ボンゴレの御目付役、そして俺達の指導者として
日本からやってきたとかいう女。
俺達は挨拶代わりにアイツからヤバイものを喰らうところだった
既にベルは腹に一発喰らって、伸びている。
このままでは、建物が壊しかねないとの言葉で全員が外に出る。
「うっひゃー・・・さすがボンゴレ本部。敷地の広さが違うね」
「さん、真面目にやってください」
「私はいたって真面目だけど?」
「嘘ばっかり・・・さっきも・・・」
は部下の男にネチネチと怒られていた。
俺はベルを担いで、外に出ていた。
「ちょっと、スクアーロ・・・あの子、只者じゃないわよ」
「んなの、分かってるだろうが。」
「確かに。あの小娘の力・・・半端ないぞ、俺達が手加減してかかってみたら確実に殺される。」
「どーします?結構メンドイからさっさと済ませたいんですが、僕死にたくないし」
「フラン、言ってることが矛盾してるぞ」
確かに、下手して手を抜いたらアイツは確実に仕留めにかかる
さっきのヘルリングとボックスといい・・・手を抜いたら確実に殺すぞっていうのと解釈して良いだろう
「おーい、さっさと始めようよ・・・レディを待たせるなんて、男として最悪よ」
「んまぁ!生意気な小娘・・・こっちだって話したいことがあるのに邪魔すんじゃないわよ!」
「今時オネェ系?・・・しかもその顔で?変なの」
「何ですって!!!!!」
「ルッスーリア」
「何かさっきと同じパターンのような気が」
すると、フランがポロッと零した。
確かに、さっきも・・・ベルを挑発して・・・戦闘まで持ち込んだ。
「きぃいい、ボンゴレの御目付役!?冗談じゃないわよ!!あんな小娘、私一人の力で充分よ!」
「ルッスーリア!!やめろ!!」
俺の静止の声を振り切るように、ルッスーリアが前に出る
「もうっ、踏んづけてやるっ!!私のムエタイでベルの敵をとってやるわよ!!!」
「ベルセンパイまだ死んでないよ」
「フラン揚げ足を取るな」
「レヴィ!アンタも加勢しなさいよ!!役立たないあんたでも援護ぐらいには回れるでしょうが!」
「役立たなっ・・・流石の俺でもそれは怒るぞ、お前」
「いいから来なさいよ、雷バカ!!」
「ルッスーリア!!レヴィ!!お前ら待てって!!」
「とにかく、僕たちは此処で見ておきましょうよ隊長」
「お前も止めろアホがっ!!」
2人は、勇ましくの目の前に行く。
「さん、き・・・来ましたよ・・・っしかも相手2人じゃないですか!?」
「別に2人だろうが、3人だろうが・・・100人だろうが、相手になるわよ」
「さん!!??だから、無茶だけは・・・っ」
「黙らっしゃい、東麻!!・・・此処はイタリー、ジャパンじゃないのよ」
「意味分かりませんから!!!」
部下の奴は、2人に恐れをなしてガクガクと震えている。
だが、一方のはとても楽しそうな顔をしている。
怖がるどころじゃない・・・むしろ、ワクワクという気持ちが上回っている。
「ホラ、お前も下がる・・・東麻」
「で、ですが・・・」
すると、は出していたトンファを構え部下に向けて・・・
「死にたくなかったら、下がる!」
「は、はい!!!!!」
そう怒鳴り上げ、の部下は俺達のところ・・・いや少し離れてはいるが
とにかく安全ラインにやってきた。
「えーっと、晴と、雷だっけ?」
「何ですって?」
「オネェが晴れで、そこの傘野郎が雷でしょ?」
「ムム・・・何故それを」
「色々調べたから・・・いや、聞いたって言うのが正確かしら?」
そう言ってはケラケラと笑っていた。
しかし、アイツの戦闘レベルは半端ないはず。
さっきのヘルリングといい、トンファといい、そして何よりも気になっていた
指に嵌っている・・・大空のリングそっくりなあのリング。
最初見た瞬間、まさか?!とか思ったが、レプリカだと思う。
だが、もしアレが本物の大空のリングだったら、ボンゴレは一体何の理由があってアイツに・・・。
「おい、其処のお前」
「えっ!?・・・ぼ、僕ですか!?」
「他に誰が居るんだよ、テメェしか居ないだろが」
俺は気になり、アイツの部下に声をかけた。
「のしている、リング・・・ヘルリングとは別に、もう一個、大空のリングに似てるやつしてるだろ?」
「あ、あれですか・・・?ボスの、・・・あぁ、10代目の大空のリングに確かに似ていますが、アレは
さんが、特注で作らせたものなんです」
「と、特注!?」
ていうか、何だ?!
ボンゴレにはリングを作れる奴が居るのか!?
「はい。僕も詳しくは聞いてないのですが・・・全属性のリング機能が入っていると」
「全属性だと!?」
「ボンゴレリングを見ててさんが・・・」
それは、数ヶ月前に遡る。
「ねぇ、ジャンニーニ!!」
「なんでしょう、さん?」
「私専用の、大空のリングが欲しい」
「は?」
の突然のお願いに、ジャンニーニは素っ頓狂な声を上げていた。
「ねぇ、作って」
「さん、それはいくらなんでも・・・っ」
「ねぇ、作ってよー・・・作ってー・・・作れ」
「最後脅しじゃないですか!!」
「何の騒ぎですか?」
「ツナ君」
「あぁ、ツナさん・・・よかった良い所に」
「何か言ったぁ?ジャンニーニ?」
笑顔で、トンファを構え、ジャンニーニに襲い掛かろうとしていた。
一方のジャンニーニはツナの背中に隠れる。
「どうしたんですか、一体」
「ジャンニーニに、私専用の大空のリング作ってって頼んでたの」
「そ、そうなの、ジャンニーニ?」
「はい。ですが、大空のリングは全ての属性を統べるリング・・・そう簡単に」
「だからお願いしてるんじゃない!あんたの知能とか正一の頭脳かき集めたら作れるでしょ!」
これ以上、この人はどれほど最強になれば
気が済むのだろうか。とツナは心の中で思っていた。
そして、ため息を零し・・・――――。
「ですが、さん・・・そんな物騒なリング何に使うんですか?」
「物騒じゃないわよ!ただ単に、一個のリングで、全部のボックス開けれたらいいなぁ〜って思っただけ」
「リングたくさん持っているでしょう・・・それでいいじゃないですか」
「エコじゃないよ、ツナ君!!環境に悪いって最近気付いたんだから!!」
「(雲雀さんはどうなる)・・・それに、属性のリングは守護者の皆が」
「あ、大体は許可とって借りてきた。」
「(もう作らせる気満々じゃないかこの人)」
そう言って、はポケットの中から
机の上に数個のリングが出された。
嵐・雨・晴・雷。
だが・・・――――。
「あれ?雲と霧は?」
残り二つ、雲のリングと霧のリングがないことに気付く。
しかも何と厄介なリングの所持者を残したのだろうと、ツナは思っていた。
「まだ貰ってない」
「(貰うじゃなくて借りるんでしょう)・・・雲雀さんは今アジトに居るからいいとして・・・骸は・・・」
「大丈夫、それなら」
は自信満々に答えた。
雲雀は現在、アジトに戻ってきており色々資料整理をしている。
だが、肝心の霧の守護者・・・六道骸は神出鬼没ゆえ、いつ何時現れるか分からない。
「どうやって骸を呼ぶんですか?アイツ、何処に居るか分からないんですよ?」
「うん、いい方法があるから」
「いい方法?」
何か策があるのだろうと、ツナはを見ていた。
すると、は深呼吸を繰り返し、次の瞬間・・・・・・・・・。
「むっくん、むっくん、大事な話があるから出てきてくれないかなぁ〜」
え?
む、・・・むっくん?!
突然のの行動に、ジャンニーニはおろかツナも衝撃的な顔をしていた。
しかも呼び方が、お子様番組のお姉さん風ですけど!?
「ちょっ、さん・・・それで、骸が・・・」
「もう、・・そんな呼び方されると照れますって、何度言えばいいんですか?」
「ホラ来た」
「ていうか、それで来るお前おかしいだろ?」
の呼び声とともに、本当に何処からか骸が湧いて出てきた。
「おや、沢田綱吉も居たんですか?」
「(相変わらずフルネーム呼びか)さっきから居たよ・・・お前こそ、何処に居たんだよ」
「もちろん、の側に居まし・・・ガハッ!」
「はーい、むっくん黙ろうね・・・黙って私に霧のリング寄越せ」
「(憐れだ、骸・・・そして痛そう)」
出てきて早々、骸はみぞおちにのトンファがクリンヒット。
あまりの痛さに骸は、その場に蹲る。
「酷いですよ、・・・まぁそれが貴女の愛ですよね」
「ウザイ、リング渡してさっさと私の目の前から消えてくれない?」
「もう、は・・・僕を唯一”むっくん“って呼ぶことを許してるのは貴女だけですから」
「あー、ウッザ・・・やっぱむっくんって呼ぶんじゃなかった」
「クフフフ・・・は照れ屋サンですね」
「アハハハハ・・・その綺麗なお顔ボコボコに殴ってやろうか変態パイナップル」
「(やりとりが怖い)」
好かれてしまうのは大変だろうなぁ〜とツナは切実に思っていた。
いや、こんな変な奴に好かれたくないと更にツナは思う。
「霧のリングですか?いいですよ、愛しいのためなら」
「はいありがとう、じゃあバイバイむっくん」
「、むっくんって呼んで出てきてあげたんですから、もう少し側に居させてくださいよ」
「嫌、むしろ消えて変態」
「そういうが大好きで・・ぐはっ!!」
「そこで死んでてくれない、パイナップル」
霧のリングが手に入るなり、は容赦なく骸を落とした。
そして、手に入ったリングを机の上に転がす。
「さて、後は雲のリングだけ・・・あ、丁度良い所に」
「え?・・・あ、雲雀さん」
「何?」
すると、本当にタイミングがいいのか、雲雀が丁度通路を通り過ぎて行こうと
していた。
その気を逃さんというべく、は雲雀の元にいく。
「ねぇ、恭弥。雲のリング持ってるでしょ?」
「何それ?」
「リ・ン・グ!・・・ボンゴレリングよ!!ホラ出す!」
「リングはたくさん持ってるからどれが分からないよ。僕は急いでるんだ・・・じゃあね」
幼馴染のをスルーして、雲雀は足を進めた。
「おやおや、雲雀クン・・・ツンモード全開ですね」
「調査が忙しいんだろう・・・お前と違って」
「何か言いましたか、沢田綱吉?」
「別に」
普段なら、の言葉には耳を傾けるが
当の雲雀本人、調査に忙しく色んなところを駆け巡っており
の話を聞く時間すら持ち合わせていないらしい。
「ったまきた」
「え?、さん?」
「クフフフ・・・、キレましたね」
「・・・・・・いい度胸ね、恭弥・・・私をスルーしていくなんて」
そして、は空気を勢いよく吸い込んで・・・次の瞬間――――。
「恭ちゃんのバカーーーー!!!!」
「!?!」
突如、は大声を上げて、雲雀の後頭部めがけて声を放った
だが、普段は【恭弥】と呼ぶところ【恭ちゃん】と変えている。
その声で、雲雀の足が止まる。
「きょ、恭ちゃん?」
「雲雀クンの名前の恭弥で、恭ちゃんですか・・・クフフフ、面白いですねぇ」
「恭ちゃんのバーカ、バーカ、ぶぁあか!!恭ちゃんなんか大嫌い!!
もう、恭ちゃん昔からそうだったもんね、恭ちゃんウチに来てもそうだったもんね!」
すると、雲雀が踵を返しのところに近づく
「恭ちゃんのアホー!、恭ちゃんのバカー!、恭ちゃんの冷酷人間!」
「」
「何よ、恭ちゃん」
雲雀がの目の前に立ち・・・手に何か持たれていた
「コレでしょ?」
「あ!雲のリング!!やっぱり、恭ちゃん優しいね!ありがとう、恭ちゃん!」
「・・・・・・じゃ」
に雲のリングを渡した途端、凄い早足で雲雀はその場を去っていった。
よほど、の【恭ちゃん攻撃】が効いたのであろう
「す、凄い・・・あの雲雀さんを」
「昔、恭弥のこと”恭ちゃん“って呼んでたから。でもすぐ小学校上がって”恥ずかしいから恭弥って呼んで“って
なってね、すぐに恭ちゃんから恭弥に変わったの。まぁアイツまだ恭ちゃんって呼ばれると恥ずかしいらしい」
「そうですか、雲雀クンは恭ちゃんと呼ばれると弱いんですね。今度僕も呼んでみます」
「お前、呼んだら確実に殺されるぞ」
そして、ようやくすべてのリングが揃った。
「さぁ、ジャンニーニ。正一も呼んで・・・リング作れ」
「しかし・・・ツナさん、いいんでしょうか?」
「僕もさんには逆らえないから・・・もう今回だけですよ、さん」
「はーい!」
「終わったら全部守護者に返してくださいね。これないと皆ボックス開けれませんから」
「分かってる。あ、一応ツナ君のも貸して」
「は、はい」
「それで、さんは大空のリングを真似た・・・”無のリング“というリングを所持するようになったんです」
「無の、リング」
の部下は淡々と話す。
それが、大空のリングによく似たレプリカ・・・が持つ無のリング
「何処の属性にも属さない、大空のリング・・・つまり、無と同じだというので。本人がそう命名したそうです」
「だけど、たかがレプリカだろ?実際のリングよりもパワーや能力は半減したりするだろ?」
「普通は。ですけど、リングそのものの力を注いだので、本物の力の状態に等しいんです。ホントウチの研究チームはすごいです」
「うぉ゛お゛い!!ってことは何か!?アイツ・・・大空のリング持ってるのと一緒じゃねぇか!!」
「結論言えばそうなりますね」
「結論言わなくても、そうなるでしょう普通は」
フランは膝を立てて、じっと、たちの方を見ていた。
すると、の・・・無のリングが・・・白炎・・・つまり白い死ぬ気の炎が出ていた。
「さて、ヴァリアー、晴の守護者さん、雷の守護者さん・・・死ぬ気で来ないと」
「 即 効 で 喰 い 潰 す わ よ 」
両手に持たれた鉄製のトンファに、大空のリングのレプリカ”無のリング“
銀色のトンファに流れ込む白い炎は、今にも俺達を喰らい尽くすつもりだった。
Battle Of PrincessU〜白炎の最強リング〜
(本当に、アイツ・・・とんでもない奴だ・・・!!)