「オラオラオラオラ!!!!、温いぜ!!!」
「どっちが温いんだか・・・てか、サメ・・・うるさい」
「その減らず口、叩けないようにしてやるよ!!!」
「やってみろ、アホサメ昨日同様返り討ちにしてやる」
「な〜んか、あの2人・・・最近仲良いわよね」
「確かに。」
「隊長何かあったんですかね?さんと」
「気に食わねぇの。」
がこっちに来て、もう3日過ぎた。
初日は、俺やフランの相手をしていたが2日目以降・・・練習を
スクアーロに邪魔されている。
「ベルセンパイ・・・機嫌悪そうですね」
「何でもねぇよ」
「あら〜ん、この子ったら小娘ちゃんに相手してもらえなくてしょげてるのね。」
「違うし・・・そんなんじゃねぇっての。」
いや、ルッスーリアの言うことは当たっている。
此処2日間、俺とフランはまともに相手にしてもらっていない
確かにスクアーロは強い(まぁ一番はボスだけどさ)
が強いことも俺やフラン、レヴィやルッスーリアだって理解してる。
あの2人が、互いの強さに惹かれあうのも分かる
「なーんか、ムカつくし・・・」
「ベルセンパーイ・・・それで僕の背中にナイフ投げるのやめてくれないですか?痛いんですけどぉ〜」
「うるさい。コウハイのクセ・・・王子の俺に口答えするなってーの」
「ルッスさーんどうにかしてくださいよー」
「私に助け求められても困るから。」
俺は腹立たしい気持ちを、何とか抑えるべく
フランの背中にナイフを投げて、突き刺していた。
2人が、なんだか仲が良いように見えるから・・・逆に腹立たしい。
そう今日の朝だって・・・
が突然、スクアーロのジャケットを返した瞬間から何だかイライラしてた
一体何があったのか分からなくて・・・その場に居た俺達は
驚きを隠せずに居た。
『サンキュ、スクアーロ・・・ジャケット洗ったから、返す』
『捨てろよ、んなの・・・ったく』
『コラー、服を粗末にするな〜・・・丁重に使ってやったんだ。そしてありがたく私が洗ったんだ無駄にするな』
『最後らへん、ただのお前の押し付けじゃねぇか』
『いいから!ホラ!!・・・私が持っててもブカブカ過ぎて着れないってーの!』
押し付けるように、ヴァリアーの黒い特攻服をは
スクアーロに渡した。
スクアーロは渋々、それを受け取る。
『』
『あ?』
『昨日は俺が手加減して負けてやったんだ・・・今日は本気で行くぜ』
『やるか、サメ。良いぞいつでも相手になる、かかってきな』
その、余裕な笑みを浮かべたの表情は楽しそうで
同じく、言葉を放ったスクアーロも楽しそうな顔をしていた
そのやり取りを見るだけで・・・ムカついた。
--------ザク、ザク、ザク、ザク・・・
「ベルセンパーイ・・・痛いですってばー」
「うるさい。黙って刺されてろよ」
「酷いですよーそれ・・・隊長に言いつけますよー、センパイを殺しても良い許可貰える様しますよー」
どいつも、コイツも、スクアーロ、スクアーロ・・・名前を聞くだけで腹が立つ
-------ザクッ!!!
「イッ!?!?」
「コウハイのクセ、俺にたて突くなって言ってるじゃん!」
「ちょっと、ベル!!今のはやりすぎよ・・・フラン大丈夫?」
「・・・痛い、です・・・」
フランの言葉にカッとなり、俺は思いっきりフランの背中にナイフを投げつけ突き刺した。
あまりの痛さに、その場にフランが蹲る
「何、何どうしたの?」
「今すっげぇ音、したぞ?何だ??」
すると、音やベルの声で練習をストップした
とスクアーロが俺たちのところにやってきた。
あぁ、2人並ぶ姿見るだけでも・・・ムカつく
「スクアーロ、小娘ちゃん・・・ベルのいつもの悪戯よ・・・まぁ今日のはちょっと度が過ぎてるけど」
「悪戯?・・・って、フラン、大丈夫?」
「・・・な、何とか・・・痛い、ですけど・・・」
「おい、ベル・・・あんまりフラン苛めんなよ、いくら八つ当たりしやすいからって」
「隊長、サラッと酷いこと言いますね」
「ベル・・・やりすぎ・・・何してんのお前、フランは仲間だろ?」
が俺を叱っている
しかも、凄い睨みつけて・・・俺を怒っている。
何で、なんで・・・俺ばっかり・・・
「ムカつくんだよ、バーカ!」
「はぁ?」
-----シュッ!!
「イッ!?」
「!!」
「!?」
「さん!?」
「小娘ちゃん!?」
俺はめがけてナイフを投げた。
軌道が読めて、すぐには避けたけど、ナイフの一本がの頬をかすった。
切れ味が良かったのか、赤い血がの頬を流れる。
「さん、さん、大丈夫ですか!?」
「あぁ、コレくらい・・・フランのほうが痛かっただろ?私のはかすり傷程度だって」
「で、でもっ・・・」
「出血酷いわよ、ちょっと!」
「気にしない気にしない」
「お前なぁ〜・・・何かお前の部下の気持ちが少しわかる気がしてきたぞ」
皆で、寄ってたかって・・・、って・・・
「ベル、謝りなさい。ちょっと、今日はおイタが過ぎるわよ」
「ルッスいいって・・・私、大した傷じゃないし」
「アンタね、それでも女の子っ?!顔くらい大事にしなさいよ!!」
「顔くらいって・・・ぶん殴るぞオカマ、顔も体も大事だアホ」
「俺悪くないもん!!だって俺王子だから!!」
「出た」
「言い訳するときはいつもそれで逃げるベルセンパイの悪い癖」
「いいよ、勝手に言わせておけば」
「さん」
「フラン大丈夫か?私の傷なんかよりお前の傷のほうが先だよ」
いつもなら、反論してくるが・・・俺を、俺を・・・
ますますムカついてきた。
「やっぱりお前ムカつく!!」
「勝手に言ってろバカ王子」
「お前なんかもう知るか!!」
「私もお前なんかもう知るか・・・私は仲間に八つ当たりして傷つける奴は大嫌いだ」
「!!」
「お〜怖いわね、小娘ちゃん」
「おっかねぇぞ、」
そう言って、フランを支えながらは立ち上がる。
俺は何にも言えずその場に立ち尽くした。
ただ、構ってほしい・・・ワガママで・・・いつも、言い返してきてくれるのを
期待してただけなのに・・・
一体、俺はどうしたんだろうか・・・この胸のモヤモヤが気になって、しばらく消えてくれなかった。
夜、俺は城内をふらついていた
別に深い理由はない、ただそんな気分だっただけ
アレから、とはギクシャクしたままだった
俺と目もあわせてくれないし、口も聞いてくれない
「このままじゃ、練習相手にもなってくれない・・・よな」
普段誰にも謝る気は毛頭ないはずなのに、にだけは謝らなきゃいけないと思った
もちろん、頬の傷のことも・・・ただ、の八つ当たりだった本当に。
でも、どうして自分がそんな事をしたのか分からなかった・・・
「何悩んでんの、俺・・・変なの。」
そんな普段、悩みもしないことで悩んでいた自分がおかしかった
笑いたかったけど・・・笑いが零れてこなかった。
多分、原因はにあると思うから
ダメだ・・・そう思い、俺は自分の部屋に戻ろうとしていた。
『もしもし?・・・お前、今日で何度目だよ?』
すると、暗闇から楽しげな声が聞こえてきた。
そうだ、この声・・・だ。
楽しく、日本の誰かと話をしている
『あ?・・・もう、いいって来なくて・・・大丈夫だから。』
窓に寄りかかりながら、優しく電話に応える。
頬には大きなガーゼが貼り付けられていた。
あぁ、アレは俺がつけた・・・傷だ。
『うん・・・うん・・・へぇ、あっそ・・・で?・・・そう、そうなんだ。・・・うん、ハハハ・・・そうなんだね』
多分、仲が良い奴なんだな・・・と、凄く仲の良い奴
アレだけ優しく笑うは見たことない・・・あんな風に笑った、見たことない。
『あぁ、もうこっち夜・・・うん、もう寝なきゃ・・・明日も早いし。・・・怪我?うん、してないよ・・・大丈夫。
東麻に見張られてるんだから、下手に出来ないってーの』
嘘ばっかり、怪我・・・したじゃん。
いや、正確には俺が作った・・・怪我なんだけどさぁ
『もう寝るよ・・・あぁ、また・・・てか、こんな時間に連絡寄越すな。時差考えろ時差、いいわね。
うん、うん・・・じゃあね、おやすみ。』
そう言って、は電話を切ってため息を零しながら
窓に寄りかかり、顔を伏せた。
別の方向から帰ろうと思ったが、ぶっちゃけのいる方向から
戻ったほうが、実は近道だったりする。
逆方向から帰ってしまえば、それこそ時間がかかる
危険な道を通るか、それとも安全な道を行くか
「・・・・・・ベル?」
「っ?!」
だが、危険な道が俺に近づいてきた。
が俺の存在に気付いたのだ・・・き、気まずいじゃん。
「何だ、まだ・・・起きてたの」
「ね、眠れないから・・・な。・・・ウロウロしてたんだよ」
「そっか。」
から話しかけてくるから、俺も自然とその雰囲気に乗っかる
だけど、は何だか寂しそうにしていた。
「・・・・・・あーあ・・・もう、電話なんかしないでほしいわよ本当に。」
「ボンゴレ?」
「そう。厄介な私の幼馴染・・・雲の守護者様。・・・心配して毎日かけてくるのよ」
「ふぅーん」
はそう言って前髪を掻き上がる
その表情は凄くつらそうな顔をしていた・・・のこんな顔、見たことない
「あんまり、電話してきてほしくないのよ・・・頑張って強がってるのにさ、敢えてそうやってアイツら崩すようなことするから」
「それって、・・・・・・」
早くに日本に帰ってきてほしいからだろ?
「何?」
「何でもないし」
言いたかったけど、敢えて言わなかった
守護者が頻繁にに電話をかけてくるのは、多分早く日本に戻ってきてほしいから
そうやってワザと電話をかけてきて、日本に帰ってきてほしいと
そういう風に仕向けている・・・ねちっこいな、やり方が。
「ベル、アンタもう寝たら・・・明日早いでしょ?」
「お互い様じゃん。・・・こそ寝たら」
「私もう少し此処にいる・・・ホラ、行くなら行きなさいよ」
は力なくそう俺に言ってきた。
顔を伏せて、俺の顔を見ようとしない。
昼間ケンカしたからとかそんな理由で見ないんじゃない・・・多分。
------グイッ!
「えっ!?・・・ちょっ、べ、ベル?」
俺は、に近づき頭を無理やり俺の胸に押し付けた。
あまりに突然のことで本人も驚いている。
「今日だけ王子の胸、貸してやるよ」
「は?」
「見てないし、泣けば?・・・誰にも言わないし、ていうか言うつもりないし」
「・・・ベル・・・アンタさ・・・」
「バカよ・・・こんなことされたら、余計・・・ツライじゃない・・・」
そう言って、は顔を伏せて泣いた
俺は見てみぬフリをするつもりだ・・・だって、が泣いてるのって貴重じゃん
多分スクアーロの奴も見てないと思う。
やっぱり王子の特権って奴だよなコレ!
「」
「・・・な、によ・・・っ」
「昼間、悪かった・・・ちょっとムカついてただけ・・・だし」
「私もゴメンね・・・酷い事言って・・・」
酷くないさ
だって、俺は少し嫉妬していたのだから
スクアーロが羨ましかった・・・ただ、それだけ。
何か、羨ましかったんだ・・・お前を、何だか・・・スクアーロに取られたみたいで・・・イヤだった
「明日、俺の練習相手しろな・・・それで許してやる。スクアーロと練習すんなよ」
「・・・えぇ、分かった。」
「シシシシ・・・よろしく頼むぜ、ボンゴレ御目付役」
俺ってやっぱり特別だよな
の涙、俺が多分初めて見たと思う
王子ってやっぱり何でも欲しがるんだよな。
だから、もさ・・・俺取られたくないし。
ゼッテェ、俺・・・のこと、独占してやるんだから・・・シシシシ
誰にも、渡さないぜ
Monopolio〜切り裂き王子の憂鬱〜
(独占するのは、王子の特権、でしょ?)