『では、今宵のパーティを盛大にお楽しみください』






会場のアナウンスがそう告げ、人々が
他愛もない話を始める。


もちろん、此処に居る紳士淑女様たちはマフィア関係の
そういうこわ〜い世界の方たちばっかり


更に言うなら、ボンゴレの傘下における同盟ファミリーも居たりする
”キャバッローネ“を筆頭に”ネロ“、”ベッチオ“、”ヌーボ“といった
同盟ファミリーのお偉いさんたちも居る。









「さすが、ボンゴレ本部のパーティは違いますねさん」







すると、いつもどおりのスーツに身を包んだ
東麻が小声で私に話しかけてきた







「えぇ。そりゃ、ボンゴレ主催だもん・・・来ないのがおかしいわ。ツナ君の任命式の時はもっと凄かったって
隼人から聞いた。」

「そりゃ、だってこのイタリアマフィアのトップに君臨するボンゴレですからね・・・10代目ボスの
任命式となればこれ以上の規模になることは当然ですよ」

「人ごみ嫌いなんだけどねぇ・・・私」

「じゃあ、パーティに参加しなければよかったじゃないですか・・・それか外の護衛に回るとか」

「いやよ、外寒いもん」

「矛盾し過ぎてますよ、さん・・・わがままですね」

「はいはい。・・・それよりも、怪しい奴とか居なかった?」








パーティを楽しむなんて言語道断

こんなマフィアばかりが集まるパーティだ
9代目の命が狙われたっておかしくない

いくら同盟ファミリーが居るとはいえ、確実的に
ボンゴレを狙っているマフィアが潜り込んでいるはず

そのためにスクアーロ達は外の護衛

そして、私とザンザスは中の方で様子を窺っていた。









「今のところ、異常はありません・・・9代目も本部の部下達が守っているので大丈夫かと」

「そう、それならいいけど。」






いやに胸騒ぎが起こって仕方がない


ザンザスは相変わらず、椅子に踏ん反り返って嫌そうな顔をしている

だけど、アイツは・・・さっき私を抱きしめた。



震える腕を掻き消すように・・・強く、つよく・・・抱きしめてくれた・・・









ジーッ!・・・さん・・・』

「フラン?どうした?異常でもあったか?」






すると、突然フランから貰った通信機が鳴り
私はすぐさま耳に装着する。








『いえ、別に異常ってワケじゃないですが・・・』
「何だ、ビックリした。・・・それで、どうしたの?」
『ただ、ちょっと心配・・・だったので』
「フラン」









私よりも少し年下なのに、こんなにも彼は気を遣ってくれる






ー・・・王子の俺も心配だし、ていうか外寒ぃ〜』
『ちょっと、センパイ割り込みやめてくださいよ』
『んもぅ〜!お肌がやばくなっちゃうでしょ!あぁ、いいわねぇ〜小娘ちゃんは室内だし、でも心配だわ』
『あぁ。俺達外は何とかなるが、やはり人数的には室内が危険だしな・・・いくらボスが居るとはいえ』
『う゛お゛ぉ゛おぃ!!!てめぇら、ちゃんと見張ってろ!!!』





最後のスクアーロの声で、通信機を思わず耳から引き離したが
レヴィの言うとおり、部下も室内には何人も居るが、それなりの勢力になるといったら
私とザンザスくらいなもの・・・彼らが心配するのも頷ける








『カスが・・・うっせぇぞ』







すると、突然ザンザスが声を出す。
あまり、会話に入り込んでこないザンザスが・・・珍しい









『いいか・・・外はてめぇらカスの役目だ・・・ちゃんとしねぇとタダじゃ済ませねぇぞ』

『ケッ・・・おめぇに言われなくても分かってるってーの!』

『てめぇらが心配しなくても、このクソアマ一人くらい俺が面倒見てやる・・・てめぇらは自分の心配でもしてろ』

『うわっ・・・ボス、オイシイところ横取りじゃん』

『いいなぁ〜・・・僕も会場に行ってもいいですか?』

『ふざけた事抜かすんじゃないわよ、フラン!出来るなら私が行きたいくらいだわ』

『いやいや、俺が行く』






通信機からはいつもどおりのヴァリアーの奴らの声がする
私は思わず笑みを浮かべ・・・・・・










「みんな・・・ありがとう」






そう言葉を零すと、全員は咳き込んだり黙り込んだりとしていた。


















------バァァアン!!!!













「!?・・・何!?」
「銃声です!!」





すると、突然会場に銃声が聞こえた
瞬間、会場が騒然とする。











「ボンゴレ9代目ぇえぇえ!!!今日こそ貴様の命を貰う!!!」








一人の黒いスーツに身を包んだ男の手には回転式の拳銃
そして、男を取り囲むように部下の奴らがうじゃうじゃと出てきた。


男の足元には、ボンゴレ傘下ファミリーの男と思われるやつが死んでいた。




いっせいにゲストで招かれていた人々は慌てふためき、逃げ惑う。



そんな中、私と東麻は敵に気付かれないように、9代目の側に行く。







「9代目、ご無事ですか?」
「コレはさん・・・えぇ、まぁ何とか。」




何とか、他の部下達が9代目の車椅子を支え、軽傷で済んでいた。

歳を老いている9代目・・・今此処で彼に死ぬ気の力を
使わせてしまえば、体に大きな負担をかけてしまう。







「東麻、アンタ・・・9代目を屋敷内に連れて行きな」

「え?・・・さんは・・・」

「私?・・・私は、あそこのハエを片付ける」

「ちょっ、ちょっと待ってください!!さん一人じゃ無理ですよ!!あんな大勢」

「そうです、さん・・・いくら貴女がボンゴレ10代目の御目付役とはいえ・・・女性である事には変わりないのですから。」

「東麻・・・9代目・・・。」







2人は心配そうな面持ちで、私を見ていた。






「ですが、此処で時間を稼がないと・・・貴方はおろか、此処に居るゲストの方たち全員が被害に遭ってしまいます。
それだけは・・・それだけは避けたいんです・・・。」

さん」

「お願いです、9代目・・・私の部下と一緒に、屋敷の中へ行って下さい。貴方を失うわけにはいきません」

「それは、ボンゴレ10代目の命ですか?それとも貴女の意思ですか?」

「・・・・・・もちろん、私の意思です。」





私が笑みを浮かべると、9代目は「そうですか」と
安心したような声を出し・・・・・・








「分かりました・・・此処は貴女に任せます」

「ありがとうございます、9代目。・・・東麻、ホラ行きな」

さん・・・・・っ、分かりました」

「屋敷の中に無事に戻れたら連絡して、力一気に出してアイツら叩くから」

「はい。さん・・・気をつけて」

「お前もな。」










そう言って、私は逃げ惑う人ごみを掻き分け、敵の目の前に出てきた。


横に目を移すと、相変わらず椅子に我が物顔でザンザスが座っていた。










「あ?誰だテメェ?」
「9代目の代理人ってことで・・・私が相手してあげる」





どうやら、最初の銃声を響かせたヤツがボスらしい
手に持たれた拳銃は・・・







「へぇ、旧式じゃない・・・・・マテバのオートリボルバーとか・・・それ、欠点が多すぎて扱いづらいって聞くけど」
「ほぉ、タダの女ってワケじゃないな・・・お前、何者だ?」
「私?・・・私は」
「ただのカス女だ」





すると、突然ザンザスが私の隣に立つ。






「ちょっと、カスはないんじゃないのクソボス」
「まぁ、お前はカスだが・・・目の前のコイツらはドカスだがな」
「アハ、言えてる〜」

「テメェら、聞いてれば生意気な事言いやがって!!!」

「拳銃って言うのはな・・・・・・・・・」







すると、ザンザスが所持してる拳銃の1本を出し
憤怒の炎を溜め

















「こう扱うんだよ」


















-------ドォォオオォオオン!!!!












トリガーを引いた瞬間、拳銃内部に蓄積していた
憤怒の炎が外へと銃弾となって放出され、会場の壁を
打ち抜き、野外へと出る。


壁には綺麗に大きな円形の穴が開いていた。








「カスが。旧式扱えるだけで図に乗るな」
「うわぁ〜ザンザスにカス呼ばわりされてやんの。まぁ、確かに旧式、しかも扱いづらい欠点だらけの
拳銃使えるからって図に乗られちゃ・・・たまったもんじゃないわね。むしろムカつく


「てめぇら・・・ボンゴレだからっていい気になるなよ!外にヴァリアーの精鋭共が配置されているようだが
俺の部下達が外で今頃ヴァリアーの奴らを始末してる頃だぜ」


「アイツらがやられると思う、ザンザス?」
「カスが・・・ゴキブリ並みの生命力してんだ死ぬわけねぇよ」
「だってさ」



てめぇらのん気に会話なんかしてんじゃねぇよ!!







どうやら、敵さんの逆鱗に相当触れているらしい
ボスらしいヤツがすごい怒気を強めている。







「ねぇ、ザンザス・・・アンタ外に行きなよ」
「あぁ?てめぇ何言ってんだ」
「聞こえないのクソボス・・・此処は私一人で相手するって言ってるの」
「・・・、てめぇ・・・」







大丈夫だよ、そのために身に付けた強さなんだよ

もう、誰にも心配かけたりしない。

もう、誰一人傷つけさせない

もう、もう・・・・・・
















弱 い ま ま じ ゃ イ ヤ な の !











「お願い、ザンザス」

「チッ・・・ホントに任せていいんだな」

「えぇ、どうぞ」

「分かった・・・外を片したらすぐ戻る。それまで死ぬなよ」

「もちろん」







そう言って、ザンザスは踵を返し
外へと行く。

私は振り返らず、ただ、彼の去って行く足音だけを耳に入れていた。







「おいおい、テメェ一人で俺達相手にするって言うのか?」

「ご不満かしら?」

「女のマフィアなんて・・・あまり聞かないからな!!」







すると、ボスの男がトリガーを引く

通常の銃弾が来ると思ったが・・・・・・







「!!!」










ドォン、ドォン、ドォン!!










「ハハハハハハ!!!どーだ、俺の嵐の銃弾の味は?タダの旧式と思われちゃ困るぜ!」









-------パリ、パリ、パリ・・・







「あ?」










「そうね、タダの旧式じゃないみたいね。何だちゃんとリング所持してんじゃない・・・本当にカスと思っちゃったわ」









「おい、あの、雷のドーベルマン・・・っ」

「銀色の、トンファ・・・」

「それに、・・・あの白い死ぬ気の炎・・・・・・」

「ま、・・・まさか・・・てめぇ・・・・・・」










--------ビリビリビリ!!








ザンザス、ごめんね

せっかくくれたドレス・・・早速ダメにしちゃって

でも、あのままじゃ動きにくいから破るね。










「さぁ、楽しい時間を始めましょうか。全員まとめて・・・」






























「 
喰 い 潰 し て あ げ る 」

















「ボンゴレ最強御目付役・・・ だ。」









麗しき阿修羅姫再臨!
(いざ舞い踊れ、阿修羅宿し、麗しき姫君)

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