「恭弥・・・久しぶりだね。」
「・・・なの?」
「うん。」
数年ぶりに逢ったは見違えるほど、綺麗になっていた
そうだ、最後に逢ったのは、まだ小学生の頃だったから。
「、お姉様・・・危ないですわよ」
「あぁ、大丈夫・・・恭弥、私の幼馴染だから」
「えっ!?お姉様と雲雀恭弥が!?」
「ねぇ、恭弥・・・ウチに来ない?ご飯食べよう!」
「え?」
すると、がいきなり僕の手を握ってきた。
突然僕の心臓が動いた。
振りほどきたいのに、振りほどけない。
「ホラ、行こう恭弥」
「ちょっ・・・、痛い・・・引っ張らなくても歩けるって」
「あ、お姉様!?」
「ゴメンね、また明日!!」
そう言って、群れていた女子の和からは離れ
は僕の手を引いて、何処かへと歩いた。
心臓が酷く鼓動を繰り返す。
どうすればいいのか分からない・・・振りほどけない手
嬉しそうに手を握って離さない。
昔と、昔とちっとも変わっていない・・・僕の、幼馴染で・・・僕の、大好きな
「・・・いつ、帰ってきたの?」
「先月・・・もう、海外に居るの飽きて・・・日本に戻ってきた。だって、外国に居ても楽しくないもん。
異文化交流とか言いながらも、友達出来ないし、恭弥も居ないし・・・帰ってきた。」
そらね。海外には僕は居ないし。
僕はずっと並盛に居た
そして、君が戻ってくるために、治安を良くした
だって、君が並盛・・・好きって言ってくれたから・・・の好きな並盛を守りたかったから
そして、何より戻ってきての喜ぶ君の笑顔が見たかったから
「昔のお家に戻ろうと思ったけど、もう家が潰されちゃっててさ・・・更地しかなかったから・・・
新しいお家建ててもらって、今そこで海外で暮らしてた時の執事一人引っ張ってきて、一緒に暮らしてる」
「男?」
「当たり前でしょうが・・・別に疚しいことないから安心していいよ。あ、恭弥そういうの関係ないもんね・・アハハハ」
は笑いながら僕に話した。
だけど、少し不安だった・・・だって、一つ屋根の下、男と女って言うのは・・・危険。
僕だって・・・成長した・・・それくらいのこと少しは知ってる。
でも、君が他の男と一緒に居るところ想像しただけで・・・凄く嫌な気分になった。
「ただいま!」
「お帰りなさいませ、お嬢様・・・おや、そちらの方は?」
結局僕はの手を振り解けないまま
家に連れて行かれた。
玄関を開けると、其処には20代後半の青二才な男がスーツを着こなし
玄関先に飾る花瓶を棚に置いていた。
「私の幼馴染の雲雀恭弥・・・あ、恭弥コイツ私の家の執事の聖」
に紹介され目の前の男を見る。
男は、柔らかい笑みを浮かべていた。
「あぁ、貴方が・・・雲雀恭弥様ですね。お嬢様からお話しはよく聞かされておりました。
初めまして・・・私、家執事の金城聖と申します。」
「・・・雲雀、恭弥・・・」
目の前の男は僕のぶっきらぼうな挨拶にも、何一つ嫌な顔せず笑っていた。
何か・・・ムカつく・・・。
ムカムカする胸の奥。
痛くて、痛くて・・・針で何度も何度も刺されているようだった
「ねぇねぇ、聖・・・今日はハンバーグ作ってよ!・・・恭弥が大好きだから」
「はい、お嬢様・・・かしこまりました。」
「ホラ、恭弥も上がって」
「いい・・・帰る」
「え?」
これ以上、イライラしたくない。
凄くムカついて、久々に逢ったと言うのに・・・どうして、が他の男の前で
ニコニコと笑っている姿を見なきゃいけないんだ
「恭弥・・・どうしたの?」
「別に。・・・眠いから、帰る」
「ウチで、眠っててもいいんだよ・・・ご飯いらない?」
「いいよ、僕に構わないでくれる」
「恭弥」
腕に、の手が触れた
---------パァアン!!
「!?」
「!!」
気付いたら、僕はの手を払っていた。
何を、僕は何をしたんだ・・・。
一瞬頭が真っ白になり、を見る
瞳に涙を浮かべて、必死で堪えている
違う・・・・違う、こんなはずじゃ・・・ないのに・・・
僕は・・・僕は、が・・・が・・・
その場の空気に耐え切れず、僕はそのままの家を出て行った。
風を切るように、僕は走った
違う、違うんだ・・・僕は、・・・のこと・・・
君にあんな風な顔をさせるつもりなかったのに・・・どうして、僕、君にあんなこと・・・
泣きそうな顔をさせたんだろうか。
その日、僕は家に戻ることなく、当たるように人を傷つけた。
次の日から、下校時刻校門前にはが立っていた。
皆物珍しそうに彼女を見ていた。当たり前だ、並中と比べて
彼女の通う学校はお嬢様の学校、皆が珍しそうに見るのも無理はない。
「誰か、待ってるのでしょうかね・・・委員長」
僕は、屋上で校門前で待っているを見つめていた。
背後に居る草壁が僕にそう問いかける
「草壁」
「はい」
「あの子、悪い虫がつかないようにしておいてくれる・・・あの子にナンパしそうになったヤツが居たら
その場で咬み殺していいから。」
「え?・・・委員長?」
「じゃ、僕眠いから帰るね」
そう言って、僕は草壁に言い、僕は屋上を去った。
もちろん僕が帰るのは正門からじゃない・・・の待っても居ない、裏門から出た。
いつまで、僕らはギクシャクしたまま過ごすのだろうか
ようやく、数年ぶりに逢えたというのに・・・たった一度の過ちが・・・僕の心にぽっかりと穴を開けていた
隙間風のように、スカスカで・・・痛い。
でも、また逢えば・・・僕は本気で、を傷つけそうで怖かった。
怖い?・・・何故?・・・だって、それは、だから
を傷つけてしまえば、また泣いて・・・僕は何もできなくなってしまうから
それくらい、僕はが・・・のことが・・・好きだから
その気持ちに気づいた時、穴が塞がった。
そして、相変わらず屋上から校門を見ると・・・草壁が目を離している隙
に草食動物たちが群れを成していた。
「ねぇ、君さ・・・あの女子中の生徒でしょ?可愛いね」
「え?・・・あ、あの・・・」
「誰か待ってるの?毎日ねぇ、待ってる間暇だしさ、俺達と遊ばない?」
「い、いや・・・大事な人と逢わなきゃいけないから・・・」
「いいじゃん、別に。どうせ、大したヤツじゃ」
「君たち、僕の連れに何か用?」
「恭弥」
「げっ!?・・・ひ、雲雀さん・・・っ」
まったく、後で草壁のヤツ咬み殺す。
あれほど目を離すなといったのに・・・が怖い思いをしてるって言うのに
僕がに近づくと、草食動物たちは群れて何処かへ行った。
「恭弥」
「ちょっと話があるから」
「えっ・・・あ、恭弥!?」
僕はの手を引っ張り、校内にと連れ込んだ
そこで多くのギャラリーが見ていようが構わなかった
今はこの手を離してはいけないと、そう心が訴えていた。
そして、応接室へとをつれてきた。
扉を開けて・・・・・・
「入って」
「・・・ぅ、ぅん・・・」
が入り、僕がその後に入る。
誰も入ってこないように、僕は鍵を静かに閉めた。
は、窓から差し込んでくる夕日を見る。
「コレが並中なんだね・・・へぇ。」
「も並中に、転入すればよかったのに」
そうすれば、僕がずっと側に居たのに。
「親がね、許してくれなかった・・・並中に行きたいって言ったのに・・・ダメだーって頭ごなしに
否定されちゃってね・・・学費出してもらっているうちは、言うこと聞かなきゃと思って。」
「そう、なんだ。」
「まぁ、それでも、またこうやって・・・恭弥と逢えたから・・・いいけどね」
夕日を背に、は僕に笑って見せた
どうして、君はそんなに僕に優しいんだ。
君の手を振り払った、最悪の男だよ
君を傷つけた、最低の男だよ
それなのに・・・それなのに・・・・・
「」
「えっ?・・・きゃっ!?」
そう言って、僕はソファーにを押し倒した。
彼女はあまりのことで、驚きの表情が隠しきれていない
「恭、弥・・・」
「何で待ってたりなんかしたの?」
「そ、それは・・・この前のこと、謝りたくて・・・私が無理して連れて行ったから、恭弥気分悪くしたのかと思って」
「それで・・・校門の前で、ずっと僕を待ってたの?」
「だって、こっちに戻ってきたばっかりで恭弥の携帯の番号もアドレスも知らないから」
「だからって、わざわざ待ってる必要ないよ・・・さっきも見ただろ、君目当てで草食動物たちが群れるんだ」
「それでも、恭弥に・・・逢いたくて・・・」
どうして、君はそうやって・・・
「じゃあさ、僕が此処でを犯しても・・・、僕のこと好きでいてくれる?」
「ぇ?」
「僕が此処でをメチャクチャにしたら、僕の事嫌いになる?」
「恭弥」
「もう、イヤだ・・・こんな自分が・・・イヤなんだ・・・醜いよ、・・・僕、ドンドン汚れていくよ」
醜く歪んでいく
君がこんなにも好きなのに、どうして伝えれないのか
君を傷つけるだけで、泣かせてしまうだけで、僕にはそんな方法でしか君と接することが出来ないなんて
「恭弥」
すると、が僕の髪に触れた
優しく触れられたその手から、伝わってくるの温もり
「・・・」
「私、恭弥になら・・・酷いこと、されてもいい・・・何されたって、嫌いになったりしないよ」
「・・・」
「だって、私も・・・・」
「恭弥のこと、好きだから」
そう言って、は僕に抱きついてきた。
首筋に、の腕が優しく絡みつく
「本当はね、あの時・・・止めてほしかったの」
「あの、時」
それは、が海外に行くと告げた・・・小学校5年生の時
「行かないでって・・・恭弥に言ってほしかった・・・」
「」
「恭弥のこと、大好きだから・・・ずっと側に居たかったから・・・行かないでって・・・言ってほしかった」
「・・・ごめん、」
すれ違っていたんだ・・・僕たちは
小さい頃から握っていた手を、僕があの時離してしまったばかりに
に、僕はツライ思いをさせていた。
ずっと、ずっと握っていていたら・・・は・・・離れなくてよかったのに
こんな、ツライ思いをしなくてよかったのに。
「だから、ね・・・私、恭弥に・・・ひどいこと、されても・・・」
「もう、いいよ」
「ぇ?」
「酷いことはしない・・・だって、僕・・・のこと、好きだから」
「恭、弥」
「でも、イヤだったら・・・言って。・・・すぐにやめる」
「うぅん・・・イヤじゃない・・・お願い・・・」
私 ヲ 恭 弥 ノ 一 番 ニ シ テ
「っ・・・は、・・・あっ・・・ぃ・・・」
「、痛い?」
夕日が差し込む、応接室
ソファーで2人、衣服を脱ぎ捨てて、体を重ねあっていた。
僕の下にいるは薄っすらと涙を浮かべていた。
「抜こうか?」
「やっ・・・やだ・・・やめ、ない・・・で」
「でも・・・痛そうな顔してる。痛いんでしょ・・・やめよう、」
そして、僕はゆっくりとのナカから
自らの性器を出そうとしていた・・・。
「ま、待って・・・!」
「・・・?」
すると、僕はあまりのの声に、抜くのを止めた
「や、やだ・・・途中で・・・やめちゃ・・・いゃ・・・」
「・・・・・・」
は顔を真っ赤にして、目を伏せてそう僕に言った
もしかして・・・・・・
僕はそっと、の耳元で囁いた
「、途中でやめたり・・・焦らされるのダメ?」
「っ!?」
「ワォ、当たり?」
僕の言った答えで、はさらに顔を赤くした。
あまりの可愛さに、僕は彼女の瞼にキスを落とした
「恭、弥・・・っ」
「の新しい一面、僕一番最初に見たよ。・・・可愛いね、」
「恭弥」
「好きだよ、・・・大好き」
僕は君にしか、この言葉は囁いてあげれない
だって、僕にとって君はもっとも愛しい存在だから。
「・・・恭、弥・・・」
「起きた?」
数回に渡る情事に、は眠ってしまった。
僕は服を整え終えると、彼女に服を着せそのまま抱き上げ
彼女の家へと連れて帰り、部屋で寝せていた。
「此処・・・」
「の家だよ・・・僕が連れて帰ってきた。」
「あり、がとう・・・疲れて、寝ちゃったね・・・ごめんね。」
「いいよ、別に。体、痛くない?」
「腰、・・・痛いかも」
「じゃあ僕が看病してあげる・・・ご飯食べる?アイツに作るよう頼んでくるよ」
「・・・ぅん。」
そして、僕はの寝ている布団から立ち上がり
の執事に何か作ってもらうよう頼みに、その場を離れようとした
「恭弥」
瞬間、にズボンの裾をつかまれた。
僕は思わず動きが止まり、を見る。
「何?」
「・・・ありがとう・・・大好き、だよ」
優しく微笑まれ、僕も思わず微笑を浮かべ
の隣に再び座り、頭を撫で
「僕も、大好き・・・だから」
そう呟いて、キスを落とした。
あぁ、もう離れていかないように・・・泣かないように
僕がずっと、ずっと・・・守っていこう
そう、思って・・・愛し合っていたはずなのに・・・
何処かで、徐々に歯車が・・・狂い始めていた。
Yellow Beauty〜拒絶・熱情・兆候〜
(離れて、触れて、恋を覚えた。でも、それは、何か崩れる前触れだった)