方なく裏門に回り、門をくぐると・・・
「お姉様!」
「あぁ・・・千夏ちゃん・・・まだ残ってたの?」
「はい!お姉様が出てくるのを待ってたんです」
門から出た途端、可愛らしい声に止められた。
振り返ると、其処に居たのは松橋千夏・・・私の可愛い後輩で
「恭弥お兄様がちゃんと見ててくれって」
「(あんのヤロ・・・千夏ちゃんまで)」
恭弥の遠縁なのだ。
別に入学した当初は誰だか分からなかったが
彼女自身が『私、雲雀恭弥お兄様の遠縁で・・・お姉様をよろしくと頼まれたので』
という、それ以降、私は千夏ちゃんと仲が良いのだが
如何せんあの、恭弥の差し金というのが少し気に食わない・・・此処までするかアイツ。
「お姉様?」
「あぁ・・・ゴメン、じゃあ帰ろうか千夏ちゃん・・・お家まで送るよ」
「そんなお姉様のお手を煩わせるなんて!」
「いいの・・・ホラ、帰ろう。」
「は、はい!」
そう言って、千夏ちゃんを家に送ろうと思って
2人で足並みそろえて歩いていこうとした。
「ようやく、お逢いできました。」
「え?」
すると、目の前に見慣れた変な格好の人
「貴方・・・」
そう、深緑色の制服にパイナップル頭・・・そして目元にはサングラス
2日前の・・・あの、変な男。
瞳がサングラスで隠れて分からないが
口元は喜んでいるのか、微笑んでいる。
「お姉様」
「どうしたの、千夏ちゃん?」
すると、千夏ちゃんが私の制服の袖を引っ張り
何かを伝えようとする。
「あの人・・・昨日も、・・・」
「え?」
「校門前に・・・。でも、お姉様が休んで学校にいないって知ったら・・・すぐに帰られたみたいで」
千夏ちゃんの話を聞いて、すぐさま目の前の男を睨みつける。
「おやおや、警戒してます?」
「昨日も来たらしいじゃない・・・警察呼ぶわよ。」
「いいですが、でも、まだ僕は貴女に実害を与えていないため・・・僕を捕まえることは出来ないと思われますが?」
「・・・よくご存知で。」
そう言って、男は一歩一歩私達に近づいてくる。
私は隣にいた千夏ちゃんを背後に隠し・・・小さく彼女に喋るかける
「千夏ちゃん・・・逃げて」
「え?・・・で、でも・・・お姉様っ!」
「いいから逃げて・・・私は大丈夫だから。」
「ですが!!」
「伊達に、あのアホ恭弥を相手にしてないって・・・アイツをあそこまで最強に育てたのは誰かな?」
「そ、それは・・・お姉様・・・です」
「そうよ。・・・あの雲雀恭弥を最強までしたのはこの私。あんな変なパイナップル頭なんかに負けないわ」
負ける自信なんて無い
ましてや、あの恭弥を凌ぐ自分の実力今だって誇っている。
とにかく、この男の目的は私
関係のない千夏ちゃんを巻き込むわけには行かない。
「ホラ、行く・・・千夏ちゃん」
「は・・・はい!」
そう言って、千夏ちゃんは走り去っていく。
目の前の男は、どうやら本当に私狙いのようだ・・・千夏ちゃんが去っても
微動だにせず、男は立ったまま笑みを浮かべている。
「それで、パイナップルさん・・・私に何か御用で?」
「クフフフ・・・面白いあだ名を付けていただいたようで。」
「人の話聞いてる?私に何か用?・・・・用がなければ・・・・」
ガシャン!!!
「っ!!」
「喰い潰すわよ・・・・貴方」
私はカバンを置いて、瞬時に隠し持っていた
トンファを出し、目の前の男に攻撃を仕掛け・・・かけていたサングラスを割った。
割れたサングラスは、地に落ち・・ようやく男の目が見えた。
「・・・オッド、アイ・・・」
赤と青のオッドアイ。
日本人?・・・いや、でも・・・日本人的な顔はしてる。
「さすがですね、 さん・・・こんな小さな標的を、しかも僕の顔に傷一つつけずに割るなんて。」
「パイナップルさん・・・貴方何者?本当にただの人ってワケじゃないわね。」
「あ、そうそう・・・自己紹介、遅れましたね・・・僕は・・・」
「六道骸と言います。」
目の前の男は、にこやかな笑みを絶やさず
自らの名前を明かした。
「六道・・・骸?・・・貴方、恭弥を・・・っ」
「おや?知っているのですか?・・・まぁアレは彼が病原菌にかかったのが彼の敗戦の原因ですけどね」
「・・・よくも・・・よくも、恭弥を・・・!」
頭に血が上り、私は彼に襲い掛かる。
あの時のことは、恭弥の友達?のツナ君たちから聞いた話で。
スゴイ怪我を負っていたのも覚えている、まぁ恭弥の回復力は人並みはずれているけど
でも、本気で心配した・・・そして、同時にこんな風にした奴を許せなかった。
アイツの幼なじみとして・・・そして、・・・・
-----パシッ!!
「なっ!?」
「女性がこんな危ないもの、振り回しちゃいけませんよ」
「ッ・・・チッ!」
いとも簡単に、トンファの1本を受け止められ
これ以上の間合い、確実に自分に危ないと察知したのか
私はトンファから手を離し、距離を置いた。
骸とか言う人物は、受け止めた私のトンファをすぐさま地面に落とした。
「意外と、好戦的な方なんですね・・・サン」
「アイツと一緒にしないでくれる?言っておくけど、普段はこんな風に戦いは好まないので」
「今は別と?」
「そうね・・・貴方ムカつくし・・・それに、恭弥に怪我を負わせた人物ともなれば・・・戦いは避けれないわ」
「ほぉ。・・・それほど、貴女は・・・」
「あの雲雀クンが好きなのですね」
「!?」
何、コイツ・・・。
「そんな事、あるわけないでしょ!!」
「逆上すると言うことは・・・少なからず当たってはいるみたいですね。」
私は自分の気持ちを隠すように、再び彼に襲い掛かる。
そうよ、好きよ・・・好きだから、アイツが求めてきても拒んだりしなかった
好きだから・・・好きだから・・・
「まぁ、そういった所が・・・貴女は、とても美しい」
「なっ?!また!」
すると、残りの1本ですら骸は軽々と受け止めた。
しまった・・・!!
しかも、かなり骸とは近距離・・・トンファを捕まれ、私は無防備
これじゃあ・・・・
--------ドスッ!!
「っ!?・・・カ、ハ・・・ッ」
突如、お腹に激しい痛みを感じた。
すくい上げるように、骸の拳が・・・お腹に入る。
痛みで自然とトンファから手が抜け
そのまま骸の体に倒れこんでしまう。
「だからね・・・サン」
「・・・貴方・・・き、らぃ・・・」
そう言って、私はそのまま気を失った。
「最高の褒め言葉ですよ、それは。・・・・っと、少し手荒でしたかね。」
彼女のお腹に1撃を与え、そのまま気を失わせた。
しかし、まさかこんなに簡単に手に入るとは・・・・。
「まぁ、いい・・・後は帰ってから・・・クフフフフ・・・」
僕はそのまま、さんを抱き上げ
カバンも彼女の上に乗せ、そのままアジトである黒曜ヘルシーランドへと戻るのだった。
蓮に絡みついた蜘蛛の糸
(捕まえて、二度と離さない様に・・・してさしあげましょう)