10歳・・・幼いと思っていたが、呼び方が・・・違う。




10歳といえば、小学校低〜中学年くらい?の歳だと思う。




そう、僕は小学校に上がり・・・7歳の頃に、
『恭ちゃん』と呼ばれるのが恥ずかしいから『恭弥』と呼ぶようにした。






だけど、今のは僕の事を『恭ちゃん』と呼んでいる。





明らかに、おかしい。
10歳の頃といえば、『恭弥』と呼んでいた頃。

それだというのに、何故?







それが気になって僕はチューニング屋のところにを連れて行った。











「あ、雲雀さん!・・・と」

「恭ちゃん、このおじちゃんだーれ?」

「僕の知り合いだよ。」

「その人がさんですね、雲雀さん」

「そうだよ」





僕が彼の部屋に行くと、彼は急いで椅子から立ち上がり
僕とを出迎えた。でもどうやら、腕に抱きかかえたの姿を見て
すぐに彼女だと分かったらしい。








「あ、あの・・・それで、今日は一体どういったご用件で・・・」

「あぁ・・・ちょっとね、気になったことあるから調べてほしいんだ」

「調べる・・・ですか?何でしょう?」

に”テスト“をさせたいんだ」

「”テスト“?・・・それで一体何が?」

「いいから、手伝いなよ・・・君にも否があるんだからさ」

「わ、分かりました!!(
逆らったらまた咬み殺される!?!?)」








そう言って、チューニング屋と僕は
にあるテストをさせるのだった。



















---------数分後・・・。











「ヒバード、ケーキ好き?」
『好き!好き!』
「食べる?」
『食べる!食べる!』







「結果はどう?」
「雲雀さんの推測通りなものかと思われますコレは」
「やっぱり」



































さん、身体の発達と脳の発達に・・・極端な差がありました」





「そう」






僕とチューニング屋はパソコンの画面を覗いていた。
其処に現れていたのは、がテストで得たデータだった。

そこで分かった事は、どうやら僕の思っていた通りのものだった。






僕がに行わせていたのは”知能指数“を検査するためのテスト。

ようするにIQテストのようなもの・・・小学校の低学年の頃誰しもする、図形とか
ワケの分からない問題ばかりやる・・・あのテストのことだ。








さんの身長や体重を計算すると、約10歳である事には間違いありません。ですが、知能の方が・・・」

「極端に低いね・・・」

「はい。通常10歳くらいの知能指数は110以上と言われています。すごい子ですと120あってもおかしくないと
何かの本で読んだことがあります。・・・しかし、さんの知能指数は70」

「つまり・・・・・・”知能障害“」

「その可能性は充分にあります。・・・ですが、知能障害にもボーダーがありますから。さんの場合
知能指数が70だったので軽度にはなるでしょう、ある程度の事でしたら理解は出来ます。
それにさんの身体などを見たら疾患など見られなかったので、病的要因から来たというのはまずないでしょう」

「じゃあ、あの栄養剤が原因って事になるよね」

「身体を退化させて、その反動で脳に対する衝撃が強すぎたんでしょう・・・私も専門的なものは
分かりませんから・・・とりあえず一度お医者様に見せた方が一番良いと思います」

「分かったよ」





そう言ってパソコンの画面から離れ
鳥と楽しく遊んでいるの方を見て・・・・・・。










「なぁーに恭ちゃん」

「おいで。病院にちょっと行こうか」

「?・・・何で?」

「いいから、おいで」







僕がそう言うと、は不思議そうな顔をして僕の元にやってきた。

僕はそんなをすぐさま抱き上げた。









「雲雀さん・・・あの・・・本当に・・・・・・」







すると、チューニング屋が申し訳なさそうに僕に声をかけてくる









「僕も悪いんだ・・・ワガママを直したいと願った僕も悪い」

「雲雀さん」

「だけど、こんな危険な薬だと知らずに渡した君も悪いよ」

「・・・はぃ(やっぱり来るか)」

「さっさと見つけなよ・・・じゃなきゃ、
どうなるか分かってるよね?









僕は首を少し後ろに向け、チューニング屋に睨みを利かせた








「ももももも・・・もちろんですよ!!!必ず見つけます!!!はい必ず!!!」

「ならいいよ。じゃあ後よろしく」

「バイバーイ」






そう言って、僕はを抱き上げたまま
チューニング屋の部屋を出て、地上へと上がり、病院へと向かうのだった。


































「だからって、何で俺のトコに来たんだよ」

「気付いたら病院って群れる場所だったから」

じゃあ書くなよ!!
”病院“っていう文字を今すぐ消せ!!


「僕に言わないでよ。僕が書いたんじゃないんだから」




を連れてきたのは、学校の保健室。
本当はコイツにも会いたくなかったんだけど・・・一応医者だし、と思って。



僕はドアに寄りかかり

ヒゲ医者の目の前に幼いが座っている。

医者は、マジマジとを見ていた。






「しっかし、ちっさくなったな・・・

「おじちゃん、だーれ?」

「おじちゃん?おじちゃんはお前んトコの恭ちゃんに桜を嫌いにさせた男だよー」

「何至らない事教えてんの其処・・・咬み殺すよ」

「お?やるか?・・・良いぜ、今度はお前にどんな病気にかかってもらおうかなぁ〜」

「とにかく、早く診なよ・・・医者なんでしょ、とりあえず」

とりあえずは余計だ!医者だよ、いーしゃ!!・・・ったく、恭ちゃんは荒っぽいなぁ、

「そぉう?恭ちゃんは優しいよ」







そう言って、ヒゲ医者もさっきの知能検査と同じ事をにさせた。



問題数とかは極力減らしてるみたいだけど・・・普通の10歳なら分かる程度の
問題ばかり・・・だが、さっきのは確実に分からなかった。



多分、いま出されている問題も・・・そんなに分かってはいないはず。



色々検査とか後は診察も軽くさせて、全部終えた。

だけど、終えた頃にはは連続的に脳を動かしたため眠ってしまった。












「で?今さっき・・・アジトで図ってきた知能指数はいくらだ?」

「70」

「同じだな・・・70だ。完璧にこりゃ知能障害起こしてるな」







ヒゲ医者と僕は保健室のベッドですやすやと寝息を
立てて眠るを見る。








「精神年齢も、10歳のものとは違うな・・・10歳の精神年齢の平均得点知ってるか?」

「医学的なものは僕は分からないよ」

「まぁそりゃそうだろうな・・・10歳の精神年齢の平均得点が0ヶ月で132点・・・10ヶ月で大体140点くらいだ」

「高いね・・・じゃあ、今のは?」

「72.5点・・・これくらいは、5歳児と同じくらいの指数だ」

「5歳児・・・そう」

「知能指数(IQ)も5歳児なら118〜119くらいあってもおかしくないんだがな。70は極端に低すぎる
一体何をどうこうすれば、こんな知能指数まで低くなるって言うんだよ」

「体の方はどうなの?」

「異常なし。病的要因かと思ったんだがな・・・デカイ病気をしたっていう記録もないし。コイツは生理的要因の症状と同じだな」

「生理的要因?」

「特に知能が低くなるわけでもないし、健康状態が良好の場合に見られることだ。大体の知能障害はこのケースが多くてな。
まぁ遺伝子の方にちょっと問題があるだけだ。知能障害のある親から出来たり、もしくは知能障害がなくても子供が知能障害を起こすケースも無きにしも非ず」







何か、時々コイツが医者らしく見えるよ。

ちょっと頼もしいとか思ってしまった。








「ちゃんと医者だったんだ」

医者だって言ってんだろ!!!Dr.シャマルを舐めるな!!」

「別に舐めてないよ。医者らしい事をしたところ見たことないから」

「お前、もっぺんサクラクラ病にかかるか?」

「遠慮しておくよ」






僕はベッドで眠っているを、起こさないようにそっと抱き上げた。






「世話になったね」
「お前が頼んでくるなんて、滅多にないからな。・・・しかし、気になるなその栄養ドリンクとやら」
「やめたほうがいいよ・・・見て分かったでしょ?」
「バーカ、医学的な方でだ。身体と脳が別々の退化反応を起こすなんて奇跡に近いからな」
「なら自分で調べなよ・・・でも僕は貰っただけだからね。詳しく知ってるのはチューニング屋だから」
「ジャンニーニ?アイツが?・・・珍しい事があるもんだな・・・おらぁてっきり六道の奴かと思ったんだが」
「パイナップルがもしこんなの飲ませたら、僕みたいに心配したりしないよ・・・むしろ盛ると思う」
「(仲間なのに容赦ねぇなコイツ)・・・まぁせいぜい頑張るんだな雲雀パパ」
「気色の悪いこと言わないでくれる・・・それにパパじゃないから」






そう言って、僕はを抱き上げたまま
保健室を、学校を後にしボンゴレのアジト横に作った僕専用の庵に戻るのだった。





























「・・・





庵に着いて、僕は布団を敷き
その上にを寝かせ、毛布を被せた。

はまるで天使の寝顔のようにすやすやと眠っていた。


僕はため息を零し、の頭を優しく撫でる。





「ぅ〜・・・きょぉ、ちゃん・・・・・・」





寝返りを打ち、落ち着いた微笑みを見せる






幼くなっているとはいえ、まさか脳にまでもその影響が行っていたとは
正直驚いたとしか思えない。

体は10歳、心は5歳・・・その差は5歳。

僕の年齢からすれば相当離れている。

一緒に歩いたらやっぱり親子としか見られないだろうね。








「・・・ま、いいか」






でも、があまりにも可愛すぎて・・・僕の理性は1本、また1本と切れている。
僕が何かの拍子に暴走してもおかしくない。












「さすがに・・・犯罪・・・だよね」






いや、好きだからいいんだけどさ・・・さすがにこうも
退化しているから・・・襲うにしたら・・・完璧に僕は犯罪だよね・・・ていうか
犯罪



それだけは避けたいよね、色々と。


今まで僕が風紀を乱したことはない・・・そんな僕が犯罪という風紀を乱してしまえば
財団のボスとしての立場がない。







「はぁ〜・・・ガンバロ」








そう、ため息を零し
襖をゆっくりと閉めて、部屋を出るのだった。







これはまだ、僕の理性が切れる・・・ほんの数日前の話だ。









体は10歳/心は5歳・・・僕は、我慢。
(大丈夫、大丈夫と言い聞かせつつも・・・抑えきれない衝動が襲ってくる)


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