それは数日前に遡る。




ある朝の事だった。




僕は珍しく寝坊をした
襖から零れる朝日が眩しくて、僕は目を覚ました。







薄っすらと目を開くと、僕を覗くような姿があった・・・・・・







徐々に、開いていく目


姿を現してくる、姿・・・・・・アレはだ。



そう言えば、昨日も飲み比べしてそのまま2人で飲み落ちた



そうか・・・だよね・・・だ。
















「あ、おはよう恭ちゃん」














誰 で す か ?










それで一気に覚醒した。
体を起こすと、隣にちょこんと座っている少女の姿

見覚えない・・・誰?








「君・・・誰?」

「恭ちゃん、あたしだよあたし。」

「だから誰」

だよ。恭ちゃんの幼馴染のだよ」













ち ょ っ と 待 っ て







僕は、まだ寝ぼけているのか?
それとも二日酔いでこんな事が起こっているのか?
いやいや、それともまだこれは夢の世界なのか?





ガラにもなく、僕は脳内で慌てふためいていた




ウソだ、だってはこんなに小さくないし
ましてや、僕の事を”恭ちゃん“なんて呼ばない。

いや、昔はそう呼んでいた・・・まぁすぐにやめさせたけどさ・・・まさか・・・







「本当に、なの?」

「そうだよ。・・・あ、恭ちゃん朝ご飯食べようよ。あたしお腹すいちゃった」







そう言って、?はニコニコしながら立ち上がる。
しかも、いつの間に僕のスーツのブラウスなんか着てるの?

ブカブカで、手すら袖から出ていない。
もうブラウスが一つのワンピースと化している。

背丈は約130cmといったところ・・・小学生並に小さい。








僕は半信半疑になりながら
着物に身を包み、起き上がる。




近くにいる?は黄色い鳥と一緒に遊んでいる。














-------コロン。














すると、足に何か当たった・・・僕はそれを見る。

当たったのは栄養ドリンク剤のようなビン。しかも空だった・・・僕はそれを持ち上げ









「あ」

「ん?どーしたの、恭ちゃん」

「何でもない。・・・先に行ってて僕もすぐ行くから」

「うん!早く来てね。ヒバード行こっ」

『アサゴハン!アサゴハン!!』







?は笑みを浮かべながら、黄色い鳥と一緒に
食卓のある居間へと走っていった。



一方の僕はというと、持ったビンを見る。
それには”ブリングアップ“と表記されたビン。






覚えている・・・これは僕がに飲ませたもの。
ある奴からもらった、このビン。





だって、効果があるなんて・・・僕も、アイツも知らなかった。





まさか・・・これが、本当に?



あの、ヘタレ牛の持ってるヘンテコバズーカの故障?とかも
一瞬脳裏を過ぎったけれど

ビンを見て、そうじゃないと一蹴した。





この効力が効いてるとすれば、アレは間違いない






僕の知ってるだ。















「恭ちゃーん、ご飯食べちゃうよー」

「すぐ行くよ」







可愛らしい声に僕はすぐさま答えた。

そして、とりあえずビンを袖に収め彼女の待つ食卓へと向かうのだった。



























「ヒバード、おいしい?」
『オイシイ!オイシイ!!』
「うん、よかったね。」




目の前のは鳥に自分のご飯を分け与えていた。

無論、僕は目の前のを少し見ながら食事を進めていく。





、あんまりあげないでね」
「えー、何で?」
「太るから・・・肩とかに乗った時重いし」
「いいじゃん、恭ちゃん」
「ダメ。もう食べさせないでくれる」
「ブー・・・恭ちゃんのケチ」





10歳?のってこんなにワガママだったかな?

いや、25歳のワガママに比べたらまだ可愛い
ワガママもワガママで傍若無人な振る舞い

それを考えたら目の前にいる10歳?のの駄々こねやワガママなんて可愛いものだ。








「恭さん、おはようござ」

「哲おはよう」
「哲さん、おはよー」







襖を明けて、朝の挨拶をしに来た僕の部下・草壁哲矢がやってきた。
が、哲の顔もハトが豆鉄砲を食らったような・・・本当に驚いている。









「きょ、恭さん・・・あの、そちらの、お嬢さんは?」

僕の隠し子

えっ!?!?

「ウソに決まってるでしょ、何真に受けてんの?」

「(ビックリした)・・・じゃ、じゃああのそちらのお嬢さんは一体?」

だけど。文句ある?」

えぇえ!?!?!






驚くと思った。

まぁ仕方ないか・・・何せ昨日まで25歳という姿が
今日出会ってみれば10歳になってるんだから








「哲さーん、ご飯食べた?」

「は・・・はぃ、先刻・・・」

「なーんだ。・・・じゃあ、お昼は哲さんも一緒に食べようね」

「え?・・・い、いいんですか?じゃあ、お言葉に」

哲、咬み殺すよ

「す、すいません恭さん」











のネコ甘えに、哲が流されそうになった
(いや、むしろ一緒にお昼を食べるという時点で僕はムカついていた)










「何、恭ちゃん?」

「しばらく此処から出ちゃダメだからね」

「えーっ何で?」

「何ででも。出ちゃダメだよ・・・いいね。」

「恭ちゃんが言うなら、分かった。」







可愛く微笑まれ、僕はため息を零した。

はぁ、僕の理性が何処まで保てるか・・・いや、保たせなくては。

そんな10歳の幼女になったに襲い掛かった日にはそれこそ

僕は人としてどうかと思われそうだ。









「哲」

「は、はい何でしょうか?」

「しばらくの面倒を頼むよ」

「え?・・・あ、はい」

「一瞬でも目を離したら・・・どうなるか分かってるよね?」

「・・・はい、分かりました!!」







とりあえず、哲に監視をさせておけば
はこの庵から出まい。



真実が分かるまで、とりあえず、を隠さなければ

後、僕自身の理性を保たせよう。



そう、心に決めた・・・数日前のことだった。









目を覚ますと、其処には・・・
(幼い・・・可愛くなった愛しい君がいました)


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