目線を落とすと、其処には可愛らしいお姫様が
愛らしい目を僕に向けていた。
僕は笑みを浮かべながら、膝を曲げ、目線を合わせた。
雲雀クン、近づかせないようにしていたようですが
どうやら、運が回ってきた・・・幼少の自ら僕の元にやってくるとは
やっぱり愛の力ですよね!!
「・・・・・」
「どうしました?」
だが、目の前のは幼少期そのもの。
まぁ僕を知るわけない。だが、僕はあまりのの愛らしさに笑みがこぼれて仕方がない
「ねぇ、」
「はい、何ですか?」
「おじちゃん、誰?」
-----------ピシッ!!!
のあまりの言葉に石化。
お、おじ・・・おじ・・・・・・おじ・・・・・・
ちょっと、僕まだ25歳ですよ!!!おじちゃんと呼ばれるには早い歳です!!!
まったく雲雀クンはどういう教育をしてるんですかね
「んっ・・・・・・お兄ちゃんはね、貴女の雲雀クンとお友達です」
「お友達?」
お友達・・・なんていう関係になりたくないのだが
今のにはそう言った方が何かと近づくには好都合。
「はい、六道骸と言います。そうですね・・・・・・”むっくん“と呼んでください」
「あー!!!分かった!!」
「はい?」
すると、が大きな声を出して楽しそうな顔をした
もしかして、僕のこと覚えて
「パイナップル頭のヘンな人って恭ちゃんが言ってた!!」
---------ピシッ、ピシッ!!!
あの男は・・・つくづく、ムカつく事を・・・
しかも幼少のにまでそんな事を教え込むとは・・・!!!
誰がヘンな人ですか!!!まともな人間ですよ、僕は!!!
「お兄ちゃんはヘンな人じゃありませんよ」
「えー・・・でも恭ちゃんがパイナップル頭をしたヘンな人に会ったら逃げなさいって言ってた」
「(あの男は)僕がヘンな人に見えますか?」
「・・・・・・うん、だってパイナップル頭」
なんと言う、其処だけ躾けるとは・・・!!!!
侮れないですね、雲雀恭弥という男は。
何年経っても憎たらしい男だ・・・!!!
「ところで、お嬢さんはどうしてこんなところに居るんですか?」
とにかく、その”ヘンな人“を和らげるために僕は
優しくに語りかけた。
「鳥・・・飛んで行ったから追いかけてきた」
「あぁ、この子ですか?・・・ムクロウというんですよ。」
僕は側を飛んでいたムクロウを腕に乗せ、の前に出す。
「ムクロウ・・・ヒバードもそんな事言ってた。可愛いね」
「そうですか?ありがとうございます」
そう言っては愛らしい表情で、ムクロウの顎を撫でる
気分がいいのか、ムクロウも喉を唸らせながら鳴いていた。
「ムクロウも気分がいいみたいですね・・・。あぁ、そうだ・・・お嬢さんに此処で会ったのも何かの縁ですし
ケーキでもご馳走しましょうか」
「ホントー!!」
「えぇ。さぁ、おいで」
僕が手を差し出すと、は嬉しそうにその手を握ってくれた
あぁ、小さな手だ・・・可愛い
「ケーキ!ケーキ!!」
「クフフフ・・・可愛いですね。お嬢さんお名前は?」
「あたし、!・・・むっくんはいい人だね」
「えぇ、良い人ですよ。雲雀クンにも後でそう言っててください」
「恭ちゃん嘘つきだね。むっくんはいい人なのに」
「そうですね、雲雀クンは嘘つきですね・・いけませんよ、嘘つきな子になっては」
「うん!」
幼い、何も知らない無垢な少女の手を握り
僕は心の奥底勝ち誇った笑みを浮かべながら、少女を連れ歩くのだった
「・・・・・・・・・」
「あ、・・・あの・・・恭、恭さん・・・その、コレは・・・」
僕、今物凄く怒ってる
そうだね、腸煮えくり返るくらい
背後に居る哲は冷や汗を流していた。
何で、何で・・・・・・・・・
「哲」
「は、はいい!?」
「何で、部屋に居ないの?」
「い、いえ・・・あの、私がその・・・戻ってきた時には・・・その・・・居なかっ」
「何、僕に口答えする気?」
「そ!そうじゃないです!!本当に私が戻ってきたら居なかったんです!!恭さんとりあえず、落ち着いてください!!」
落ち着け?
コレが落ち着けって言う態度に見える?
うん、見えないよね全く
せっかく、お土産にの大好きなお店のケーキを買ってきてあげたのに
君の喜ぶ顔が一番に見たかったのに
君の嬉しそうな顔が一番に見たかったのに
君の可愛らしい声を一番に・・・・・・・・・
『ヒバリ!ヒバリ!!』
すると、鳥が何かを訴えるように飛んできた
「何?」
『、ムクロウ!、ムクロウ!!』
ムク・・・ロウ・・・だって?
---------ガンッ!!!
「きょ、恭さん!?!?」
僕は思いっきり、ケーキを持っていた箱を床に叩きつけ、踵を返す
「あんの、くそパイナップル・・・ちょっと連れ戻してくる」
「は、・・・はぃ」
僕は盛大な音を立てながら、廊下を歩く
あの野郎・・・を連れ去るなんて良い度胸してる・・・相当僕にケンカ売ってるんだよねコレ
いいよ、売られたケンカならいつでも買うし
どーせ、あのパイナップル頭の変態いつの日か決着つけなきゃいけないと思ってたしね
この際だ・・・ボコボコになるまで、いやそれこそ跡形もなく咬み殺す
あまりボンゴレのアジトには僕自身入りたくない
それこそ、会議とか重要な事がない限り足を踏み入れたりしないから
というか、があぁなってしまってからコッチのアジトになんか足を入れた記憶がない
「(・・・・・・無事だろうね・・・あのパイナップルに何かされてなきゃいいんだけど)」
もう僕は穏やかじゃない
パイナップルのヤツは・・・が成人だろうが幼少だろうが見境なく襲いそうで怖い
それこそ、パイナップルはにヘンな事を教え込みそうだから嫌だ。
僕のだよ・・・手なんか出したらマジでアイツ・・・・・・ぶっ殺す
『あー・・・むっくん、反則!』
『おや、バレてしまいましたか?』
すると、よく草食動物たちが談話室として使う部屋から
明るい声が聞こえてきた。
それもの声・・・・・・いや、多分間違いなくの声だ
『だから、むっくんヘンな人って言われるんだよ』
『それとこれとは関係ないことでしょう?どのお口ですか、そんな事言うのは?』
『やぁ〜・・・むっくんくすぐったいよぉ〜』
『クフフフ・・・どこがくすぐったいんですか、言ってごらんなさい』
---------ブチィイ!!!
僕の怒りは頂点に達した
-----------バァァアン!!!!!
「おや」
「ぁ」
「!!・・・ちょっと・・・・・・何してんの」
扉を盛大に開けた。
だが、瞬間目を疑った。
派手にコーディネートされた長いソファーで
幼いを下に、あのアホパイナップルが上に覆いかぶさっている
「これはこれは、雲雀クン。お迎えが遅いですよ」
「六道・・・君ってヤツは・・・」
アイツは、ムカつく笑みを浮かべ僕を見ていた
ますます、気に入らないしムカつく。
「恭ちゃ、ん」
「・・・、」
僕の怒りを悟ったのか、は少し怯えた表情を見せていた
約束したよね、何で破るの?
あれほど、僕と約束したじゃない
ねぇ、君はさぁ・・・僕のこと、本当に好きなの?
愛情育成放棄寸前?!
(もう君の事が、分からないよ。君は僕をどうしたいの?)