アイツがこの、イタリアに来て・・・もうすぐで1週間になる
明日は、この屋敷でパーティをするとか・・・そんな話を小耳に挟んだ
そんなパーティ、もちろん他のマフィアの暗殺専門の奴らが
うじゃうじゃ来るんだろう・・・。
そろそろ、この俺様も運動をしないと腕が鈍っていく
「おい、ドカス」
「あ?何、クソ」
「っ!?さん!!!」
「ザンザスにあぁ言えるのは多分だけだろうな」
「おっかねぇでやんの。シシシシシ・・・」
「さん、怖いもの知らずですよねある意味。」
「小娘ちゃん、ボスにも怖がる素振りすらないわね」
「ムー・・・ボスから異様なオーラを感じる」
朝食の時間、俺はメニューが気に食わず
食事を放棄して、ボンゴレのお目付けとやらを見下した
だが、女は臆することなく俺を見上げた。
俺にクソとか言うヤツは多分、そう居ない。
コイツのこんな態度・・・俺は気に入ってたりしていた。
「俺様の練習に付き合え」
「は?」
「ザンザス!?」
「わぁお。ボス大胆」
「いいなぁ〜」
「だ、大丈夫なんですか、さんっ」
「うーん、相手はあのボスだからね。」
「どうなるか分からんぞ。」
俺の突然の発言に、あたりにいたカス共は
驚きの声をあげた。
もちろん目の前に居る女も・・・一瞬驚いたが
すぐに笑みを浮かべた。
「フッ・・・どういう風の吹き回しかしら?ヴァリアーのボス・・・ザンザス様が直々に私にそんな
申し立てをするなんて?」
「勘違いするなよ、ドカス・・・俺のカス共を可愛がってくれてるじゃねぇか・・・コイツらを貶していいのは
この俺だけだ・・・てめぇにその権利を奪われたくねぇんだよ」
『(うわぁ、さり気に貶された)』
「へぇ、結構仲間思いなんですね・・・ヴァリアーのボス殿は。」
「勘違いするなよ、ドカス女」
「勘違い?事実じゃなくて、クソボス」
既に声や、表情からして相手をする気満々だ
「いいだろ・・・表に出ろ・・・可愛がってやるよ、ボンゴレの御目付役とやら」
「望むところ・・・返り討ちに、優しく喰い潰してあげるわ・・・ヴァリアーのボス殿」
食事もまともに済ませぬまま
俺とアイツは、庭へと出るのだった。
「・・・ったく、朝ご飯くらいちゃんと食べさせなさいよ、アホ」
「俺は短気だからな・・・手早く何でもしたがるんだよ」
庭に出るなり、女はあくびを零しながら
両腕にトンファを装備していた。
「お前の場合、ただ単に朝食のメニューが気に入らなかっただけだろ・・・私を道連れにするなクソボス」
「てめぇのその減らず口・・・嫌いじゃねぇぜ」
「私はアンタの態度が気に入らないわね。・・・三十路過ぎてワガママも大概にして欲しいわ」
「さぁん」
「、凄い爆弾発言の連続だぞ」
「でも、ボス・・・楽しそうな顔してるし」
「僕も参加したいです・・・さん側で。」
「フラン、アンタ多分後でボスに殺されるわよ」
「しかし、大丈夫なんか・・・小娘一人で」
外野の奴らはヒソヒソと話しを始めていた。
だが、俺はおろか女は目線を逸らしもせず互いを見ていた。
「いいわ・・・とりあえず、アンタも練習台・・・この前のよりも本気で行くわよ」
「俺様を練習台にするたぁ、いい度胸だな・・・女」
「私が直接手を出さなくても、私の分身たちが相手になってあげるから」
「分身だぁ?・・・てめぇの属性は雷だろ?・・・マーモンやフラン、ましてやお前んトコの霧の守護者みたいに
他属性の人間が、扱えるのか?」
「現に、私は1回・・・これであんたらの部下、倒してるからね」
多分俺が見ていないときにあったことか
つまりそれは初日に行われたことか・・・それともその間のことか
「まぁ、物は試しよ・・・実際自分自身の体で体感したほうが良いわね」
そう言って、アイツの嵌めていたリングから白い死ぬ気の炎が流れている
すると、いつの間にやら、もう片方の手にはボックスが持たれていた。
そして、ボックスの口とリングが重なり・・・・・・
ボックスの口と、もたれているトンファの銃口が俺に向けられる
「霧砲撃(ミスト・ショット)」
----------ドォオン!!
銃弾は出ていない
だが、逆に出たのは・・・霧
しかも、かなりの量・・・ボックスの力と合わせて
既に女の姿も何処に言ったのか分からなくなっていた。
「さぁ、ヴァリアーのボス殿・・・楽しい楽しい、幻術の世界にご案内いたしましょう」
「舐めた真似だな」
「本物の私を見つけないと・・・あんたは、幻術の私に喰い潰されるわよ・・・さぁ、頑張りあそばせ。」
「クソアマが」
そう言って、俺は手に力を込め目の前に居る女目掛け
憤怒の炎を解き放った・・・だが・・・・
「バーカ・・・幻だよ」
「な、にっ!?」
「ホラ、お前の後ろだよ」
「?!」
振り返ると、数人と・・・女が立っていた
しかも、銃式のトンファを構えている・・・・
「さて、どれが本物だ?」
「全部潰せば・・・いいんだろ」
「頑張れば?」
「泣き目見るぜ、クソアマ!!!」
そう言い、俺は拳銃を取り出し
中に憤怒の炎を込め、引き金を引いた
----------ドォォオオン!!!
「一体何が起こってるんだ?!すげぇ、音がしてっぞ!!」
「レヴィさんや、ルッスさんのときはこんな音、してなかったですよ」
一方外野に居る、スクアーロ、ベル、フラン、ルッス、レヴィ、そしての部下の東麻が居た。
霧のドームに包まれ、中で何が起こっているのか外では全く分からない
だが、前回・・・霧のドームの餌食になったルッスとレヴィはなにやら不思議そうな顔をする
「もしかして、小娘ちゃん・・・私達とは、全く違うやり方なのかしら?」
「どういうことだ、ルッスーリア?」
すると、ルッスの言葉にスクアーロがすぐさま言葉を拾った。
「この前、一体あの中で何があってたんですか?」
「色んな幻術をかけられて覚えてないわ・・・幻術士以外あのドームの中に入ったら
もう完璧にそれはあの子の領域(テリトリー)に入ったも同然・・・手の上で遊ばれるのがオチよ」
「必死の抵抗で攻撃とか繰り返したんだがな・・・その時小娘は何を?」
「外に出てた・・・んで、清々しい顔で俺達に声かけてきた」
「まさか!?じゃあ、何?!やっぱりあれ幻覚?!私小娘ちゃんと戦ったのよ?!本物はじゃあ、外に居たの?!」
「ルッスさん、見事にさんに遊ばれましたね」
「悔しいわねぇ・・・あの子、やっぱり侮れないわ。」
そう言って、全員の会話が終わり
再び霧のドームに目線を移すと・・・・・・
「っ・・・ちょっとまたやりすぎたわね」
端の方から、が姿を現した。
「あ、この前と同じ」
「それで、歩いて俺達のところに」
ベルが話している途中だった・・・だが、彼は言葉を止めた
なぜなら・・・・・・
「う゛ぉ゛ぉい・・・どういうことだよ・・・の奴、動かねぇぜ!!」
「だってこの前、動いた・・・・見てください!!さんのリング!!!」
すると、フランがのリングに気付く
白炎の炎を上げているリングは・・・大きく燃え上がっていた。
「この前、あんなに、燃え上がっていなかった・・・はずだ」
「じゃあ、何であんなに・・・・・・まさか!?」
「フラン?!どうしちゃったの!?」
フランが前に出て、を見る
の表情は真剣そのものだが、呼吸が酷く行われている
「さん!!!ダメです、それ以上使ったら!!」
「・・・フラン」
「おい、フラン何言ってんだよ!」
「血迷った?」
「そうとしか見えないけど、何か状況が怪しいわ」
「俺達と戦ったときはあんなに苦しい表情はしてなかったし」
「さん!お願いです!!もう力を使ったら」
「フラン!!!・・・いいの、コレは私とザンザスの戦いなんだから」
「さん・・・でもっ!!」
「いいから。・・・少しくらい、力使って無茶しても、バチは当たらないわ」
フランの言葉を振り切りの白炎の炎は再び勢いを上げ燃え上がる。
「僕、止めてきます!!」
「あ、!?フランお待ち!!」
「お前が行ったらザンザスに殺されるぞ!!」
「今止めなきゃ、逆にさんの生死に関わることです!!例え相手がボスでも・・・止めなきゃっ」
「なっ!?」
「マジ!?の生死に関わるって」
フランの発言にその場に居た全員が驚きを隠せない
一方のフランは急いでの元へと急ぐ
「どうしたの、ザンザス?」
「息あがってるわよ?」
「・・・ハァ・・・ハァ・・・本物は、何処だ?」
霧の中、俺は女の攻撃をかわしながら憤怒の炎を打ち続けた
だが、一向に俺の攻撃は女に当たらない・・・いや、当たっているのは全部幻覚のほう
クソっ、俺も歳か?
「じゃあ、そろそろ降参してくれない?私疲れちゃった・・・朝ご飯食べてないし」
そう言って、女はトンファに銃弾を込める音がした。
ん?・・・しかし、俺はコイツの攻撃をかわしてきた・・・だが、まともに食らったのはないが
痛くはなかった・・・本物の銃弾のはずなのに
と、言うことは・・・
「お前らは、全部ニセモノってことか」
「なっ!?」
本物以上の攻撃力を有していない・・・ただのカス
つまり、本物ではない・・・ニセモノ同然・・・道理で攻撃が弱っちいわけだ。
「偽者がこの霧の中にひしめき合ってるってことは・・・・・・本物は・・・外だ!!」
そう言って、俺はとにかくドーム内を走る。
必ずどっかが外に繋がっているはずだ・・・レヴィやルッスーリアがコレに騙されても
「俺は騙しきれてねぇぜ、クソアマ!!!」
「ちっ、単細胞のクセにヘンなことで脳みそが働くのね・・・意外だったわ」
「単細胞は余計だカスが!!」
-------ジャリッ!
すると、地面を靴で擦る様な音がした
俺のじゃないとすると
俺は音の方向へと走る・・・徐々に人影らしい影が見えてきた。
俺はニヤリと笑みを浮かべ、手に憤怒の炎を込める
飛び上がり、霧を一蹴させる・・・・すると目の前には、御目付の女
「見つけたぞ、カス」
「っ?!」
まぁ、此処まで俺を楽しませてのは上出来だ
憤怒の炎を収めて、まぁ掌握くらいの気絶で大目に見てやろうと思い
そう言って、そのまま手を振り下ろした。
「さん!!」
「フ、フラン!?・・・きゃっ!?」
「なっ、てめぇ!!」
すると、横槍を入れるようにフランが飛び出て、女ごと、俺の攻撃をかわした。
俺は着地をし、すぐさまフランを睨みつけた。
だが、一方のフランは女の心配をしていた。
「さん、大丈夫ですか?」
「お、お前っ・・・何で」
「やめて下さいって言ったじゃないですか!・・・僕は幻術士ですよ、貴女が何をしてたのか分からないとでも思ったんですか!!」
「フラン・・・ご、ごめ」
「おい、フラン・・・てめぇどういうつもりだ・・・俺様に歯向かう気か?」
何を話してるのかさっぱりだが、とにかくフランを俺は睨みつける
「違います、ボス・・・あの、コレは・・・っ」
「やっ、・・・やべっ・・・力、使い過ぎて・・・」
「わあぁぁあ、さん!!!」
「おい!!」
ドサッ!!!
すると、女は突然フラフラと体を揺らしながら
フランの体に倒れこんだ
「さっ・・・お、重い・・・ですっ・・・起きてくださ、・・・」
「・・・・・・ったく、世話のかかる女だ」
俺はため息を零し、フランの体に倒れ掛かった女を抱き上げた。
振り返ると、スクアーロたちがコチラにやってきた。
俺はふと、女と一緒に来た男を見る。
「!?どうしたんだ?」
「小娘ちゃん、大丈夫なの?!」
「えらいぐったりしてるぞ」
「フラン、後でちゃんとワケ話せよな」
「おい、お前」
「え!?・・・ぼ、僕ですか?」
「そうだ、お前だ。・・・コイツの部屋に案内しろ」
「わ、分かりました・・・コチラです!!」
男の案内で、コイツを部屋に連れて行くことになった
何でこの俺がこんな女の面倒を見なきゃならねぇんだよ
ボスと御目付役〜闘いと終わり〜
(媚びもせず、堂々と俺の目の前に居るお前・・・それがお前を気に入った理由だ)